レビュー
» 2007年03月29日 06時13分 公開

圧倒的な“高機能”が心地いい──ハイエンド機「911T」の実力に迫る(後編)東芝「911T」レビュー(2/6 ページ)

[坪山博貴,ITmedia]

 ワイヤレス音声再生は、新たにSBC(Sub Band Codec)もサポートしたことで正式に“A2DP”対応になった(開発者インタビュー参照)。ワイヤレス音声の出力は音楽再生などを行うメディアプレイヤーとワンセグで対応する。

 ただしワンセグ視聴(ワイヤレス音声出力)は、著作権保護機能の1つである“SCMS-T”対応のBluetoothオーディオ機器が必要となる。2007年3月時点で動作が保証されているのは、910Tやauの「W44T」などに標準で付属し、911T向けの純正オプションとして販売される「Reciever 01」のみ。ちなみに、セット販売もされるサングラス型のBluetooth機器「O Rokr」はSCMS-T非対応としている。現時点ではワンセグのワイヤレス音声出力が利用できない点に注意が必要だ。

 Reciever 01は、電源を入れるだけでBGモードで音楽再生が開始され、電源をオフにすると連動して音楽再生も終了するなど標準のオプションだけあって安心して使用できる。再生以外に一時停止や曲間移動、音量調整もワイヤレスで可能。ワイヤレス音楽ケータイとしての使い勝手のよさはやはり910T譲りだ。

 今回はこのReciever 01に加え、さらにSCMS-T対応製品となるドコモの“P”端末用として販売する「ワイヤレスイヤホンセットP01」(以下、P01)、同じくSCMS-T対応のソニー製Bluetooth耳掛け型イヤフォン「DR-BT21G」(関連サイト参照)、SCMS-Tには非対応のモバイルキャスト「MPX3000R(mLink R)」を用意し、音楽再生とワンセグ視聴のワイヤレス出力とハンズフリー通話の使用感を検証した。

photo 今回検証に利用したBluetooth機器。左からソニー「DR-BT21G」、NTTドコモ「P01」、911T純正オプション「Reciever 01」、モバイルキャスト「MPX3000R」
 Reciever 01P01
(ドコモ“P”シリーズ用)
ソニー
「DR-BT21G」
モバイルキャスト
「MPX3000R」
メディアプレイヤー再生
曲間移動
電源ONで再生開始×××
再生ボタンで起動△※1
プレーヤー停止×○※2○※2×
再生中着信通知
再生→ハンズフリー通話
通話→再生
ワンセグ視聴(録画番組再生含む)×
視聴→ハンズフリー通話
通話→視聴
※1.接続直後は不可。一度音声再生(メディアプレイヤー、ワンセグ)を利用後は可能
※2.再生ボタンの長押で可能。次回再生は停止曲の先頭から

 結果は上記表の通り。

 仕様通りに、SCMS-T非対応のMPX3000Rはワンセグ音声出力が行えなかった。そのほか、音楽再生中における音声着信はハンズフリー機能を備える3製品すべてで問題なく利用できた。着信すると再生が一時停止して呼び出し音に切り替わり、機器のオンフック操作で通話を開始。通話を終了すると一時停止位置から音楽再生が再開する。これらはワンセグ視聴中および録画番組の再生中もほぼ同じ動きとなった。

 一方、機器によって異なる挙動を見せたのが“接続を維持したままメディアプレイヤーの「停止」が行えるか否か”と“「再生」ボタンで、本機のメディアプレイヤーを起動できるか”の2点。

プレーヤーの停止は、P01とDR-BT21Gで行えた。物理的な駆動部品のないシリコンオーディオということで、“一時停止”でも“停止”でも、バッテリー消費などに大差はないとも思われるが、心理的には“停止”もサポートしていてくれる方がすっきりする。ちなみにReciever 01はそもそもハンズフリー機能がなく、電源オンと同時に再生できるため、Bluetooth接続を維持したまま音楽再生を停止する意味はあまりない。そのため、これが未サポートなのは理解できる。

 Bluetooth機器側操作でのプレーヤー起動は、P01のみ、やや変わった挙動を見せた。接続直後に「再生」ボタンを押してもプレーヤーが起動せず、メディアプレイヤーあるいはワンセグで一度利用した後でないとだめなようだ。おそらくP01はフック操作と再生操作のボタンを兼ねていることで、接続の開始時点にハンズフリー機能しか接続せず、「再生」の命令信号を送出しないためではないかと思われる(ただしP01は、ドコモのP902i、P902iS、P903i用という位置付けの製品。これらの端末はもともとBluetooth機器側から音楽再生を開始する機能を持たないため、この仕様でもドコモの“P”端末を使ううえで大きく困ることはない)。

 対してDR-BT21GやMPX3000Rは、再生とフックのボタンが別々にある。「再生」ボタンを押した時点でA2DPで接続を開始し、同時に再生の命令も送っているのだろう。

 これらは些細な機能の違いといえるのだが、実利用時の使い勝手に結構影響してくると考える。本体をカバンやポケットに入れたままBluetooth機器操作だけで音楽再生全般を操作できるなど、非常にスマートかつ便利に使える。筆者はSCMS-T&ハンズフリー対応で、「再生」ボタン押下とともにA2DP接続してくれるソニー「DR-BT21G」を愛用している。

photophoto 左がDR-BT21G、右がP01の操作部。DR-BT21Gは「再生」ボタンと「フック」ボタン(側面の細長いボタン)が独立しているが、P01は兼用となっている。これが挙動の違いを生んだと思われる

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