またQWERTYキーボード画面では英語入力と日本語入力が利用できるのだが、このモードの違いが非常に分かりづらい。テンキー画面で日本語入力を選んだ状態からQWERTYキーボード画面に遷移すると日本語入力に、テンキー画面で英語入力を選んだ状態からQWERTYキーボード画面に遷移すると英語入力になるのだが、これが非常にわずらわしく誤入力の元となることが多かった。iPhoneなども併用している筆者個人としては、QWERTYキーボード画面による日本語入力は必要ないようにも感じた。QWERTYキーボード画面で、直接英語入力と日本語入力を切り替えられたなら、もっと使い勝手は良かったのではないかと思われる。
それ以外では目立った使い勝手の悪さはなく、文字入力の反応速度や予測変換の精度も非常に高速かつ的確でストレスがない。このあたりのチューニングは十分に実用範囲にあると感じた。粗探しをするなら、テンキーのサイズが若干縦に潰れているため指の大きい人にはフリック入力が若干難しいことくらいだろうか。
DIGNO DUALの本体に搭載されているRAMの容量は1Gバイト、ROM容量は2Gバイト。ただし購入時点でのROMの空き容量は300Mバイト程度となっており、メイン端末として使い倒すには若干心許ない。アプリを大量に入れて持ち運びたい人は、外部ストレージを使えるアプリは極力外部ストレージへインストールするなどの工夫が必要かもしれない。
外部ストレージにはmicroSD(microSDHC)カードが利用でき、最大で32Gバイトまで対応している。本体購入時にも2GのmicroSDカードが同梱されているため、ライトユーザーならば別途メモリーカードを購入する必要はないだろう。
本体性能の計測には、ベンチマークアプリである「Quadrant Standard Edition」と「AnTuTu 安兎兎ベンチマーク」を使用した。Androidタブレット端末などの結果は当然比較対象外だが、他社製のスマートフォンと比較してもDIGNO DUAL WX04Kは性能が高いとは言えない。特に厳しいのはCPUスコアとI/O関連で、最新のハイエンドスマートフォンなどと比較すると2倍〜3倍近い差があることが分かる。
しかし、実際に利用していてその性能の低さを感じることはあまりない。むしろホーム画面や文字入力画面などのUIのスムーズさや反応速度の高さは性能以上の快適さを感じる。このあたりのチューニングは非常に上手いと言える。デュアルコアCPUを上手に使っている証拠だろう。
またベンチマーク結果以上に動作が軽快な理由として、画面領域のサイズも挙げられる。DIGNO DUALの画面領域は800×480ピクセルで、昨今のHDサイズ(1280×720ピクセル)などの非常に広く高精細な画面領域を持つ機種と比べると若干狭さを感じる。しかしこの控えめの画面領域のおかげで画面描画に掛かる負荷が軽減され、軽快な動作を手に入れているとも考えられるため、DIGNO DUALはコストと利便性の両立の非常に上手い機種であるとも言える。
本機で最新の3Dゲームなどを遊ぶのは少々酷かもしれないが、ネット閲覧や2Dのゲームアプリを遊ぶ分には何ら支障はない。むしろデュアルコアCPUであるメリットが十分に発揮され、実に軽快に動作している。また必要十分な性能に抑えることで、スマートフォンでは何かと問題視されるバッテリー消費を最小限に抑えているという一面もあり、ベンチマークスコアには現れない快適さや使い勝手の良さがあるということをDIGNO DUALは教えてくれる。
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