あなたが定年まで働き続けなければならない本当の理由:年収1000万円の貧乏人(3/3 ページ)
サラリーマンになってから、いつも疑問に思っていたことがありました。「毎月20万円も稼げば生活できるのに、なぜ必死に働いているのだろう?」答えの1つは「資本主義社会だから」。改めて考えてみると、資本主義とは何でしょう?
サラリーマンが豊かになれない資本主義社会の仕組み
なぜ私たちは、このような不毛な人生を送らないといけないのでしょうか。答えはシンプルです。
ひと言でいえば、国の政策だからです。「一億総中流」「所得倍増計画」は、「国民全員が中流階級を目指し、マイホームとマイカーを保有して豊かな生活を送ろう」という戦後、長期間続いてきた政策です。この政策は、バブル崩壊までの日本の高度成長期には有効に機能していました。日本経済が発展するには日本の企業が成長しないといけません。そのためには、売上が拡大し、利益も伸びていく必要があります。
一方、サラリーマンの人生の中で最も高額な買い物はなんでしょうか? 想像がつくと思いますが「マイホーム」です。そのあとに「保険」と「マイカー」が続きます。企業が売上を拡大していくために効果的な方法は、高額なものを売ること。つまり、これらの商品を販売することです。
もともとマイホームは、上流階級の人だけが保有できるものでした。なぜなら、庶民は高くて手が出なかったからです。ところが、そこに銀行と保険会社が登場します。銀行からお金を借りれば、お金のないサラリーマンでも高額な家でも買えます。お金を借りたサラリーマンは、一生懸命に会社で働き金利を払って、借金を返してくれます。
万一、借金した本人が病気や事故などで亡くなっても「団体信用生命保険」という保険に入っていれば、保険でお金が戻ってきます。だから、銀行は安心してお金を貸すことができます。つまり、庶民がマイホームを購入するためには、銀行と保険会社はなくてはならない存在なのです。だから、政府は長い間「過剰」といわれるまでにこれらの業界を保護し、外資の参入も拒んできました。
戦後から現在まで日本の経済活動を支えてきた建設業界や金融業界は、そのような仕組みで回っているのです。つまり、一般庶民は生活費や養育費以外は、一生懸命働いてもお金を国や建設会社、銀行、保険会社に吸い取られる仕組みができあがっているのです。
「月々家賃を払うのはもったいない。同じ金額を払うのならマイホームを買ってローンを払ったほうがいい。マイホームは、ローンが終わると資産になる」といった言葉を鵜呑(うの)みにし、借金をしてマイホームを買うと、一生、建設会社や銀行、保険会社のために働く人生になってしまうのです。
築30年の木造一軒家やマンションなど資産になりません。そんな30年もたった地元の実家は子どもも相続しません。結局、その子どもも新しいマイホームを買って、また一生、建設会社や銀行のために働く人生が続くのです。
次回は「お金持ちになるための“2つの法則”」を紹介します。
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