ソニーの「Reader」は、2モデルとも厚さ10ミリ前後のスリムボディが特徴のeBookリーダーだ。別売のブックカバーを含め、細かくチェックした。
ついにというか、ようやくというか……。11月25日にソニーが「Reader」を発表したことにより、日本でも電子ペーパーのE Inkを採用したeBookリーダーと、日本語のeBookコンテンツを扱ったストアがセットで再び展開されることになった。
これまでは、同じE Inkを採用したAmazon.comのKindleが日本でも入手可能だが、肝心の日本語コンテンツはほとんど存在せず、一方の液晶ディスプレイを搭載したiPadもアプリ形式では日本語コンテンツが提供されているものの、iBookstoreではKindleと同様に日本語のタイトルは非常に少なかった。それに対し、ソニーのReaderでは「Reader Store」において日本語で読めるeBookコンテンツが販売され、開設当初は2万タイトル以上が用意されるという。
今回は12月10日の販売を前に、試作機に触れる機会を得たので、まずはハードウェアについて細かくチェックしていこう。なお、試作機ゆえ製品版とは一部で異なる可能性がある。また、Reader製品の詳細や関連記事については、下記を参照してほしい。
ソニーのReaderは、こちらの記事で述べたとおり、日本では5型の「Pocket Edition」と6型の「Touch Edition」が発売される。スペックの詳細は下記の表にまとめたが、どちらのモデルも実際に手にすると、スリムなボディと軽量さが際立つ。特に5型のPocket Editionは一般的なワイシャツやスーツの胸ポケット、ジーンズのポケットにすっぽりと収まるサイズで、まさに文庫本的に扱える。ボディの厚さは約9.2ミリと薄く、アルミ素材の金属的質感は目を引く。さらに背面部分はラバー風の塗装が施され、手になじみやすいのも好印象だ。
6型のTouch Editionは、Pocket Editionを二回りほど大きくしたもので、さすがにポケットに入れることはできないが、厚さは約10.3ミリと十分にスリムに仕上がっている。6型モデルでは、SDHC対応SDメモリーカードとメモリースティックPRO デュオスロットをそれぞれ用意するほか、ヘッドフォン端子と音量調節ボタンを装備することで、音楽ファイルを再生しながら読書を楽しめるのがアドバンテージだ(スピーカは内蔵していない)。ちなみに、音楽ファイルはMP3(32〜320kbps/22.05kHz、44.1kHz)とAAC(.mp4/.m4a/.mov/.qt、40〜320kbps/24kHz、44.1kHz、48kHz)をサポートしている。
そのほか、カラーバリエーションは5型がブルー、ピンク、シルバー、6型がブラック、レッド、シルバーと手堅い色から派手な色まで用意されており、好みや利用シーンに応じて選べるのもうれしいところだ。
Sony Readerの主なスペック | ||
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モデル | 5型「Pocket Edition」 | 6型「Touch Edition」 |
型番 | PRS-350 | PRS-650 |
カラーバリエーション | ブルー、ピンク、シルバー | ブラック、レッド、シルバー |
ディスプレイ | 5型電子ペーパー | 6型電子ペーパー |
解像度 | 600×800ドット | |
階調 | 16階調グレースケール | |
タッチ操作 | ○(光学式) | |
内蔵メモリ | 約2Gバイト | |
使用可能領域 | 約1.4Gバイト | |
インタフェース | microUSB | microUSB、ヘッドフォン、音量調節 |
メモリカードスロット | − | メモリースティックPRO デュオ、SDメモリーカード(SDHC対応) |
内蔵辞書 | ジーニアス英和辞書(第四版)、New Oxford American Dictionary | |
バッテリー | リチウムイオンバッテリー | |
駆動時間 | 約2週間、連続ページ送り約1万ページ | |
充電時間 | PC接続時:約3時間、別売ACアダプタ接続時:約2時間 | |
本体サイズ | 104.6(幅)×145.4(奥行き)×9.2(厚さ)ミリ | 119.1(幅)×169.6(奥行き)×10.3(厚さ)ミリ |
本体重量 | 約155グラム | 約215グラム |
予想実売価格 | 2万円前後 | 2万5000円前後 |
ここまでは主に外観を見てきたが、次のページではiPadやiPhone、Kindleなどとの比較やeBookコンテンツの読みやすさなどを見ていこう。
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