ではまずBluetoothがサポートする機能から比較する。それぞれがサポートするプロファイルを列挙すると以下のようになる。ちなみにGAP(General Access Protocol)やSDAP(Service Discovery Application Profile)のように具体的な機能として見えにくい基本プロファイルは省略している。
プロファイル | 機能 | P902iS | W44T |
---|---|---|---|
HSP(HeadSet Profile) | ヘッドセットなどを接続 | ○ | × |
HFP(HandsFree Profile) | ハンズフリー機器を接続(HSPより多機能) | ○ | ○ |
A2DP(Advanced Audio Distribution Profile) | 高品質なステレオ音楽の再生 | ○ | ○ |
AVRCP(Audio/Visual Remote Control Profile) | AV再生のリモートコントロール | ○ | ○ |
DUN(Dial-Up Networking) | ワイヤレスモデムとして動作 | ○ | ○ |
OPP(Object Push Profile) | 名刺交換機能 | ○ | ○ |
BIP(Basic Imaging Profile) | イメージ送受信 | × | ○ |
このようにサポートするプロファイルはほぼ一緒だ。W44Tで欠けている「HSP」は、事実上「HFP」に包括されている。「HFP」はヘッドセット以外のハンズフリー機器における使い勝手を向上させるため、「HSP」の機能を強化したプロファイルとなる。プロファイル自体に互換性はないが、現在販売されるハンズフリー機器のほとんどは「HSP」と「HFP」の両方をサポートする。一方、P902iSは「BIP(Basic Imaging Profile)」をサポートしない。
ただし実際には、P902iSとW44Tで利用できるBluetooth機能の差は大きい。
W44Tは「BIP」により、JPEG画像(カメラで撮影したデータを含む)をPCなど、ほかのBluetooth機器と送受信でき、かつBluetooth対応プリンタでワイヤレス印刷が行える。
また「OPP」の機能もP902iSでは制限がきつく、アドレス帳の送信のみに限定されているのに対して、W44Tではアドレス帳の送受信に加え、vcalender形式(スケジュール/ToDo)、vmessege形式(テキスト)の送受信も可能となっている。このことから、P902iSのBluetooth機能はハンズフリー機器やワイヤレスオーディオ機能の利用、そしてワイヤレスモデム(DUNを利用)としての利用方法以外にはほとんど機能しないことが分かる。
NTTドコモ「P902iS」 |
KDDI「W44T」 |
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