大解説! Tegra 4シリーズの「性能密度」に迫る:Mobile World Congress 2013(2/4 ページ)

» 2013年02月26日 12時30分 公開
[本間文,ITmedia]

一気に性能を向上したTegra 4シリーズの「新しいところ」

 このような機能を実現するためには、スマートフォンやタブレットデバイスに搭載するモバイルプロセッサを、とにかくパワフルにする必要がある。そこで、Tegra 4シリーズの最上位モデルとなる「Tegra 4」では、Googleの「Nexus 7」に採用しているTegra 3と比べて、約2倍のCPU性能を実現するだけでなく、グラフィックスコアを12基から72基と6倍に増やして大幅なグラフィックス性能向上も果たしている。しかし、「性能アップ=消費電力増」となっては、スマートフォンやタブレットデバイスへの採用が難しくなる。

 現在、タブレットデバイス市場で数多くの製品で採用しているTegra 3も、スマートフォンでは、搭載モデルを拡大できずにいる。NVIDIAは、その最大の理由が「消費電力の低減と、CPUとグラフィックス性能のさらなる向上」にあると認識しており、NVIDIAは最新のTegra 4シリーズにおいて、グラフィックス機能の半導体設計を大幅に見直すとともに、「Tegra 4:高性能スマートフォン、および、タブレットデバイス向け」「Tegra 4i:普及価格帯スマートフォン向け」という、二つのモデルを用意することで、性能と省電力に対してメーカーが求めるバランスを高いレベルで両立している。特に、NVIDIAが得意とするグラフィックス機能には大幅な改良を施し、徹底的に省電力化を図ったモバイルデバイス専用グラフィックスコアの採用に踏み切っている。

NVIDIAは、Tegra 4シリーズに、上位モデルで高性能スマートフォンやタブレットデバイスの搭載を想定したTegra 4のほかに、普及価格帯のスマートフォンに搭載するため性能と機能を「取捨選択」したTegra 4iを用意する

 Tegra 3の12コアから、Tegra 4で6倍の72コアをモバイルプロセッサに実装するにあたって、NVIDIAはグラフィックスコアの徹底的なスリム化を図った。そのゴールは、「消費電力の低減」「より少ないトランジスタ回路設計にすること」だ。このため、NVIDIAでグラフィックスの開発などを統括する上級副社長のトニー・タマシ氏は、「Tegra 4に採用した新しいグラフィックス機能では、一般的なスマートフォンやタブレットデバイスの利用において、ほとんど使わない機能を積極的に省くことで、スリムアップを図った」と説明する。競合製品よりもコンパクトで、かつパフォーマンスの高いコア設計を実現している。そのグラフィックスコアサイズは、アップルがiPhone 5で採用しているA5Xプロセッサを、Tegra 4と同じ28ナノメートルプロセスルールで製造した場合の約40パーセント程度に収まるほどの、大幅なシェイプアップを実現している。

Tegra 4と競合製品のグラフィックスコアの半導体サイズ(面積)比較。数値は、すべての製品を28ナノメートルプロセスルールで製造した場合(写真=左)。半導体面積あたりのグラフィックス性能比較(写真=右)

現行製品のTegra 3とのグラフィックス性能比較(GL bench 2.5)。消費電力あたりの性能が大幅に向上しているのが分かる。しかし、グラフィックスコアが大幅に増えたことで、GL benchの1080p性能比較では、Tegra 4がTegra 3の倍以上の消費電力になってしまっている。そこで、NVIDIAはグラフィックス性能を一定レベルに下げることで、消費電力を抑えるモードもサポートする意向だ(写真=左)。モバイルプロセッサ市場で、最大のライバルとなるQualcommのSpandragon S4 Proとのグラフィックス性能比較。Snapdragon 800の値は、Qualcommのマーケティングデータを元にして推測している(写真=右)

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