W56TがサポートするBluetoothのプロファイルは、SPP(Serial Port Profile)、HFP(Hands Free Profile)、DUN(Dial-UP Networking Profile)、BIP(Basic Imaging Profile)、OPP(Object Push Profile)、GAVDP(Generic Audio/Video Distribution Profile)、AVRCP(Audio/Video Remote Control Profile)、A2DP(Advanced Audio Distribution Profile)の8種で、「W52T」などのau向け東芝端末と同じだ。これによりワイヤレスでのハンズフリー通話や音楽再生、データや画像の送受信などの機能が使える。
仕様もW52T以降と同様で、OPPではファイルのフォーマットを問わずデータの送受信が可能。例えばテキストファイルを受信するとデータフォルダの「テキスト」に保存できる。
W56Tもこれまでのau向けの東芝端末と同様に、ヘッドセットから聞こえる着信音は固定の電子音のみだ。ヘッドセットでは、端末側で発信元ごとに設定した着信音が反映されない点はやはり不便だ。
Bluetoothレシーバーで聴けるのは、ワンセグ視聴時と録画番組再生時の音声、デジタルラジオ、EZ・FM、LISMO Playerの音声や音楽だ。ただし例外もあり、EZ・FMで録音したFMラジオは、Bluetoothレシーバーでは聴けない。
LISMO Playerの音楽をBluetoothレシーバーで聴くには、Bluetoothメニューの“ワイヤレス機器選択”でペアリング済みの機器を選択する。ワンセグやデジタルラジオ、EZ・FMには、さらに音声出力先の設定が個別に用意される。設定による音声出力先は以下の表にまとめた。
音声出力先設定(プレイヤー個別) | ワイヤレス機器を選択しない | Bluetoothレシーバー接続中 | Bluetoothレシーバー切断中 | |
---|---|---|---|---|
LISMO Player | ― | 自動(スピーカー/有線ヘッドフォン) | Bluetoothレシーバー | 出力なし |
ワンセグ/デジタルラジオ | オート | 自動(スピーカー/有線ヘッドフォン) | Bluetoothレシーバー | 出力なし |
本体スピーカー | 本体スピーカー | 本体スピーカー | 本体スピーカー | |
イヤホン | 有線ヘッドフォン | Bluetoothレシーバー | 出力なし | |
EZ・FM | 本体スピーカー | 本体スピーカー | 本体スピーカー | 本体スピーカー |
イヤホン | 有線ヘッドフォン | Bluetoothレシーバー | 出力なし | |
このように、ワイヤレス機器としてBluetoothレシーバーを選択すると、Bluetoothレシーバーが未接続の状態だと、どこからも音が出ない。この点を理解しておかないと“音がでない”と慌てることになりそうだが、Bluetoothレシーバーの電源を入れ忘れた場合でもスピーカーから音が出ないように配慮したのだろう。
LISMO Playerは、Bluetoothレシーバーの操作で起動でき、再生キーを押すと前回、停止した位置から再生が始まる。また、Bluetoothレシーバーの電源を切るとLISMO Playerが自動的に終了する。
ただし接続するBluetoothレシーバーによって挙動が変化する。W44Tに付属し、単体でも販売された純正オプションの「Reciever01」なら電源を入れるだけで音楽再生が開始する。ソニーのBluetoothレシーバー「DR-BT21」では電源を入れたあとBluetoothレシーバーの再生キーを押す必要があるが、再生中に再生ボタンを長押する事でW56Tに接続したままLISMO Playerを終了できる。
SCMS-T非対応のBluetoothレシーバーもW56Tとペアリングはできるが、音楽再生はできない。もっともBluetoothレシーバーの新製品は、多くがSCMS-Tに対応している。今となっては欠点とまでは言えないだろう。
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