ウィジェットは利用者の行動を変える力を秘めている――開発陣に聞くモバイルウィジェット戦略ケータイならではのウィジェットも登場(2/2 ページ)

» 2009年04月28日 13時55分 公開
[後藤祥子,ITmedia]
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“モバイルウィジェットならでは”の特徴は

ITmedia ウィルコムのウィルコム ガジェットは、モバイルウィジェットと同じACCESSのNetFront Browser Widgets、auはOperaのウィジェットプラットフォームを採用しています。どちらのプラットフォームもWeb標準の技術で開発できるとのことですが、モバイルウィジェットならではの優位性はどういった点にあるのでしょうか。

柴田 両プラットフォームとも基本となる技術は同じなので、コンテンツのポータビリティ性は高いといえます。モバイルウィジェットならではの部分は、携帯電話用のAPIを簡単に使えるようにしている点と、オープンなプラットフォームを用意した点です。

 モバイルウィジェットは、位置情報の取得や連携、端末内部の設定変更などに対応しており、開発者が機能を実装しやすいようにAPIの作りをシンプルにしています。

難波 オープンな開発環境を用意すれば、コンテンツもたくさん出てくると思ったので、それをいかにシチュエーションに応じて使いやすくするかにも配慮しました。モバイルウィジェットは、4枚の仮想画面が用意され、それぞれのシートの上に最大3つのウィジェットを貼り付けられます。

今後は“ウィジェット初心者の視点で見た”使いやすさが重要に

ITmedia 今後のさらなる普及、拡大に向けて、どのような課題がありますか。

難波 対応端末が増えると、ウィジェットを利用するユーザー層も変わってきます。例えば、最初の対応モデルとして登場したAQUOSケータイ FULLTOUCH 931SHを使う人と、831SHを使う人とでは、利用するコンテンツや機能の傾向も異なるでしょうし、片やタッチ操作端末、片やダイヤルキー操作の端末といったように、操作方法も異なります。

 端末やユーザー層が多様化する中、ウィジェット初心者の視点で見た使いやすさに配慮する必要が出てくるでしょう。

柴田氏 当初からキー操作も想定した作りになっていますが、キーで操作する場合の使いやすさはさらに追求する必要があります。また、プリセットするウィジェットも、端末のターゲットに合ったものを選ぶなどの工夫が必要になるでしょう。

難波氏 ウィジェットストアも拡張の余地があります。例えば、現状ではコンテンツに課金できるのは公式コンテンツプロバイダのみで、一般開発者のウィジェットは課金できない。どこかのタイミングで対応しなければならないと思っています。

 対応端末が増えると、“どの端末で検証した、どの端末向けのウィジェットなのか”も重要になるので、春モデルの発売以降は、開発者がウィジェットを投稿する際にそれを聞くようにしています。ほかにも、もっと検索の利便性を高めるなど、課題はいろいろあります。

ウィジェットは利用者の行動を変える力を秘めている

ITmedia コンテストの締め切りが近づいていますが、ウィジェットの開発にはどれくらいの時間がかかりますか。

柴田氏 使っているのは、XHTMLやJavaScriptといったWeb標準の技術なので、Webページを作ったことがある人なら簡単なウィジェットはすぐ作れるでしょう。メインのスクリプトとしてJavaScriptを使っていますが、簡単な機能のライブラリをオープンに提供しているサイトも多く、こうしたソースを持ってきて開発できるのも、ウィジェットの強みだと思っています。

 ほかのプラットフォーム向けにウィジェットを開発している人も、場合によってはサイズの変更だけで済む可能性があるので、試してみてほしいですね。

 これまで使ったことがない機能でも、待受画面に張られていたら使う可能性があるなど、ウィジェットは利用者の行動を変える力を秘めていると思います。そこを“便利”だと感じさせるようなウィジェットの登場に期待しています。

難波氏 例えば歩数計機能でも、歩数を表示するだけでなく、歩いた距離をタクシー料金に換算するなどの機能を盛り込むことで、もっと面白くなる。ウィジェットは“表示の先”に踏み込んだ、こうしたアプローチができるのも大きな特徴です。

 個人でも賞を獲得できる可能性は大いにあるので、アイデア勝負のユニークなウィジェットをどんどん投稿してほしいですね。

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