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1月1日付でプラットフォーム&ソリューションズ マーケティング本部長に就任した町田氏は「End to Endのユーザーシーンを理解した上で、適切なソリューションを提供していく」と語る。

マネージド・ホスティング・サービス「インテルオンラインサービス」の責任者を務めてきた町田氏は、1月1日付でプラットフォーム&ソリューションズマーケティング本部長に就任したばかり。ユーザーをダイレクトにサポートしてきた経験を生かしたいという。

ZDNet インテルは2002年、エンタープライズ市場ではプロセッサを中心に、かなり活発に事業展開されたと思いますが。

町田 エンタープライズ関連の製品トピックでは、2002年にはItaniumが2世代目に入ったことがあります。初代Itanium(Merced)では当初のスケジュールからかなり遅れましたがItanium 2はスケジュール通りに提供できました。Itanium 2を使ったサーバはTPCCで8万を超えるなど、すばらしい性能を見せています。Xeon MP/2GHz搭載の4ウェイサーバでも、TPCCで7万という数字をたたき出していますが、今後はItanium 2との差は開いていくでしょう。

 ハイパー・スレッディング・テクノロジを採用したXeonもリリースしました。ハイパー・スレッディング・テクノロジは、企業システムにおいて費用対効果が重要視される中で、CPUの数を増やすだけでなく、CPUそれ自体の性能を最適化された形で向上させようというものです。Xeonプロセッサ自体も、より高性能のものを投入しました。

 プロセッサ以外では、モジュラー・コンピューティングのコンセプトと、それに基づいた製品も発表しています。

ZDNet 2003年に予定している製品にはどんなものがありますか。

町田 2003年のロードマップには、次世代のItanium 2である「Madison」(製品名はItanium 2)が登場します。Madisonでは3次キャッシュメモリ6メガバイトに増え、動作クロックも高くなります。4ウェイサーバのTPCCで10万を超える性能になると予想されます。OEMさんから夏ぐらいにMadison搭載製品が出てくることを期待しています。またXeon MP(Gallatin)の高速版も出てきます。Itanium 2のコストパフォーマンス追求/低消費電力版のItanium 2(Deerfield DP)は2003年から2004年にかけて発表の予定です。

 2003年はItanium 2で、ハイエンドサーバ市場、特にメインフレームに近いところにちゃんと製品供給し、さらにそれを使ったソリューションを出していきます。また、チャネル向けのホワイトボックスサーバビジネスも本格的に開始しますよ。

 また春先に投入を予定しているノートPC向けプロセッサ「Banias」は、パフォーマンスをあげていくだけでなく、消費電力・バッテリライフをちゃんと使えるように、さらにワイヤレスの能力も組み入れた製品です。これは春先の大きなフォーカスです。たとえば企業において、セキュアな形で無線LAN、ホットスポットが利用できるようにするなど、投資やアライアンスを含め広く進めていきます。単にハードウェアのパートナーだけでなく、ソフトウェアやソリューションを提供している方々とも協力していく必要があると考えています。

ZDNet Itanium/Itanium 2はどのような業種から採用が始まるのでしょうか。

町田 2003年から2004年にかけて、企業にあるベクトルプロセッサベースコンピュータのリプレース時期がやってきます。その際に、ベクトルプロセッサベースのコンピュータの代わりとして、IAベースのグリッドコンピュータを使うことが考えられています。まずはHPCの分野でしょう。大学や公共研究機関、あるいは医薬品関係の会社など、とにかく処理速度/パフォーマンスを最優先にされているところですね。購入の時期はいろいろあるでしょうけれども、リードタイムは一般の企業よりも短いでしょうから。

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[聞き手:佐々木千之,ITmedia]


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