さて、「NEX-5R」試用リポート第2回である。前回はスマホやタブレットへ画像を送る“発射台”としての側面を紹介したので、今回はその受け手側、スマホ/タブレットアプリ「PlayMemories Mobile」の話から。
NEX-5Rと組み合わせるスマホ/タブレットアプリとして用意されているのは「PlayMemories Mobile」で、AppStoreもしくはGoogle Playからダウンロードできる。このアプリからは、カメラ内画像のスマホ/タブレット転送と、カメラのリモート操作が行える。
画像転送はソフトキーBの「スマートフォン転送」から、カメラのリモート操作はカメラアプリの起動からと、同じスマホ連携であっても各機能へのアクセス方法が整理されていないことは前回にも言及したが、まずはカメラ内画像をスマホ/タブレットへ転送する手順を紹介しよう。
NEX-5RのソフトキーBから「スマートフォン転送」を起動すると、5RがWi-Fiのアクセスポイントとなり、スマホ/タブレットからの接続を受け入れる状態になる。次にスマホ/タブレットを5RにWi-Fi接続し、アプリ「PlayMemories Mobile」を起動すると、カメラで指定した画像が表示される。
カメラ側での画像指定は「この画像」(撮影状態に入る前に表示していた画像)、「この日の画像全て」「カメラ内の画像全て」の3パターンで、指定をやり直すには一度、Wi-Fi接続画面から抜ける必要がある。また、スマホ/タブレットアプリの操作で、カメラ側へアクセスして画像一覧を取得するといった使い方はできないので、スマホ側で転送する/しないのチェックボックスをON/OFFできるので(メモリカードに記録されている画像の枚数次第だが)、とりあえずは「この日の画像」あるいは「カメラ内の画像」としておくのが良さそうである。
ちなみのこの「PlayMemories Mobile」アプリ、iOS版とAndroid版のどちらかを選択できるならば、Android版の方が便利だ。iOS版は単純に転送のみしか行えないのに対し、Android版は転送画面から「アップロード」のボタンで、FacebookやDropbox、Gmailなどに直接、カメラから受信したデータを渡すことができる。また、カメラへのWi-Fi接続もiOS版がOSの「設定」から行う必要があるのに対して、Android版ならPlayMemories Mobileの画面から切り替えが行える。
リモート操作は両OS版とも同機能で、非常にシンプルなもの。シャッターのON/OFFのほかには2秒のセルフタイマーを有効にするかしないか、撮影した画像をスマホ側にも残すか/残さないかの設定しかない。オートフォーカスは有効だが、ズーミングもリモコンからは利用できないので、撮影前に画角の調整は済ませておこう。集合写真なら、5Rの180度跳ね上がる液晶を有効に利用する機会となる。
5Rから利用するカメラアプリについては12月3日現在、無料アプリとして「ピクチャーエフェクト+」「スマートリモコン」「ダイレクトアップロード」の3つが、有料アプリとして露出以外も含めた各種のブラケット撮影ができる「ブラケットPro」(500円)、連写合成でノイズを減らす「マルチショットNR」(500円)の2つが提供されている(ブラケットProとマルチショットNRについては、要製品登録ながら期間限定で応募者全員プレゼントが行われている)。
マルチショットNRはαの一部製品で既に実装されており、また、ブラケットProについてもブラケット撮影機能を標準で備える製品もあるので、これに500円とはいえ投資をするのはどうかという気もするが(そのための期間限定無料提供なのかもしれない)、まずは「マルチショットNR」をダウンロード購入してみた。
ダウンロード購入の手順としてはカメラメニューの「アプリケーション」から「PlayMemories Camera Apps」「ALL」と進み、目的のアプリをタップ(もしくはセンターキー押下)すればいい。その後にSony Entertainment Network(SEN)アカウントのサインイン(アカウント確認とパスワード入力)、利用規約の確認とインストールを経て、ダウンロードおよびインストールとなる。
手順自体は難しいものではなく、SENアカウントとパスワードを手元に控えておけば数分で済む。ただ、カメラに組み込まれたブラウザの挙動はお世辞にもスムーズとは言えず、プライバシーポリシーのような長文を表示させると、本体の動作はかなり“もっさり”したものになる。最新のPCやスマホに比べるのは酷と分かってはいるが、体験としては愉快なものではない。カメラのファームウェアアップ、サーバ側の対応などで改善されればよいと思う。
今回ダウンロード購入してみた「マルチショットNR」は本来、撮影モード「プレミアムおまかせオート」時に、カメラ側の制御にて自動的に行われる、連写合成でのノイズ低減を強制的に行う。強制的というところがポイントで、非常に暗いところでの撮影でどうしてもISO感度を高くしなくてはならないケースでの画質向上や、少しでもシャッタースピードを稼ぎたい場合に有用となる。使いどころが限られるといえば限られるが、あれば安心という感じだろうか。
アプリは今後、POBoxキーボード(ダイレクトアップロードなどで、キャプションとして日本語入力をするために必要)が無償提供されるほか、有料ながらタイムラプス撮影アプリや、写真の一部だけが動画のように動く「シネマフォト」といったユニークなものも提供される予定となっている(タイムラプスとシネマフォトのサンプルはこちらを参照のこと)。正直なところ、今用意されているアプリについては本体に機能として備えているカメラもあるだけに、ユニークなこちらの登場が待ち遠しい。
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