“ブランド化”するLG電子の携帯デザイン韓国携帯事情(2/2 ページ)

» 2007年09月10日 22時45分 公開
[佐々木朋美,ITmedia]
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高いデザイン性をもち、さらに高度な機能を搭載

photo LG-KS20。第4四半期に欧州市場で販売される予定

 最近LG電子は、全体的に底上げされたデザインに、より高度な機能や操作性を向上させるような要素をプラスした端末作りを開始した。

 「全面タッチスクリーンスマートフォン」こと「LG-KS20」は、呼び名の通りすべてを2.8インチのタッチパネルディスプレイで操作する。12.8ミリというスリムデザインにしたのは「シンプルさを強調し高級感を出すため」(LG電子)。OSはWindows Mobile 6.0、HSDPAおよび無線LAN、Bluetooth 2.0に対応し、200万画素カメラ、MP3プレーヤーを搭載するなど多機能で、LG電子は「手の中のPC」と呼ぶ。それだけに持ち歩きやすいデザインとなっている。

 さらにLG電子が高機能化をアピールする製品として発表した「Viewty」こと「LG-KU990」もスタイラスで画面を操作できる。これは独Schneider-Kreuznach製レンズを備えた510万画素カメラを搭載し、オートフォーカス/マニュアルフォーカス両方に対応。手ブレ補正機能、夜間撮影に強いISO800での高感度撮影など、カメラとしてひと通りの機能を備えている。

 撮った写真は、画面上に表示させスタイラスペンで文字や絵を入れたりして編集することも可能だ。またカメラのレンズ部分にあるホイールで、Webブラウザの大きさやボリューム調節、ズームイン/アウトができるようになっている。ボタンで地道に操作していたこれまでの端末に比べ、直感的な操作が行える。

photo Viewtyのカメラでは、最高120fpsの動画撮影も可能。これにより例えば風船が破裂する瞬間などを、スローモーションで撮影することもできる
photo AT&T向けのTrax。下り最大3.6MbpsのHSDPAに対応し、外部メモリとして4GバイトまでのmicroSDを利用できる

 米国市場には、音楽鑑賞に最適化したミュージックケータイ「Trax」(LG-CU575)を投入している。Touch Scrollで、指を軽く触れて動かすだけで曲選択ができるのが特徴で、Bluetootnを利用したボイスコマンドへの対応により、ワイヤレスヘッドセットを利用できるだけでなく、住所録の検索なども簡単に行える。

 8月末、LG電子は欧州におけるデザインセンターを、現在のイタリア・ミラノから、英国・ロンドンに移すと発表した。

 ロンドンにはデザインセンターだけでなく、LG電子の欧州総括本部もオランダから移っている。テレビや携帯電話のデザイントレンドをリードするロンドンで成功できれば、欧州はもちろんのことグローバル市場での成功をつかむことができると判断したのだ。ロンドン発のデザインとマーケティングの強化により、同社は2010年までに120億米ドル(約1兆3650億円)の売り上げ達成を目指す。

 2005年の「チョコレートフォン」以来、デザインやブランドイメージの構築に努力してきたLG電子。市場での評価やイメージをから判断すれば、その狙いはある程度成功したといえる。ただし、メタリック素材を多用し高級指向に偏った端末作りに、若干単調なイメージを持たれ初めているのも事実だ。今後は、築き上げたブランドイメージを守りつつ、飽きさせないような変化を期待したい。

佐々木朋美

 プログラマーを経た後、雑誌、ネットなどでITを中心に執筆するライターに転身。現在、韓国はソウルにて活動中で、韓国に関する記事も多々。IT以外にも経済や女性誌関連記事も執筆するほか翻訳も行っている。


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