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2002年、ついにコンパックコンピュータとの統合を果たしたヒューレット・パッカード。カルチャーの違う企業同士が1つになるには苦労も多かったようだ。だが、エンタープライズ向けビジネスで同社の製品ラインは多彩になり、執行役員の樋口泰行氏は「HPはIBMに対抗できる企業になった」と話す。同氏にHPの2002年の総括と2003年の抱負を聞いた。

 2002年を振り返ったとき、業界でも最も激しい変動があったと言っていいのが日本ヒューレット・パッカード(HP)だ。2001年、コンパックコンピュータとの電撃的な合併発表後、米国では2002年5月に、日本法人も11月に正式に統合を果たした。当初、合併の効果を疑問視する見方もあったものの、現在では製品ラインの充実など営業面でのメリットを評価する声が増えている。同社執行役員で、インダストリースタンダードサーバ統括本部長の樋口泰行氏に、2002年を振り返ってもらい、2003年の戦略について聞いた。

ZDNet 2002年はどんな年でしたか?

樋口 2001年に合併が発表されたときは、いったいどうなるんだろうと思ったのが正直なところでした。それから、日本で11月に正式に合併を果たすまで、アイドル期間のようなものがあり、やっと統合したという印象です。

当初は、両社の製品のオーバーラップが大きいとか、カルチャーが違い過ぎるといった心配がありました。実際、最初の3カ月は、社内で使うエネルギーは大きかった。しかし、リストラを経てスリムになったことと、両社とも東京にオフィスを構えており、人をシャッフルして配置したことも功を奏したのか、情報システムの統合も順調で、今となっては、社員同士で出身がHPかコンパックかということをあまり気にしなくなっています。また、社長の高柳にとって、3度目の合併ということになり、いろいろノウハウが溜まっていたというのも大きかった。強いリーダーシップで統合を進めてくれました。

また、顧客は製品というよりは会社を信頼して購入してくれる傾向が強くなり、営業担当者にとっても仕事がしやすくなっているようです。まあ、売れない場合の言い訳ができなくなったという面もありますが。

ZDNet ちなみに、両社のカルチャーをそれぞれ一言で表現するとどうだったのでしょう。

樋口 旧コンパックは動きが速いのが長所で、悪く言えばあまり深く考えない。旧HPは慎重に決断するという良さがある分、動きが遅いという具合でしょうか(笑)。もちろん、お互いの社員に染み通っていた考え方の違いはあったので、調整には苦労しました。

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[聞き手:怒賀新也,ITmedia]


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