本機のメール機能で特徴的なポイントは、送受信ともに振り分け設定を共用する仕組みだ。たとえば「A」さんからのメールが“受信フォルダのフォルダ1”に振分けられるように設定すれば、Aさんへ送信したメールも“送信フォルダのフォルダ1”に振り分けられる。
また、フォルダごとに送受信メールを混在して一覧化することもできる。フォルダ数は受信フォルダを含めて20個。振り分け条件はメールアドレスのみとなるが、アドレス帳に登録があるか否かなどでも振り分けできるので、迷惑メール対策にも重宝する機能も備える。メール返信時は、“>”マーク付きの引用以外に、画面を上下に2分割して受信メールを参照できるようにもなっている。ワイドディスプレイを採用したことで、同様の機能を備える従来の端末よりも実用性がさらに増している。


メール受信フォルダと送信フォルダは対になっており、フォルダ名や振り分け条件を共有する仕組み。フォルダ一覧では受信/送信フォルダを左右キーで行き来できる。送受信メールを混在して一覧することも可能だ(左、中)。メールの返信時には通常の引用表示だけなく、画面を上下に分割し、返信元メールを参照しながらメール作成が行える(右)そのほか911Tの新機能ではないが、同社の端末ならでは便利機能が「今すぐ読メール」と「ショートカットメニュー」だ。
“今すぐ読メール”は、何かの作業中にメールを受信すると送信元/題名の一部が表示され、その場で読む/後にする/削除するを選択できるポップアップ通知ツールのような機能。急ぎのメールを逃さず、ほかの機能を起動したままメール操作できるのがポイントだ。
“ショートカットメニュー”は、なんらかの機能実行時にほかの機能を実行できる、いわゆるマルチタスクのような機能だ。
例えばメール作成時に、保存する送受信メールや辞書機能の文字列、あるいは電卓で計算した値などをコピーする、Yahoo!ケータイやPCサイトブラウザを、音楽を聴きながら使用するなどの活用方法がある。ショートカットメニューを起動すると“ミニツール”も表示されるので、おそらくPIM的に活用する機会が多いであろうミニツール内の情報の確認もすぐできる。そのほかICカードロックの解除操作などもここから行うと楽。登録内容のカスタマイズも可能で、例えば“Bluetooth設定を素早く呼び出す”などの使い方もできるだろう。911Tをよりスマートに使いこなせるので、大いに活用したい機能だ。

単なる着信通知を一歩進化させ、送信元と題名の一部を表示してその場で行えるアクションを拡大した「今すぐ読メール」機能。その場で削除もできるのはかなり便利だ(左)。ランチャー機能とタスク切り替え機能を統合したイメージの「ショートカットメニュー」。プリセット以外にも呼び出したい機能を追加することも可能(右)911Tは、2007年3月時点で携帯に求められる機能を、“ほぼすべて”搭載した多機能なハイエンド端末だ。3インチのワイドVGAディスプレイ、ワンセグ、音楽再生、AF付き高画素カメラ、HSDPA、PCサイトブラウザ、S!FeliCa、Bluetooth、1Gバイトの内蔵メモリなど、携帯にハイスペックさを望むユーザーにとって、主要機能で大きく欠ける要素がほぼなく、これだけの機能を備えながら、17.9ミリの薄型スライドボディに収めた。そこに2G時代から培われ改良が重ねられたという東芝ならではのUIが融合され、使い勝手を含めてかなり高い次元でバランスが取れた端末に仕上がっている。
もちろん積み残した課題はある。例えば、文字表示などもワイドVGAへの最適化なども望まれるところだろう。ワンセグの録画に関しても予約録画のほか、(このタイミングで発売する端末ならば)端末依存のないSD-VIDEO準拠にしてほしかった気もする。細かい事を言うとキリがないが、それはハイエンド/ハイスペックを望むユーザーとして常というもの。逆に次期モデルでさらにどこまで進化するのかという楽しみを残した、としよう。
もっとも、今購入できるハイスペックモデルを望むソフトバンクモバイルユーザーには非常に魅力的であり、改めてキャリアの垣根を越えてでもこれならほしいと思わせる実力を持つ端末だと思う。
さて、911Tは機能重視のハイスペック/ハイエンド携帯ということで本文中では触れませんでしたが、きちんと、あの「くーまん」もフルスペックで搭載します。

くーまん柄の待受Flash+「待受くーまん」の“くーまん”満載待受にしてみました(左)。星の首飾りが特徴の「くーぱぱ」。くーまんが旅行中の時だけ出現する隠れキャラ。初めてお会いしましたが、ちょっとエラそうでふね(右)
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