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2002年は日本BEAシステムズにとって急速な成長を遂げた年となった。J2EE準拠のWebアプリケーションサーバのリーディングカンパニーとして、同社の製品ラインアップは充実の一途である。それぞれの製品コンセプトを整理すると、同社の目指すWebアプリケーションプラットフォームの全貌が分かり、業界全体のWebアプリケーションビジネスの今後も見えてくるのだ

 「この業界の2002年をひと言でいうならば、生き残りのための方向性や戦略が模索した年でした」。インタビュー冒頭でこのように語り始めた日本BEAシステムズ代表取締役社長のロバート・スチーブンソン氏。同氏は「BEA WebLogic Platform 7.0J」の出荷と共に2002年9月1日付けで社長に就任された。

 さらにインタビュー冒頭では「2002年の初めは過当競争によって不透明な時期が続いたものの、後半からは方向性が見えてきました」というコメントも聞かれた。その兆しは何だったのか。J2EE対応Webアプリケーションサーバが基幹システムとなり企業を変えていく。そう業界で報じられる中、いまなぜWebアプリケーションサーバなのか? BEAなのか? その魅力と業界動向をスチーブンソン氏に聞く。

■まずはBEAプラットフォームを知る
 インタビューの中で挙げられる製品群は、まず最初に「J2EE準拠の基盤となるアプリケーションサーバ」(BEA WebLogic Server)が根底にあり、「総合開発環境の提供」(BEA WebLogic Workshop)、「システムの統合」(BEA WebLogic Integration)、「企業内での情報ポータル・フレームワーク」(BEA WebLogic Portal)、「すべてを統合するスイート製品」(BEA WebLogic Platform)と大別されている。今後のJ2EE準拠なWebアプリケーション開発から既存のシステム統合までをカバーするソリューションとして、注目される。

製品拡充の2002年、そして成果は2003年に

スチーブンソン 2002年は製品の拡充、そして「BEA Developers Conference」の開催、「BEA WebLogic Platform 7.0J」の出荷による今後の展望を明らかにするなど、BEAにとって躍進の年でした。今後を左右するBEA WebLogic Platformが生まれた年でもあります。

 BEAがWebアプリケーションプラットフォームを業界へ掲げ出したのが2001年です。その当時は国内で支持表明を行うベンダーは少なく、疑問視する見方がほとんどでした。しかし、その後の1年は各社による過当競争が激化し、現在は有数なプレーヤによる支持表明をいただき、業界全体のまとまりが見えてきたというのが実状です。

 業界の移り変わりを振り返りますが、2001年は、ユーザーインターフェイスにフォーカスを当てたポータル構築がホットな話題でした。2003年は、システムをインテグレーションする流れへと移っていくでしょう。BEAであればWebLogic Platformが軸となっていくわけですが、この製品ではポータル向けのBEA WebLogic Portalと、B2B統合機能を提供するBEA WebLogic Integrationが合わさっています。すでに利用されているベンダーでの例を見ると、まずそれぞれの機能を利用するというシンプルな構築から着手し、段階的に積み上げていくと言われています。

 このようなWebサービスで行うとした場合、従来であればSOAP、WSDL、XMLなどに精通しなければならなかったわけです。しかし、これらの必要性は軽減されたこともあり、従来のシステムをWebサービスで統合するというインテグレーションビジネスが見えてきたのです。

ZDNet 最初に第2四半期から見通しが明るくなってきたと言われましたが、この理由は何からでしょうか?

スチーブンソン BEAの場合では、2002年の第2四半期(5〜7月)から今後の展開が明らかになってきました。これには新たなコンセプトに沿った製品を投入したことが大きく関わります。そして、前でも触れたように有力なプレーヤが協調し、今後のJ2EEアプリケーションにおけるビジョンを示し始めたことも大きいでしょう。

 BEAでは、7月にデベロッパーズカンファレンスを開催し、BEA WebLogic Serverの優位性を幅広い開発者へアピールしました。2002年は、どちらかというと開発者向けのイベントが多かったのです。以降、製品は多様化され、BEAでは9月に発表したWebLogic Platform 7.0(日本語版)により今後を再認識する形となっています。

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[聞き手:木田佳克,ITmedia]


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