各種ネットサービスへの“ドア”となる「Ovi」でモバイル新時代をリード――NokiaのカラスブオCEONokia World 2007

» 2007年12月05日 15時06分 公開
[末岡洋子,ITmedia]

 端末メーカー大手のNokiaは12月4日、オランダ・アムステルダムでパートナー向けイベント「Nokia World 2007」を開催した。初日の基調講演でオリペッカ・カラスブオCEOは、インターネット分野での戦略や環境への取り組みを発表し、インターネットとモビリティが融合した新たな時代をリードすると強調した。

コア事業は端末、今後はサービスに拡大

Photo NokiaのCEO兼社長、オリペッカ・カラスブオ氏

 米Appleや米Googleの進出により激動の時代を迎えているモバイル分野にあって、「Nokiaのコアは端末ポートフォリオ」だと、カラスブオ氏は自信を見せる。Nokiaの端末ラインアップは、マルチメディア重視のNseries、エンタープライズ向けのEseriesをはじめ、発展途上国市場までカバーする包括的なものだ。モバイルフォン事業部上級副社長・ジェネラルマネジャーのカイ・オイスタモ氏は、Nokiaのポートフォリオは継続的に行っているユーザー調査に基づいた結果であり、「あらゆるユーザーセグメントに、さまざまな機能と価格帯で対応する」という。

 成長市場で同社が取り組んでいるのがインターネット分野だ。Nokiaは2010年にインターネット対応デバイスを3億台にすることを目標にしており、ここでは端末だけでなく、サービスやソフトウェアも重要な要素となる。端末ではNseriesに代表される“マルチメディアコンピュータ”と呼ぶカテゴリがこの分野を担う製品となり、サービス面では今年発表した「Ovi」が中核となる。

インターネット戦略の中核、「Ovi」

Photo Nokiaのマルチメディア事業部取締役副社長兼ジェネラルマネージャー、アンシ・ヴァンヨキ氏

 Oviは「モバイルインターネットサービスを新しいレベルにする」(カラスブオ氏)もので、今後のNokiaのサービスの土台となるものだ。Oviの詳細を紹介したマルチメディア事業部の取締役副社長兼ジェネラルマネージャー、アンシ・ヴァンヨキ氏は、Oviを「パーソナルダッシュボード」と表現する。

 携帯電話側のOviは、新端末ではUIが統合されるが、それ以外の場合はWebブラウザ経由でOvi.comにアクセスすることになる。そして、PC側の「Ovi for PC」と併用して、写真や動画、音楽などのマルチメディアコンテンツを管理したり、地図サービス、ゲーム、インターネット、同期を利用するというのがNokiaの構想だ。

 Oviはすでに地図サービスの「Nokia Maps」、音楽配信サービスの「Nokia Music Store」、ゲーム関連サービスの「N-Gage」といった個々のサービスを限定的に提供し始めており、今後、Oviを段階的に成熟させる考え。現在、Ovi.comは社内βテスト中で、2008年にOvi.comをパブリックベータにし、Ovi for PCとともに正式版にする計画だ。最終的には個々のサービスが統合され、コンテキストに応じたコンテンツの発見を実現するという。ヴァンヨキ氏はこれを、「Web NG(Next Generation)」と表現している。

 「現在、毎月500万件のアプリケーションがダウンロードされている」とヴァンヨキ氏は話すが、携帯電話を利用したアプリケーションダウンロードは使い勝手などの面で改善の余地があり、アプリケーションやコンテンツを見つける方法からダウンロードまでのプロセスを簡素化していくという。Oviは、ナビゲーションバーやシングルサインオン、音楽や写真のストリーム表示などでシンプルな使い勝手を実現するものになるようだ。

Universalと提携し、無制限ダウンロードを提供

Photo Universal Music Groupの会長兼CEO、ルシアン・グレンジ氏

 Nokiaは同日、大手レコードレーベルのUniversal Music Groupとの提携を発表した。これによりUniversalの音楽を1年間、無料・無制限ダウンロードして利用できるという野心的なサービス「Nokia Comes With Music」を提供する。このサービスは2008年に開始し、Nokiaの一部端末向けのサービスとなるようだが、詳細はまだ明らかにしていない。

 登壇したUniversalのルシアン・グレンジ会長兼CEOは、携帯電話を利用した音楽ダウンロードが増えているとし、「(Nokia Comes With Musicにより)新しいユーザーにリーチできる」と述べた。Universalは、U2、Mikaなどの人気アーティストを擁するほか、クラッシックもラインアップ。ヴァンヨキ氏によると、Nokiaは他のレーベルとも話を進めているという。

 ほかにも、インターネットラジオの統合も発表し、1000以上のインターネットラジオ局を楽しめるようになる。

環境への取り組み

 Nokiaはまた、環境問題への取り組みも明らかにした。新製品「Nokia 3110 Evolve」は、再利用可能な素材を50%以上用いたバイオカバーを採用したGSM端末。電力消費量を抑えたほか、箱には再生紙を採用し、パッケージを小型化する。Nokiaではすでに一部機種で小型パッケージを利用しており、年内に2500万台を小型パッケージで出荷した。パッケージの小型化で配送にかかるトラックが5000台削減され、二酸化炭素の排出を抑えるとともにコストを1億ユーロ抑えた。

 充電装置も、充電終了後に通知することで無駄に消費される電力を削減する。Nokia端末を所有する全ユーザーが充電後にチャージャーをコンセントから抜くことで、平均的な欧州の世帯10万世帯分の電力を供給できるという。

 「Nokiaは最大手の携帯電話メーカーであり、環境への配慮を呼びかけることができると信じている」(カラスブオ氏)

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