韓国では「携帯電話をデザインで選ぶならLG電子」というイメージが強い。端末のカラーバリエーションやディテールが多彩で、高級感も兼ね備えているのが特徴だ。以前は韓国の携帯電話は色のバリエーションがあまりないというイメージが強かったが、LG電子の携帯電話がこの市場に変化をもたらしつつある。
LG電子といえば、昨今話題になった「プラダケータイ」の印象が強い。韓国では小規模な携帯電話ショップの店頭にもプラダケータイが並んでおり、見慣れた印象もあるため特別な感じは薄れてきた。しかし、プラダケータイの話題性が薄れたとしても“デザインのLG電子”という看板は揺るがないだろう。
プラダケータイ以外にも、LG電子とデザイナーとのコラボレーションモデルは多く、最近では「CYON Crystal Edition」が挙げられる。SK Telecom(以下、SKT)ではLG-SV300S、LG Telecom(以下、LGT)ではLG-LV3000Sとなるこの端末は、英国のファッションブランド「Paul Smith」の主席デザイナー、ロバート・ライアン氏による特徴的なツタ模様をあしらい、所々にスワロフスキーのクリスタルが光る。
コラボ端末以外でもデザインの良さが光っていたり、新たな領域に挑戦するような端末がLG電子には多い。デザインに注力しているLG電子は、成果を挙げた社内デザイナーを「スーパーデザイナー」として表彰しているほか(5月28日の記事参照)、2009年に新たにデザインセンターを立ち上げ、2010年までにデザイナーを700人に増やす計画がある。デザインへのこだわりは時を追うごとに強くなっており、同社の携帯電話デザインが変化したのも、こうした方針の成果が現れた結果といえる。
以前の韓国では、SK Teletechの「SKY」がデザイン重視のブランドと受け止められいた。しかし、SK TeletechをPantechが買収した後はそのデザインに若干変化がおき、またSKYほどデザイン面で評価を得ていなかったPantechが買収したことで、そのイメージが変わってしまった。
Pantechは自身の経営危機以降、デザイン面で高評価を得ていたSKYブランドに開発力を集中するようになった(2月6日の記事参照)。「選択と集中」戦略を取ることで、もともとあった自社ブランドを後回しにしてSKYを優先しているのだ。市場がいかにデザイン性やブランド力を重視しているのかを物語っている。
LG電子の携帯電話で印象深いものはいくつかあるが、筆頭として挙げられるのが「Black Label」シリーズの「Shine」だろう。これは名前の通り、キラリと光るステンレススチール素材を採用した本体が特徴。2006年10月に発表されたものだが、その後海外でも販売されるなどして人気を得ており、地上波DMBを見られるタイプやストレート型など、多様なバリエーションが登場した。2007年6月には、韓国での累積販売量が200万台を突破したヒット作だ。
現在でも、Shineのバリエーションや後継機が登場している。最新の機種は8月末に販売された「Shine Signature」(LG-LC3600)だ。ストレート型のShineで、9.9ミリというスリムさが特徴だ。またLGTが8月末に開始したばかりの、高速道路の通行料をワイヤレスで決済できる「PassOn」サービスに対応している。
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