3Mピクセルがゴール〜「A5406CA」カシオの狙い(2/2 ページ)

» 2004年06月11日 16時27分 公開
[斎藤健二,ITmedia]
前のページへ 1|2       

 CCDサイズはさまざまなものとのトレードオフだ。デジカメのスペックを見ると、高級機ほどCCDサイズが大きいことが分かるだろう。CCDサイズが大きいほど感度も良く高性能だが、逆に光学サイズも大きくなってしまう。高級機が大きいのはこん理由がある。携帯でいえば、厚みが増してしまうわけで、普通の携帯メーカーはこれを嫌う。A5406CAのカメラモジュールでは、AFのステッピングモーターを小型化することなどでサイズ拡大をギリギリに抑えた。そのため厚みは1ミリほど増えているが、外形寸法はほとんど変わらない。

 さらに、大きなサイズのCCDほど高画素化が容易だ。カシオのメガピクセル機「A5401CA」と2Mピクセル機「A5403CA」は、画素数こそ異なるが光学系の設計は流用できる部分が多かったという。CCDサイズが同じ1/2.7インチだったからだ。A5406CAでは3Mに達したが、これをさらに高画素化する可能性はあるのだろうか。

 「1/1.8インチであれば、6Mくらいまでいけますね」と石田氏は笑う。「ただしレンズが難しい。デジカメのようなレンズを付けていいならいけますが」。

光学ズームか3Mか〜悩んだ時期も

 この時期、携帯カメラの進化方向も多様化している。シャープはボーダフォン向け端末「V602SH」で光学2倍ズームを搭載したし、動画の録画・再生に注力した端末も増えてきている。カシオが“光学ズームではなく3M”を選んだ理由はどこにあったのか。

 「光学ズームか3Mか、悩んだ時期もあるんです。ただし光学ズームは、段階があってこそズームだと思った。2焦点はレンズも設計できるかもしれないが、“好きな画角で撮れますよ”というのは、今の技術ではデジカメ並のレンズを持ってこないとできない」

 デジカメで光学ズームといったら、リニアにズームして好きな画角で止められることを指す。現在のところ、携帯に使われている光学ズームは、“1倍あるいは2倍”の2段階ズームでしかない。

 敢えて3Mを選んだ背景には、画素数が多ければデジタルズーム時に劣化しないという理由もあるという。携帯の液晶で見る限り、デジタルズームでも劣化なしで十分な倍率が実現できるからだ。

WINに先行して導入〜音質向上のためのステレオスピーカー

 A5406CAのもう1つのポイントは、着うたにも対応したステレオスピーカーの採用だ。「本当はWINで秋くらいに出すつもりだったんですが、ステレオはデザインに与える影響が大きい」(石田氏)ことから、A5406CAへの導入を決めた。

 背景にあったのは、この時期予定されいてる着うたの高音質化だ。KDDIは、MP3圧縮を使ったAMCフォーマットの着うたを、AAC圧縮を使った3GPP2フォーマットに変更する(2003年12月24日の記事参照)。

 「音質向上の目的で、着うたのコーデックをAACに変えることは決まっていた。ただしステレオとモノラルってすごい違いが出るんです。音をよくするのが目的だったらステレオにすべきじゃないか。いわゆるステレオというより、高音質を目指した」

 実装面でも工夫した。電池カバー上部に配置したスピーカーは、外側を向いており、机に置いたときもきれいに音が出る。2つのスピーカーの間に壁を作って、干渉を防ぐ工夫もしている。人の耳の間隔よりも狭いところにあるスピーカーでステレオにするために、DiMAGICのバーチャライザー技術も導入した(2003年6月4日の記事参照)。ヤマハの新音源チップ「MA-5Si」に実装されている。

 スピーカーの直径自体は、モノラル機の16ミリから14ミリ×2に替わり、小さくなっている。小さなスピーカーでも大きな音を出すため、3バンドのデジタルイコライザーも初めて採用した。各音域について、割れる音域のボリュームを下げ、抜ける音のボリュームを上げ、全体として音割れのない大きな出力を実現している。

前のページへ 1|2       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月12日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. 新エントリースマホ「arrows We3」発表 コンパクトな高耐久ボディーに5000mAhバッテリーや新カメラを搭載 (2026年06月11日)
  3. スタバ長時間滞在、なぜ「一律ルール」設けない? “スマホでゲーム、PCで仕事も…広報見解は (2026年06月12日)
  4. 「それ、家じゃダメなの?」──スタバ長時間滞在に冷ややかな目 “スマホ操作”に“PCで仕事”も (2026年06月07日)
  5. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  6. コレがたったの3630円――初代PlayStationを模したケース、セブン-イレブンなどで7月6日発売 (2026年06月11日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. 動画配信「ABEMA」の障害復旧 約4時間17分にわたり視聴できず SNSに悲鳴【訂正】 (2026年06月10日)
  9. 「日本通信アプリ」の新バージョン提供開始 FPoS対応で本人確認のセキュリティを強化 (2026年06月11日)
  10. なぜ? マクドナルド「巨大セルフ注文端末」に批判殺到の理由 UI/UXに価格表示まで……直面している課題とは (2026年05月14日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー