急接近する自動車とケータイモバイルクロスオーバー(2/5 ページ)

» 2004年01月13日 15時53分 公開
[神尾寿,ITmedia]

安全なクルマの撒き餌〜トヨタのG-BOOK

トヨタ自動車の「G-BOOK」。現在、乗用車のほぼすべての車種が、G-BOOK対応純正カーナビを装着可能になっている。右はG-BOOKのメニュー画面。メニューは階層構造で、運転中の利用は一部制限される。ボイスコントロールも可能だ

 トヨタの「G-BOOK」は、単なるコミュニケーションとコンテンツ提供にとどまらない総合的な情報プラットホームを目指している。ユーザーが最初に触れるのは、メールやコンテンツといった“iモード的”な部分だが、トヨタ自身が重要視しているのは、『安全・安心』に関わる分野だ。

 既に通信を使った追跡型セキュリティサービス「マイカーサーチ」を標準サービスとして基本料金内で提供中。2005年頃には事故発生時に自動的に自分の位置を緊急通報する「ヘルプネット」サービスが、標準サービスとして使えるようになる模様だ。これら安全・安心機能には、通信インフラとの確実な接続が不可欠。そのためG-BOOKは、当初からKDDIのCDMA2000 1xインフラを使う組込型通信モジュール「DCM」を本命として採用し続けているほか、もう少し手軽な接続方法としてG-BOOK対応カーナビの最上位機種からBluetoothを採用している(2003年11月の記事参照)。

 カラオケなどエンタテイメント系コンテンツや、新型クラウン向けのオペレーター対応秘書サービス「プレミアムコール」もあるが、これらは今のところキラーサービスにはなっていない。

 だが、2005年に予定されている次期G-BOOK端末では、DCMと車載端末の処理能力が刷新されて、3G携帯電話のようにアプリやリッチコンテンツの利用が促進される。これまでの経緯と筆者の取材から推測すると、この時、G-BOOKが採用する通信インフラは、auのCDMA 1X WINと同じ、KDDIの1x EV-DOになるだろう。クアルコムでは1x EV-DOのエンハンスド(拡張)仕様として、効率的な動画配信を行うマルチキャスト機能の準備を進めているので(2003年7月の記事参照)、これも併せて採用し、メディア機能を大幅強化する可能性もある。一方で、Bluetoothの標準採用化も進むだろう。

 G-BOOK戦略の狙いは、強化したメディア機能や携帯電話向けコンテンツ/アプリサービスとの連携でユーザーを惹きつける一方で、安全・安心機能を「標準サービス」として普及させるところにある。テレマティクスをはじめIT技術によって、クルマの安全性を高めるのが、トヨタの真の狙いだ。

ドライバー支援で一歩先を行く〜ホンダのインターナビプレミアムクラブ

インターナビプレミアムクラブの画面。画面内の黄色や赤色の波線矢印が、通常のVICS以上の渋滞情報。これらはほかのドライバーが走行した情報を元にしている

 誤解を恐れずにはっきりと言えば、今すぐ「買う魅力」が見つけられるのは、ホンダのインターナビプレミアムクラブだ。

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