5分で分かる今週のモバイル事情3月29日〜4月4日

» 2008年04月04日 18時35分 公開
[後藤祥子,ITmedia]

ツーカー、15年の歴史に幕

 ツーカーの携帯電話サービスが2008年3月31日に15年の歴史に幕を下ろした。同社は東京、関西、東海の3都市圏を中心に1.5GHz帯のPDC方式でサービスを展開し、ピーク時で404万1800契約を獲得したものの、3Gに移行しない方針としたことや、KDDIがツーカーを子会社化してauにサービスを1本化する方針を打ち出したことから、契約数が減少した。

 停波後にはツーカー端末を使った通信や通話は行えなくなり、契約も自動解除されるが、auへの移行や番号ポータビリティを利用した他キャリアへの移行などの契約変更は4月以降も継続して行える。auへの契約変更や番号ポータビリティを利用した他社への契約変更は2008年6月30日まで、auへの番号・ポイントの移行は9月30日まで受け付ける。

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競争激化のケータイキャリアに新入社員

 4月1日、ケータイキャリア各社が新入社員を迎えた。2008年度の新入社員はNTTドコモが236人、KDDIが222人、ソフトバンクとモバイル、テレコム、BBの通信3社が903人、ウィルコムが31人、イー・アクセスグループが91人となっている。

 移動体通信事業は、新規参入が相次ぎ、ビジネスモデルやインフラが転換期を迎えるなど激動の時期にある。NTTドコモの中村維夫社長は「ユーザーに近い職場での業務を経験する中で何かをつかんでくる”こと」を新入社員に期待するとし、KDDI社長兼会長の小野寺正氏は「KDDIの存在意義は、真にNTTグループの対抗軸となること」だと宣言。ウィルコム社長の喜久川政樹氏は次世代PHSの免許取得後初の新入社員を前に「新しい通信規格の立ち上げに携わることができるのは、10年、20年に1度という非常に貴重な体験です」と話した。

  イー・モバイル会長の千本倖生氏は「長新的なビジネスモデルに則ったベンチャーは必ず成功する」と檄を飛ばし、ソフトバンクモバイル社長の孫正義氏は「ソフトバンクにとって一番大切な事業の目的は、日本と世界の人々の生活をより豊かにすること」と同社のビジョンを説明した。

KDDI、LTE採用を検討か

 2010年にスタートする見込みの次世代携帯電話の通信方式について、KDDIが独自の通信方式からNTTドコモやソフトバンクモバイルが採用する方式に合流する方向で検討を進めているとする報道が流れた。

 KDDIは3Gの通信方式として米QUALCOMMが開発したCDMA2000方式を採用。ドコモ、ソフトバンクモバイル、イー・モバイルはW-CDMA方式を採用しており、KDDIのみが異なる通信方式でサービスを展開している。

 米QUALCOMMは次世代の通信方式として下り最大288Mbps、上り最大75Mbpsのデータ転送速度を実現するUMBを開発しているが、報道によればKDDIはW-CDMAの進化形であるLTEの採用を検討しているという。

ポケットサイズで、PCと同等のインターネット体験――インテルが「Centrino Atom」を発表

 インテルが、モバイルインターネットデバイス(MID)やネット対応低価格デバイス向けの省電力プロセッサ「Atom」(開発コード名:Silverthorne)と、その対応チップセットなどを含む「Centrino Atom」プラットフォームの発表会を開催した。

 Atomはインテルアーキテクチャ(IA)と互換性のある高い処理能力を持ちながら、非常に消費電力が低いのが特徴で、インテル代表取締役共同社長の吉田和正氏は「ポケットに入るサイズで、PCと同等のインターネット体験ができる」とアピールした。

 発表会には、日本市場でMIDを普及させるのに欠かせない通信キャリアがゲストとして登場。NTTドコモ プロダクト&サービス本部 ユビキタスサービス部長の青山幸二氏は、「いつでもどこでも快適にインターネットが楽しめる環境が実現できるすばらしい機会。今までになかったような、新しい活用方法も創出してほしい」と期待を寄せた。

 2.5GHz帯を活用したモバイルWiMAXサービスを展開するUQコミュニケーションズからは、取締役執行役員副社長の片岡浩一氏が出席。「Atomは新たなモバイルデバイスの創出に大きな役割を果たす。MIDの発展に貢献することは間違いない」とAtomを称賛した。

 すでにAtomを搭載したシャープ製デバイスの開発を表明しているウィルコムの代表取締役社長、喜久川政樹氏は、2007年の5月頃にインテルの吉田社長と「世界最速のタイミングでAtom搭載デバイスを発売することで合意した」というエピソードを披露し、対応端末の投入に意欲を見せた。

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