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「Athlon」投入でデスクトップPC向けプロセッサにかつてない競争を巻き起こし、PCの低価格化と高性能化を一気に進めたAMDは、2003年、x86互換の64ビットプロセッサによって、サーバ向けプロセッサ市場で、強大なライバル・インテルに新たなる戦いを挑む。

2002年、IT不況とインテルPentium 4の攻勢を受け、デスクトップPC向けプロセッサの売り上げ減から、いささか厳しい業績となった日本AMDだが、2003年には同社初の64ビットプロセッサ「Opteron」「Athlon 64」出荷によって大きな飛躍を目指している。コンピュテーション製品グループマーケティング本部のサム・ローガン本部長に、2003年のエンタープライズ市場向け戦略を聞いた。

ZDNet AMDにとって2002年はどのようなものでしたか。

ローガン 2002年は世界のPC市場が1億3000万台の見込みというように、2001年の1億4600万台から落ち込みました。日本も1150万〜1200万台と、1400万台弱から減っています。我々はこれまでコンシューマー中心のビジネスを行ってきました。富士通、日立製作所、エプソンダイレクト、それにNECがAMDプロセッサを採用したPCを出荷してくれましたが、コンシューマーPCのうちエンタープライズ市場へ入っていったPCは数としては少ないものでした。AMDとしてはエンタープライズ市場にインパクトを与えられるのは、2003年だと考えています。

ZDNet 2003年には、x86-64アーキテクチャの「Hammer」(コードネーム)の投入という大イベントが控えていますね。64ビットプロセッサを中心とした、エンタープライズ市場への取り組みについて教えてください。

ローガン AMDは2003年前半にサーバ/デスクトップ向けに64ビットプロセッサ「Opteron」と「Athlon 64」の出荷を予定しています。サーバ向けのOpteronのほうが早く登場するでしょう。

 我々が最初コンシューマー市場に入ったとき、PCメーカーには「AMDはよくわからないが使っても大丈夫だろうか」という悩みがあったそうです。ただ、AMDが当初目指したのは低価格PCだったので、まあちょっとやってみようということで使ってもらえて、そのコストパフォーマンスの高さを理解してもらえました。

「Opteron/Athlon 64で、サーバ向けプロセッサ市場にかつてない競争が起きる」というローガン本部長

 エンタープライズ市場のユーザーは非常にコンサバティブな考え方をします。これは数百台ものPCを導入することを考えれば理解できることです。面白いのはサーバメーカーの技術者は、我々のx86-64技術に非常に興味を持っておりAMDに連絡を取ってきていることです。大手メーカーから多くの問い合わせをいただいており、ディスカッションが進んでいます。

 AMDがOpteron/Athlon 64を出すときに約束していることが2点あります。1つは32ビットプロセッサとして最高の性能であること、もう1つは64ビット対応のアプリケーションがそのまま動作するということです。サーバ向けに64ビットLinuxも出てきており、かなり期待しています。


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[聞き手:佐々木千之,ITmedia]


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