お金持ちは、2つの「ゴールドリバー」を持っている:年収1000万円の貧乏人(3/3 ページ)
お金持ちは、前回紹介した4つの川のほかに重要な「不労所得の川」と「資産の川」を持っています。お金持ちになるために「給料の川」を拡大するのではなく、自動的に収入が得られる「ゴールドリバー」を作ることを目指しましょう。
投資やビジネスに「正しい答え」は存在しない
サラリーマンが「資産家のお金の考え方」ができないのは、今の日本の学校教育に根本的な問題があるのではないでしょうか。
私自身も小学校から塾に通い、中学、高校、大学、大学院と受験を経験してきました。はっきりいってかなりの「受験オタク」です。そのような人生を24年間送ってきたのでなんとなく実感しているのですが、「勉強して努力することが何よりもすばらしい」というおかしな風潮がいまだに蔓延(まんえん)しているように思います。「勉強した」からには、資格や学歴などの明確な「結果」が欲しい。「努力した」からには、明確な形で「報われたい」のです。だから、勉強や資格、学歴などのスキルアップに必死になるのです。
一方、資産家である事業家の考え方は異なります。
彼らは「10の事業を立ち上げて、2つ3つ成功すればいい」と考えます。簡単に事業が成功しないのは分かっていて、「立ち上げた事業の大半がうまくいかないのは当たり前だ」と考えているのです。
また、資産家である投資家の考え方もサラリーマンとは異なります。投資家は多くの案件を精査し、「その中に1つか2つ、よい案件があればいい」と考えます。
「たくさんの時間やお金、手間暇かけて案件を調査したにもかかわらず、結局、投資しない」というケースは頻繁に起こります。また「時間をかけて検討し、よい案件だと思って出資したのに、結局損をした」ということも起こりうるのです。
事業を立ち上げるには「お金と労力をかけても事業がうまくいかないケース」を想定したうえで行わないといけません。また、投資を行うには「お金を投資することによって、損をする可能性がある」ことを覚悟したうえで実行しないといけません。
このように「失敗」や「損失」を受け入れたうえで行動し続けていくことは、常に「正しい答え」を出すことを重視してきた学校教育の考え方とは相反するものです。多くのサラリーマンは頑張って勉強して大学に入り、就職活動をして会社に入る――というのが当たり前だったので、今の状態から悪化するようなリスクは受け入れられないのです。事業を立ち上げたり投資をしたりすれば、今まで地道に貯めてきたお金を失うかもしれません。
また「働きながらビジネスを立ち上げることなど考えたこともない」と言うサラリーマンが大半でしょう。「副業規定に引っかかるかもしれない」「せっかく貯めたお金を事業で失うのはイヤだ」といった理由で一歩を踏み出すことをためらいます。
私のまわりには、サラリーマンとして働きながら投資をして給料以上の収入を稼いでいる人もいますし、事業に出資したり、事業や会社を勤め先とは別に持っていたりして、複数の収入源がある人もいます。しかし、このような人はごくわずかです。
サラリーマンと資産家のお金に対する考え方は、まったく異なるものなのです。
次回は、「リスクを取ることに過度に臆病なサラリーマン」について。
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