迷惑メール対策最前線──次なる策は?(2/2 ページ)

» 2005年05月18日 22時06分 公開
[斎藤健二,ITmedia]
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2001年まで〜インターネットからの迷惑メールで遅延

 携帯への“迷惑メール”が急速に増加してきたのが、2001年だ。当時は、PCからインターネットを介して携帯に送られる迷惑メールがほとんどだった。

 この時点での問題は、大量のメールトラフィックにより携帯キャリアのサーバがパンク寸前に追いやられたことだ。ドコモによると当時のメールトラフィック9.5億通(1日当たり)のうち、迷惑メールが8億通を占めた(2001年11月6日の記事参照)。

 こうした大量のトラフィックにより、「メールが輻輳し、メールの遅延が発生」(桑原氏)する状況が各キャリアで起こる。

 大量の迷惑メールの大半は、ランダムなメールアドレスに宛ててメールを送信し、エラーメールの有無によって実在のアドレスかどうかを判別するためのものだ。こうしたアドレス収集のためのメール送信を「ハーベスティング」と呼ぶ。

 ハーベスティングは、各社が「宛先不明メールのブロック」を行うことで沈静化。設備輻輳は一時解消に向かった。

2002年〜2003年──迷惑メールが社会問題化

 この時期の変化は大きく2つ。1つは、出会い系サイトやアダルトサイトへ勧誘する迷惑メールが増加し、社会問題化したことだ。総務省と経産省主導で「特定電子メールの送信の適正化に関する法律」「特定商取引に関する法律の一部を改正する法律」が施行され、広告メールの件名に「未承諾広告※」と表示することなどが義務づけられた(2002年6月26日の記事参照)。

 これに基づき、携帯各社は「未承諾広告※」が記載されているメールの受信拒否機能を提供(2002年9月3日の記事参照)するなどの対策を行った。

 2つ目の変化は、迷惑メールの送信元が、PCから携帯電話に移ってきたことだ。各社の対策により、迷惑メール送信業者はPCからの送信を断念。ブロックが難しい携帯電話から迷惑メールを送信し始める。

 「2003年の夏から秋は、ボーダフォン端末からの迷惑メール送信が増えて、苦情件数が増えた時期」だと桑原氏は振り返る。これまで迷惑メールの受け手側だった携帯キャリアは、送信側への対応も迫られることになる。

 各社が採った対応は、迷惑メール送信者の携帯を特定し、回線を利用停止することだ(2003年7月10日の記事参照)。ボーダフォンは既に2万件以上の回線を利用停止、KDDIは4万1700回線を6カ月間利用停止している。ドコモは3536回線を利用停止、366回線について契約解除を行っている(3月2日時点)。

ボーダフォンの利用停止件数の推移

 一般ユーザーから回線契約を借り受け、迷惑メールを送信する業者も現れたことから、「名義貸し」にも注目が集まった(2003年10月7日の記事参照)。

2004年〜手口がさらに巧妙化

 2004年に入ると、迷惑メール送信業者の手口はさらに巧妙化する。ボーダフォンの場合、“メール不達通知を使った迷惑メール送信”も登場した(2004年10月7日の記事参照)。これは、「なりすましメールと組み合わせ、迷惑メールを送りつけたいユーザーからメールが送られたように見せかけて、実在しないアドレスに送信。『不達でした』と返信される先がユーザーの携帯になるように仕掛け、その本文に勧誘内容などを入れていた」(桑原氏)ものだ。

 また、携帯からの迷惑メール送信については、各社とも回線利用停止だけではなく、送信数の制限も開始した。ドコモはiモードメールを1日200通に(2003年11月5日の記事参照)、KDDIも同報送信数を5件に制限した(2003年9月11日の記事参照)。ボーダフォンは、各種メールサービスごとに制限を始めており、5月18日に3GのSMSの制限を発表したことで全メールサービスの制限が完了した(5月18日の記事参照)。

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