CEATEC JAPAN 2010でKDDIは、テレビ画面にケータイカメラをかざすことで商品の詳細などが表示されるサービス「“smARt”テレビ視聴」を参考出展している。画像認識技術でテレビ画面の特徴的要素を検知し、番組に関連した情報や商品サイトを表示するというものだ。
デモンストレーションでは、音楽番組やバラエティー番組でテロップとともに現れる画像をきっかけに、情報が表示されるようになっていた。例えば、音楽番組の放送中に端末をかざすと、端末カメラのライブビューに「○○を試聴してみる!」という吹き出しが浮かび上がる。吹き出しをタップするとLISMOに遷移し、アーティストの楽曲が試聴でき、そのまま購入もできるようになっていた。番組の画面とARコンテンツをあらかじめひも付ける必要があるため、実際にこうしたサービスを行う際には、放送局と事前に協力する必要があるという。
ユーザーのプロファイルに応じて、表示するコンテンツを出し分けることも想定している。例えば食べ物に関するシーンで、ある人にはグルメ情報を提供し、ある人には食べ物の成分に関する情報を提供したりといった具合に、ひとりひとりの趣向に合ったコンテンツをレコメンドしたいという。ユーザープロファイルの構築に関しては、事前にユーザーに登録してもらったり、Webやアプリの利用履歴から推測したりと、「さまざまなやりかたが考えられる」(説明員)という。
画像認識には、マーカー型ARのソフトウェアライブラリであるARToolKitをカスタマイズした技術を利用しているという。デモンストレーションでは、画像を認識するために端末をテレビにある程度近づける必要があったが、離れた場所から画像を認識することも将来的には可能だという。
商用サービス案としては、テレビ番組からECサイトへと誘導するようなものや、番組を通じたクーポンの提供などを想定している。また、番組に対する視聴者のコメントなどを表示するようなCGMサービスも考え得るという。
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