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» 2006年12月01日 21時04分 公開

「ゲームのドコモ、音楽のドコモ、映像もドコモ」を目指す──ドコモの山口氏mobidec 2006(2/2 ページ)

[房野麻子,ITmedia]
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 2006年のトレンドともいえる音楽系ダウンロードコンテンツの市場規模は、月額で着メロが37億円、着うたが24億円、着うたフルが2億円、合計63億円だという。ドコモは着うたフル対応機のラインアップを強化してから日が浅いため、現状では着うたや着メロに大きく水を空けられている。しかし今後は、903iシリーズなど着うたフル対応機が増えることや、HSDPA端末の導入で大容量iモーションのサービスが可能になることから、「音楽のドコモ」というイメージを強く押し出せるとした。

Photo 着メロは市場規模が縮小傾向にあり、着うたは拡大傾向。着うたフルの割合はまだごくわずかだ
Photo ゲームは簡単なミニゲームとビッグタイトルの二極化傾向にあるが、より細かく見ていくと三極化していると山口氏はいう。その3つとは「パチスロ系アプリ」「ミニゲーム」「ビッグタイトル」。パチスロアプリの伸びは、店頭に新台が導入される時期と連動しているという

 ゲームの市場規模は月額約38億円で、現在も右肩上がりで伸びているという。これは(1)コンシューマーゲーム機に匹敵する90xシリーズの普及台数(2)903iシリーズのメガゲームへの対応(3)ビッグタイトルがそろったこと、(4)端末の基本性能の向上 の4点が功を奏したといい「まだまだ伸びていく市場だと信じている」とした。

 KDDIやソフトバンクが同様のサービスを開始するなど、コンテンツ市場で急成長が見られるデコメールの市場規模は月額5.1億円に達し、送信数は月間1.1億通にのぼる。利用のピークはクリスマスやお正月などのイベント時期となるが、その時期を過ぎても気に入ったユーザーが利用し続ける傾向にあるという。

 ショッピングも伸びているジャンルで、パケット定額制の導入により、有料/無料を問わず利用が増加している。モバイルショッピングが活性化している背景にはパケット定額制の普及に加え、通信速度の高速化や画面の高解像度化などの端末の高機能化があるとし、今後も拡大傾向が続くと予測した。

Photo ショッピングサイトのユーザーは20代の女性が圧倒的に多い。ジャンル別で見ると、ショッピング/チケットは20〜30代、ファッション/コスメは10代の女性が多い

 電子書籍の市場は月間3.6億円。この分野に注力しているとアピールするauやソフトバンクよりも市場規模が大きいことを強調したが、「伸びてはいるけれど、これからの分野」とし、今後はコミックの分野が拡大していくと予想する。

 山口氏は、電子書籍には2つのビジネスモデルがあると話す。1つは書店と同じ書籍を電子書籍化したもので、もう1つは、一般のユーザーが携帯電話で書いた小説を扱うものだ。後者の例として挙げたのはドコモが協力企業の1社に名を連ねる「日本ケータイ小説大賞」(8月3日の記事参照)。読者から作者に、メールでダイレクトに応援メッセージや感想が届くといった携帯電話ならではの世界の一端を紹介した。

 今後の成長が期待される放送と通信の連携については、日本テレビとの業務提携による「D.N.ドリームパートナーズ」の設立や角川グループとの連携といった取り組みを挙げ、「テレビ番組や映画の制作側に入って、携帯連動のコンテンツを出せるようにしたい。音楽、ゲームだけでなく、“映像もドコモ”と言えるように取り組んでいきたい」とし「市場を広げて、携帯で映像を見る文化を作っていきたい」と意気込んだ。

 山口氏は「コンテンツビジネスは、プラットフォームが進化すれば進化するほど、新たな分野が生まれて伸びていく。市場規模が大きくて、面白いことができ、さらにオープンプラットフォームなのはドコモだけ」とアピールし、auやソフトバンクとの違いを強調した。

ドコモもSNSを提供するのか?

 山口氏は同日、記者懇話会の席でもiモードコンテンツの市場規模に関するプレゼンテーションを行った。その内容はmobidecの特別講演と同様だったが、その後、記者からの質問に答える形で、講演では触れなかった話題について、以下のように答えた。

──auとソフトバンクはSNSに力を入れているが、ドコモとしてはどのように考えているのか

山口氏 「SNSについては模索中であり、具体的なことはまだ言えない。ドコモは安心・安全を第一に考えており、青少年保護の面からも慎重にやらなくてはいけない。確かに、他キャリアに比べて遅れているが、裏ではいろいろと動いている」

──2007年以降“原則、搭載が義務化”されるGPS機能。今後のGPSサービスの展望は?

山口氏 「auはナビゲーションサービスをキャリアのサービスとして提供している。ドコモは、あくまでオープンプラットフォームを貫いており、ここがauとの大きな違い。GPSの信号を受信して位置情報を得るためのトラッキングも、ドコモではコンテンツプロバイダに使ってもらえるようにしている。コンテンツプロバイダ同士が競争するなかで、いろいろなアイデアが出てくることを期待している」

──おサイフケータイとiモードコンテンツ市場との関わりはどうなっていくのか。

山口氏 「iDとDCMXは、“ドコモの次の収益を支えるもの”という認識があるが、現時点では、リアルとの連動をメインに考えている。まずは、使って便利なものを充実させたい。バーチャルなものは次の段階の話で、将来的には、DCMXやiDでiモードや一般サイトから買い物などができるように、とは考えている。トルカはリーダー/ライターを誰が設置するか、という問題があり、ニワトリが先か卵が先か、という状況。iDが普及すると同じリーダー/ライターを使えるので、それにも期待している」

──ドコモ主導のコンテンツサービスは行わないのか

山口氏 「ここには力を入れないといけない、という部分に関しては、ドコモが自らではなく、例えば、広告ならD2C、オークションなら楽天というように、パートナーシップを結んでやっている。しかし、基本的にはオープンプラットフォームだ」

──フルブラウザで無料コンテンツを利用できるようになっている状況を、どのように見ているのか。

山口氏 「PCのブラウザは、PCでコンテンツを見やすく表示できるようになっているし、携帯用ブラウザは携帯で見やすいように作られている。結局は、ユーザーは見やすいもので、見やすく作ったものを見るものだ、と考えている。

 フルブラウザの欠点は、Flashや映像ツールのバージョンアップに対応しきれないところ。これをクリアするには、携帯電話をPC化しなくてはならない。個人的には、フルブラウザはもっと使いやすくすべきだと思っているが、だからといって、iモードの市場がすべてなくなるわけではない。iモードの市場はiモードの市場として、これからも伸びていく。ただ、フルブラウザで見たいものもあるだろうし、ニーズは満たしていくべきだと思う」


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