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ちょっと気になるネットの話題「ねとらぼ」
携帯電話における課題は料金の問題です。月に数万円もの通話料は、ユーザーに大きな負担を与えます。これを解決するのが、VoIPという技術です。インターネットを使って、音声伝達をIPで行えるようになれば、わずかな固定料金で長時間の通話も可能となります。これと、同じく2002年に爆発的な普及を遂げた無線LANを使えば、いまの携帯電話とまったく遜色のない使い勝手が実現できるわけです。 これなら、たとえPDAの価格が4万円だとしても、携帯電話の料金を払い続けるのとどちらが得なのかということを判断してもらえると思います。今年は、こういったデバイスの発表も考えています。 ZDNet 企業が、ビジネスのツールとしてPDAを重要視するという状況にはいまだ遠いような気がします。PDAにはどのようなバリューが必要でしょう? 宇野 企業ユースという面では、シャープとしてはまだ次のビジネスの種をまいているという段階です。ビジネスのツールとしてPDAを考えたとき、どういった分野での成功が一番望めるか。それは、常時接続やVoIPによって実現されるIM(インスタントメッセージング)の市場ではないでしょうか。そうすれば、ボイスに加えて電子メールやそのほかのビジネスツールも利用できるPDAが、携帯電話にも代わる強力なツールになっていくのではないでしょうか。 ZDNet 同じくPDA市場で健闘している、ソニーのCLIEについてはどのようにご覧になっていますか? 宇野 国内でのライバルはやはりソニーですが、戦略としてはわれわれと同じような考え方に沿ったところもあるのでは、と思っています。ソニーもプラットフォームは世界共通のPalm OSという選択をされていますが、独自性のあるハードウェア作りへ非常に真剣に取り組んで、多くのユーザーニーズに応えようとしています。実は私自身、ソニーの吉田さん(ソニー ハンドヘルドコンピュータカンパニーの吉田雅信プレジデント)ともよく話をします。残念ながらまだ2002年には結果が出ていませんが、シャープとソニーで、国内のPDA市場を引っ張っていこうという気概でいます。 ZDNet PDAに音楽再生機能は必須なのでしょうか? 宇野 PDAの使われ方がより多角的になってきた現在、もはや必要不可欠でしょう。デバイスを何個も持ち歩く必要がなくなりますし、実際に私も出張などの際にはこれで音楽を聴いています。 ZDNet 2003年、日本の企業にはどのような努力が必要だとお考えですか? 宇野 この不況をどうすれば打破できるのか、それはなかなか難しい問題ですが、そんな不況の中で、どのようなものづくりをすればお客様に喜んで買っていただけるか、これはメーカーとして心得ておかなければいけないところです。 日本人はいま、無駄なものにはお金を払いません。徹底した節約モードに入っています。ただし、節約のための出費は厭いません。それとともに、自分が認めた贅沢に対してはお金を使うという面も持っています。いま、PDAを買ってくださっているのは、最新機器に興味を持っているユーザーです。まずこういった既存のユーザーに対して、常に最新のテクノロジーを取り入れた刺激のある製品を作らなければなりません。一方で、一般のお客様に対しても、コスト意識を刺激する製品を作っていくことが大切だと思います。
[聞き手:柿沼雄一郎,ITmedia]
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