「W32S」に秘められたFeliCaの工夫(2/3 ページ)

» 2005年08月12日 21時46分 公開
[斎藤健二,ITmedia]

“気づき”の要素、FeliCaサイン

 もう1つ、W32Sの特徴がFeliCaサインだ。これはFeliCaのリーダーライターなどに端末をかざし、FeliCaの電波を受信するとアンテナ近くのLEDが光って“FeliCaの圏内”であることを教えてくれるもの。ドコモ端末では「D901iS」にも搭載されている(6月17日の記事参照)

 商品企画を担当した大澤雄人氏は、これを「気づきの要素」だと話す。

 FeliCaはリーダーライターによって電波の強さが違うため、どこまで近づければいいかがシーンによって異なる。例えばam/pmのレジでは“タッチ”させなければいけないが、JR東日本の改札では宙に浮かせても大丈夫だ。この距離感を、光らせることで学習してもらうことができる。

 もう1つ、FeliCaロックをかけているとFeliCaサインは光らない。常時ロックしていることを想定したW32Sだけに、光らなかったら「あ、ロックを解除するのを忘れていた」と気づくわけだ。

メニューをFlash化──ドラマメニュー

 FeliCa対応と共に、メニュー画面もW32Sでは手を入れた。昨今の端末は、メニュー画面をカスタマイズする機能が流行だが、W32SはFlashを活用することでこれを実現している。

 このFlash化の開発の中で生まれてきたのが、メニューのデザインを時刻や季節によって変えていこうという試み──「ドラマメニュー」だ。

メニュー内でドラマが展開する「ドラマメニュー」。連動した待受画面も用意されているので、設定を変えてみるのもいい。隠し情報を1つ。ドラマメニューの待受画面には、あちこちに鳥がいるが、ベンチの上は電池残量を表し、ビルの上はアンテナ感度を示している。充電中はさらに面白いことも起きる

 「実は、ドラマメニューはおまけからスタートした」と話すのは、ドラマメニューを担当した村松成治氏だ。開発初期は、ひたすらソニー独自の「クロスメニュー」をFlash化することに専念していたのだという。

 しかし、この段階でさほど意識していなかったドラマメニューを見た社内の開発陣から、これまでとは違う反応が返ってきた。「これをやらない手はない」(村松氏)ということから、デフォルトのメニュー画面を目指して動き始めた。

 Flashはネイティブソフトウェアに比べると、どうしてもレスポンスの面で遅れが生じやすい。レスポンスに対するコダワリが強いソニー・エリクソンとしては、凝ったドラマメニューに対する反対意見もあったのだという。「こんなものをソニー・エリクソンとして出すわけにはいかんという人も。しかしメニューのインパクトと、操作性のバランスを取って、最終的には魅力で納得してもらった」(村松氏)

 日々、登場人物や風景が変化するドラマメニューには、年に数回登場する隠れキャラも入っているという。「厳密な法則性よりも、長い間、愛用してもらう中での偶発的な出来事を大切にしている。『今日はちょっと得した気分』とか『次はいつ、何かな?』と楽しんでもらえることを目指した」(村松氏)

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