3G、タブレット、Ultrabook、さらに大学や地下鉄とも──2012年度のWiMAX「Fusion」計画TF101のWiMAX内蔵モデルも登場へ(2/2 ページ)

» 2012年01月30日 22時00分 公開
[岩城俊介,ITmedia]
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KDDIのMVNOとして、WiMAX+au網のハイブリッドルータを投入

photo Wi-Fi WALKER DATA08W

 au製ルータとして販売する「Wi-Fi WALKER DATA08W」を、UQおよびMVNOも販売する。

 DATA08Wは、auの3G網(CDMA 1X WIN)とWiMAX網、両方ネットワークで利用できるハイブリッド型のポータブルルータ。KDDI版が利用エリアにより高速なWiMAXも利用できる「+WiMAX」(UQのMVNO)として展開するのに対し、UQ版は広エリアのau 3G網“も”利用できる「+au」(KDDIのMVNO)として訴求する。ともあれユーザー視点では、機能や利用可能なサービスエリア、料金はKDDI版と基本的に同じである。

 料金プランにUQ版DATA08W用の「UQ Flatプラス」を新設し、WiMAXと3Gデータ通信込みで4410円+ISP料金/月より利用できる(UQ Flatプラスおトク割キャンペーン料金適用時。キャンペーンは当面実施予定)。

 ただ本機は個別の専用料金プランになるため、WiMAXサービスならではのオプションはほぼ利用できない。例えば、1つの契約で複数の他WiMAXルータや内蔵PCを使い分ける「WiMAX機器追加オプション」(1台追加あたり200円/月)の利用、および「WiMAXファミ得パック」を併用した契約は残念ながら行えない。

photophotophoto WiMAXとauエリアの両方で利用できる「Wi-Fi WALKER DATA08W」。機能や料金プランはau版と同じ。このほか、公衆無線LANサービスのシームレス切り替えに対応する新機種「AtermWM3600R」もWiMAXルータ“WiMAX Speed Wi-Fi”の注目モデルだ

WiMAX内蔵PC、MSと共同キャンペーン

 春商戦に向け、WiMAX+Windows 7搭載PCの販売推進キャンペーン「新生活応援 今なら最大2カ月ネット無料使い放題」も日本マイクロソフトと共同で展開する。

 WiMAX内蔵PCの購入で、2カ月使用料無料+登録料無料+1万円値引き(あるいは同ポイント進呈)とする特典を用意するというものだ。開けば(スリープから復帰すれば)すぐインターネットに接続され、高速な通信環境で利用可能。特に学生層やビジネス層に対して高い利便性があるWiMAX通信機能を内蔵するPCを「すぐネットPC」と呼称し、ノートPCを買うならWiMAX内蔵型を──と訴求する。

photophoto 春商戦のPC販促促進キャンペーンを日本マイクロソフトと共同で展開。2012年4月30日まで、WiMAX内蔵PCを購入すると最大2カ月通信料無料+量販店表示価格から1万円分値引き/あるいは1万ポイント分進呈とする購入時特典を用意する

 「Windows 7搭載PCならではの価値として、昨今のPC新規購入/買い換え、およびネットサービスを積極的に活用したいと考える層に対して何をどう提案するか。マイクロソフトはこの答えの1つに、“開けばつながっている”通信機能内蔵化を据えた。WiMAX内蔵PCは、2012年度80万台出荷まで増えると予測する」(日本マイクロソフト執行役常務 コンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明氏)

 キャンペーン実施(申し込み受付)期間は2012年2月1日から同年4月30日。対象はUQサービスの「UQ Flat年間パスポート」「UQ Flat」「UQ Step」に新規加入するWiMAX内蔵PC利用者。過去に1度もWiMAXでのネット接続をしていなければ、キャンペーン期間前購入のWiMAX内蔵PCユーザーも対象になる。

photophoto WiMAX内蔵化はモバイルノートPCで特に利便性の向上が期待できる。パナソニック「Let'snote SX1(CF-SX1GETDR)」や東芝のUltrabook「dynabook R631」など、2012年春モデルにもWiMAX内蔵モデルが多く存在する

10.1型タブのWiMAX内蔵モデルも投入へ

photo WiMAX内蔵版の「Eee Pad Transformer TF101」も近日登場予定という

 “内蔵化”は、タブレットにも広がる。WiMAX内蔵タブレットの第1弾「GALAPAGOS(EB-A71GJ)」(2011年12月発売)に加え、ASUSの10.1型タブレット「Eee Pad Transformer TF101」の“WiMAX内蔵モデル”も登場予定であることを明らかにした。

 TF101のWiMAXモデルは、10.1型ワイドのタッチパネル液晶を備えるAndroid 3.x搭載ピュアタブレット+Tegra 2プラットフォーム+専用キーボードドックでノートPCスタイルに“変身”できる特徴・仕様はそのままに、WiMAX+無線LAN通信モジュールを内蔵する。

 ASUSからの正式発表、詳細仕様の公開はまだだが、WiMAXモジュールはGALAPAGOS(EB-A71GJ)と同じ住友電工ネットワークス製とのこと。WiMAX通信を無線LANで共有するテザリング機能を(あたり前だが)サポートし、USBホスト機能を活用したUSBモデム機能も利用できるという。

photophotophoto ボディサイズや通信モジュール以外の基本スペックはWiFiモデルと共通、WiMAX通信機能を新設した“TF101のWiMAX版”。WiMAX回線を共有するテザリング機能をサポートする。Tegra 3搭載最新モデル「Eee Pad TF201」のWiMAX内蔵モデル登場も望ましいところ


 通信サービスとIT機器・カテゴリとの連携は今に始まったことではないが、PCやスマートフォン・タブレット、携帯ゲーム機以外に、今後はAV機器や白物家電、自動車、ヘルスケア機器、住宅・電力といった分野までネットワーク対応が進むと言われている。

 “Fusion”しても30分で解除されてはいけないし、逆に弱くなっても仕方ない。こうなればいいのにというユーザーのニーズに対し、分かりやすく対策に取り組む同社の姿勢は、これまでのITリテラシーが高めの層はもちろん、一般の“初”新世代通信サービス加入・検討者にもしっかり届けたいという気持ちの表れだという。

 「(以前の新製品・新サービス発表において)携帯3社のような派手さはないが、手作り感があってアットホームだという声があった。UQは今後もそういうノリでやっていきたい」(野坂社長)



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