1.7GHz帯の割り当て獲得を巡る各社のアピールが盛んになってきた。
NTTドコモは6月14日、1.7GHz帯に対応したFOMA基地局とFOMA端末を開発し、評価を開始したと発表した。「1.7GHz帯に手を挙げた以上、速やかにエリアを構築する責任がある。装置を開発するなど準備を進めていることを公表する」(ドコモ)のが目的。
複数の周波数に簡単に対応できる光張出タイプの基地局と現行のFOMA端末を使い1.7GHz帯に対応させた。光張出タイプは、本体装置とアンテナが分離しており、屋外増幅変調装置を1.7GHz帯向けに変更することで基地局が対応できる。端末は将来的に800M/1.7G/2GHzのトライバンド対応を見込む。
1.7GHz帯は新たに携帯電話向けの利用が決まった帯域で、総務省から割り当て方針案が出た段階。新規参入を狙うソフトバンク(5月30日の記事参照)やイー・アクセス(5月19日の記事参照)は実験局免許を取得し、1.7GHz帯の電波を飛ばした実験を行っており、既存キャリアでもボーダフォンが実験局免許を申請済み(4月27日の記事参照)。
周波数割り当てに向けて、各社が準備の進み具合をアピールしている状況だ。
ドコモは現段階では実験局免許などの申請は行っておらず、今後の申請も未定。今回発表した評価試験は、「フィールドで何かを見るのではなく、シミュレータなどで機器自体をテストするもの」(ドコモ)となる。
1.7GHz帯を巡っては、各社が割り当てに名乗りを上げている。2004年末から始まった総務省主催で行われた会合で、各社が主張した1.7GHz帯への要求は下記の通りだ(1月25日の記事参照)。
キャリア | 要求内容 |
---|---|
ドコモ | 東名阪限定バンドで15MHz幅×2(2006年度までに割当希望) |
ボーダフォン | 15MHz幅×2 |
ソフトバンク | 10MHz幅×2 |
イー・アクセス | 「同帯域は、新規事業者2社に割り当てるべき」 |
総務省は6月に入って、1.7GHz帯の割り当て方針案を明かしている。それによると1.7GHz帯を使った全国サービスが提供できる「全国バンド」は新規参入2社に割り当てる方針。また東名阪のみで利用できる「東名阪バンド」は、新規既存を問わず逼迫に応じて割り当てるとしている(6月3日の記事参照)。
ドコモは、合計で3G向けに2006年度までに80MHz幅、2008年度までに100MHz幅を求めている。現在、2GHz帯で20MHz幅×2、800MHz帯で5MHz幅×2を利用しており、80MHz幅から引き算すると、いずれかの帯域で15MHz幅×2を求める形になる。
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