これぞ電脳メガネ――ドコモが市販メガネに装着できるHMD「AR Walker」を披露CEATEC JAPAN 2010

» 2010年10月05日 21時56分 公開
[山田祐介,ITmedia]
photo 「AR Walker」

 10月5日に開幕したCEATEC JAPAN 2010でNTTドコモは、“メガネ型AR(拡張現実)”を実現するシースルー型の小型HMD(ヘッドマウントディスプレイ)を参考出展した。名前は「AR Walker」。HMDの開発はオリンパスが手掛けており、ドコモのスマートフォンと連携してコンテンツを表示する。市販のメガネに装着できるほか、視界をさえぎらない構造を採用し、シースルー(半透明)の映像投影を実現。将来的には行動支援型のARサービスに役立てたいという。

 現実空間に電子情報を重ねて表示するAR技術は、モバイルサービスの世界で近年注目が高まっており、「セカイカメラ」などさまざまなアプリが登場している。こうしたモバイルARの多くは、モバイル端末のカメラ映像にARコンテンツを重ね合わせ、それを端末のディスプレイに表示する。一方AR Walkerは、HMDを使って視界の一角にARコンテンツを直接滑り込ませる。


photophoto 市販のメガネのつるに装着できる。小型軽量でメガネをかけても重さはそれほど感じない。HMDはスマートフォンとケーブルでつながっている。Bluetoothなど無線通信を採用することも可能だったが、有線にすることでボディの小型化と軽量化を図った

 情報を視界に常時表示できるAR Walkerを使って、ナビゲーションやプッシュ型の情報提供を行うのがドコモが描くサービス像だ。「プッシュ情報をタイムリーに提供できるディスプレイを考え、こうしたデバイスを企画した」(説明員)。ブースの紹介コーナーでは、HMDが映し出すキャラクターの後ろに付いていくことで目的地に到着するナビゲーションサービスや、街中の飲食店の情報がARコンテンツとしてプッシュ通知されるサービスの模擬体験ができた。

photophoto 視界の一部に、映像が投影される(写真=左)。映像はスマートフォン側にも表示される。この端末は、HT-01Aをベースにバッテリー等を強化したデモ用のもの(写真=右)

 HMDはスマートフォンとコードで接続されており、映像データや電力はスマートフォンから有線で提供される。一方、HMDは6軸センサーを内蔵し、利用者の“見ている方向”をスマートフォンに伝えることができる。この6軸センサーの情報とスマートフォンのGPS機能などを組み合わせることで、位置情報を持ったコンテンツを現実空間に配置できるという。

 HMDのサイズは人差し指程度で、重さも10グラムと小型軽量。市販のメガネのつるに装着して利用できる。装置先端の光学バーから映像を目に投射し、視界の一角にQVGA(320×240ピクセル)のシースルー映像を届ける。「瞳分割方式シースルー光学系」という技術を使うことで、利用者の視界を確保しながら、明るく見やすいシースルー映像を小型の装置で可能にした。この技術はオリンパスが以前から研究していたもので、同社では過去にも瞳分割方式シースルー光学系を使ったHMDを開発している

 デモンストレーションを実際に体験してみると、思いのほか鮮やかな映像が視界に飛び込んできた。光学バーの位置は利用者の目の位置に合わせて調節が可能で、セッティングさえ合えば明瞭な映像が浮かび上がる。

 視界の一角にテレビ画面があるような感覚で、アニメ「電脳コイル」に登場する電脳メガネのように、視界全体に電子情報が広がるわけではない。それでも、空を見上げれば天気予報が見られたり、交差点の近くで進行方向を知らせてくれたり、街中にある飲食店を教えてくれたりと、普通に歩行しているだけで情報が表示されるのは便利と感じた。

photophotophoto モックアップのコンセプトモデルも展示されていた

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月30日 更新
  1. スマホの「SIM組み合わせ」を3カ月で3回も変えた話 楽天モバイル→日本通信→Y!mobileからの移行先を思案中 (2026年06月29日)
  2. 松屋の券売機が「思いのほか使いやすかった」 それでもネットで不評なのはなぜ? (2026年06月29日)
  3. ティム・クックCEOが「もはや限界」と値上げに言及――すでにAndroidでは値上げラッシュが始まる (2026年06月28日)
  4. 「モラルが欠如している」──LINE安否確認で“悪ふざけ”、SNSで批判の的に (2026年06月26日)
  5. ダイソーで770円の「備えラジオ」は“備える”以上に”ノスタルジック”だった件 目的に徹したシンプルさが懐かしさを呼ぶ (2026年06月27日)
  6. ソニー「aiboはやめません」──“次の開発”も明かす オーナーに「安心してください」と呼びかけ (2026年06月27日)
  7. ソフトバンクの5G通信が速くなる「Fast Access」を試す 非対応回線と有意な差も、見えてきた“次の課題” (2026年06月27日)
  8. NHKはなぜ「スクランブル化」しないのか? 「公共放送」という位置付けが足かせ? (2026年06月27日)
  9. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  10. 「EV=長距離は不安」は本当か テスラ・モデルYで東京〜大阪を走破して分かったリアル (2026年06月29日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー