さり気なく自分を輝かせてくれる――SH001が提案する新たな“美”とは開発陣に聞く「SH001」(2/2 ページ)

» 2009年04月13日 23時15分 公開
[田中聡,ITmedia]
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カメラ然としないデザインを採用

photo SH001のカメラ周りのデザイン

 「Cyber-shot」や「EXILIM」といったデジタルカメラのブランドを冠するモデルは、必然的にカメラがデザインの主役になる。しかしSH001の場合、8Mカメラといえども“デザインの一部”とし、ケータイとしての形を優先させた。中でも「背面」「キー面」「裏面」の3点にこだわったという。

 クリアパネルを使った背面には、シャープのau端末では初となる「多層膜蒸着処理」を施し、透明感の中に奥行きが出るよう工夫した。特にクォーツホワイトは「同じ白でも“純白”になるようこだわった」(仁賀氏)という。

photophotophoto 透明パネルの内側から膜を重ねた「多層膜蒸着処理」
photo ホタルの光のように点灯するツインランプ。ランプは7色から選べる

 この背面には円形のランプが2つ点灯する「ツインランプ」を採用。これは「ホタルの光をイメージした」(仁賀氏)という。ちなみに、auの2009年春モデルから「WIN」のロゴはなくなった。auのシャープ製端末は、WINのロゴが光る機種が多かったが、今後はほかの部分が着信ランプとなる。

 ケータイでは珍しいマット調に仕上げたキー面にも注目したい。「内側(キー面)と外側(背面)で質感が異なるよう分けました。マット調なので滑りにくくて押しやすく、指紋が付きにくいというメリットがあります。キーに凹凸を付けたわけではありませんが、今までにない質感になりました」(仁賀氏)

 裏面はカメラ部分がやや厚くなっているが、カメラからバッテリーカバーにかけて緩やかなアールを付けることで、段差が目立たなくした。さらに、カメラの周りには円形のラインを入れた。「このラインがないとカメラが浮いてしまうので、ラインを入れることでカメラがデザインとしてなじむよう工夫しました」と仁賀氏はその意図を説明する。

photophoto 3色とも同様に仕上げたマット調のキー面(写真=左)。W62SH(左)はカメラ付近の段差が目立つが、ゆるやかなラインを付けたSH001(右)は段差が目立たない(写真=右)

 サブディスプレイは、サイズとデザインを考慮して採用を見送った。「背面のプレーンなデザインと多層膜蒸着の素材感を全面的に表現したかったので、今回は見送りました」(仁賀氏)

 サイズについては女性の持ちやすさを考慮し、幅は48ミリとした。「このサイズは絶対に死守しようと頑張りました」(仁賀氏)というほど重視している。この48ミリという横幅は、Xminiを除くau春モデルのKCP+端末の中では最も細い。

photophoto SH001は、W62SHの50ミリよりも2ミリ細い幅48ミリを実現

メールや通話機能も改善

 カメラ以外にもさまざまな部分を改善した。その主な内容は以下のとおり。

  • Cメール→Eメールの自動変換が可能に
  • 文字入力時の「自動カーソル移動」が可能に
  • メールの引用符の色分け表示が可能に
  • 「省エネモード」を搭載
  • 通話相手の周囲の騒音を軽減する「ノイズキャンセラー」を搭載
  • 通話相手の音声をゆっくり聞きやすくする「スロートーク」を搭載
  • 通話相手の声の高音域を強調する「ボイスクリア機能」を搭載
  • フェイク着信を搭載
  • 「新ベールビュー」のブロック画像のダウンロード追加が可能に

 Eメールの自動変換は、Cメール作成時に(Cメールの最大文字数の)50文字を超えたら、Eメールに自動で変換する機能。「これまではCメールで50文字を超えた場合、いったん本文をコピーしてEメールを作成する必要があり不便だったので、シャープの独自機能として採用しました。Eメールの変換はサブメニューからもできます」(仁賀氏)

 日本語入力システムは「ケータイShoin7」をW64SHから継承したほか、新たに入力時の自動カーソル移動が可能になった。引用符の色分け表示は、返信するごとに文字色が変わり、相手の端末にも反映される。

 通話時の3つの新機能は、ドコモの「SH706ie」などで搭載された「トリプルくっきりトーク」が連想されるが、この機能とは異なる。ノイズキャンセラーとスロートークは、ソフトバンクの「AQUOSケータイ 932SH」と同じものを搭載した。ただし、923SHのスロートークは1段階しかスピードを選べないが、SH001は3段階から選べる。「スロートークは、ちょっとした遊びや、相手の連絡先をメモするときなどに便利です」(仁賀氏)

 ボイスクリア機能は、「年齢を重ねると、高音域が聞き取りにくくなるというデータがある」(仁賀氏)ことから、高齢者に配慮して搭載した。

 キー照明をオフ、ディスプレイの点灯時間を5秒にするなど、まとめて消費電力を抑える設定ができる省エネモードも搭載。「省エネモードにすることで、約10%の電力を節約できます。旅先などでバッテリーが尽きてしまい、カメラが使えないといったことを防ぐために搭載しました。また、初期設定ではショートカットの[8]キーに省エネモードを割り当てているので、待受時に[8]キーを長押しすれば簡単に設定できます」(仁賀氏)

 新ベールビューのブロック画像は、メーカーサイト「SH@ez」でも配信し、初期コンテンツとして17種類を用意する。

photophotophotophoto ディスプレイや照明の設定をまとめて省電力化できる「省エネモード」(写真=左端)。「ボイスクリア機能」は3段階から設定できる(写真=左中)。auのシャープ端末ではおなじみの「えすちえい村」も継承。今回は春をモチーフにした動物が登場する。背景は時間帯によって変わる(写真=右中、右端)

タッチパネルやモーションセンサーの搭載にも期待

 SH001のほかに、回転2軸ボディに8Mカメラを搭載したモデルとして、ドコモからSH-03Aが発売されている。SH-03Aはさらにタッチパネルも搭載するが、au向けにも8Mカメラ+タッチパネル搭載機は登場するのだろうか。

 「タッチパネルの検討はしています。ただし画面に触れることでディスプレイが汚れるなど、タッチパネルにもデメリットがあります。8Mカメラを搭載したauの第1弾モデルとして、SH001では通常の操作を採用しました」(仁賀氏)

 また、SH001はW64SHで搭載したモーションセンサーも「小型化を優先させたため」(仁賀氏)見送られ、端末の向きに応じて撮影画面や画像を縦と横表示に切り替えることはできない。今後はタッチパネルやモーションセンサーといった、カメラをより快適に使いこなせるデバイスの搭載にも期待したい。

 ともあれ、SH001の魅力は「8Mカメラを手軽に使いこなせること」にある。SH001は“高性能なカメラケータイ”の新たな価値を示すモデルといえるだろう。

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