ARとバーチャル世界の合わせ技――ドコモの「Mobile AR技術 Ver.2」を見たCEATEC JAPAN 2010

» 2010年10月06日 14時10分 公開
[山田祐介,ITmedia]

 CEATEC JAPAN 2010のドコモブースでは、小型HMDを使ったメガネ型ARの展示に続き、携帯電話をかざして楽しめるAR(拡張現実)技術の参考出展「Mobile AR技術 Ver.2」も注目を集めていた。紹介されているのは、Second Lifeのような仮想空間とAR空間を同期させたサービス像と、マーカー型ARを利用してインテリアのシミュレーションを行うサービス像だ。

photophoto ドコモブースを再現したバーチャル空間に映し出された女の子のキャラクター(写真=左)。現実の世界で同じ場所にケータイカメラをかざすと、女の子のキャラクターが浮かび上がった(写真=右)

PCの中で起きた変化が、現実空間にも反映される未来

 ARは、現実世界にITを駆使して情報を重ね合わせる技術のこと。携帯電話のカメラをかざすと、街中にバーチャルなキャラクターが浮かび上がったり、駅や店のある場所にバーチャル看板が重ね合わされる――モバイルの世界ではそんなARサービスが近年登場している。ドコモもこうしたARサービスに注目し、スマートフォン向けARサービス「直感検索・ナビ」や、ケータイ向けARサービスを研究している。

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 一方、ARの引き合いに出される技術にVR(バーチャルリアリティー:仮想現実)がある。今回ドコモが提案するのは、コンピューターグラフィックスで作り出した現実そっくりのVR空間と、現実空間に重ね合わせるAR空間のコンテンツを同期させるというものだ。

 体験コーナーにあるPCには、CEATECのドコモブースを精巧に模したVR空間が映し出されており、ところどころにキャラクターや宝箱が配置されている。そして、こうしたオブジェクトが配置されている現実の場所に対してケータイカメラをかざすと、VR空間に表示されていたキャラクターや宝箱がARコンテンツとして浮かび上がる。

 オブジェクトはVR空間上で移動させることが可能で、位置を変えた後に情報を更新すれば、AR空間のオブジェクトも同様に位置が変わる。こうした機能をどのようなサービスに生かすかはまだ検討中だが、例えば宝探しゲームを現実空間とPCの両方で楽しむといったことに利用できるという。


photophoto VR空間で宝箱の位置を変えると、AR空間にもそれが反映される

 デモンストレーションではAR表現にGPSなどの位置情報を利用せず、端末の方位や傾きにコンテンツが連動する仕組みとしたが、「例えば渋谷などの街を精巧に模した仮想空間を作り、位置情報型のARと連動させるといったことも可能」(説明員)だという。

 PC上と現実空間の双方から同じゲームに参加できるという発想は興味深い。GPSを利用してユーザーの現在位置が把握できるのならば、現実の居場所に応じてVR空間にアバターを表示することも可能なはず。PC上から参加するユーザーと現実空間を歩き回るユーザーが、お互いの居場所を把握しながらゲームを楽しむといったこともできるかもしれない。


photo ARマーカーが置かれたテレビ台にケータイカメラをかざすと、テレビが現れた

 同社が展示したもうひとつのARサービス像が、マーカー型ARを使ったインテリアのシミュレーションサービスだ。マーカー型ARとは、2次元マーカー上にARコンテンツを表示する技術のこと。ARToolKitと呼ばれるソフトウェアライブラリを利用したものが有名だが、説明員によれば今回参考出展したマーカー型ARは富士通がソフトウェア開発を担当したという。


photophoto ECサイトでインテリアの種類や色を決定すると、それがARマーカー上に反映される

 体験コーナーにはARマーカーが配置された部屋のミニチュアが用意されており、ケータイカメラをARマーカーにかざすと、ソファやテレビがARコンテンツとして浮かび上がった。ECサイトなどで気に入ったインテリアを、ARで自分の部屋に重ね合わせ、商品のサイズ感や部屋の印象がどう変わるかなどをシミュレートするといった使い方を想定している。

今回のマーカー型ARを実際に試してみると、動作が少しカクカクとしているのが気になった。家具のシミュレートという目的を達成するには、動きの滑らかさやリアルさといった点でさらなる進化が必要だろう。

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