CeBIT 2013で見た欧州のWindows Phone事情ななふぉ ITmedia支店(2/2 ページ)

» 2013年03月13日 23時12分 公開
[山口健太,ITmedia]
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Nokiaは音楽サービスやワイヤレス充電による世界観を表現

 ドイツテレコムのブース内に出展したNokiaは、「街」をモチーフとしたジオラマを用いた、一風変わった展示で来場者の注目を集めた。ジオラマでは「Nokia Storeでのショッピング」「ベンチに寝転がってのワイヤレス充電」「NFCスピーカーによるライブステージ」といったシーンが表現されていた。

PhotoPhoto Nokiaによるジオラマ展示。「ベンチ」型の充電器は、既存のワイヤレス充電パッドを2枚組み合わせて作ったもの
PhotoPhoto Nokia MusicやNFC対応スピーカーの展示。ステージのDJはNokiaのイベントでもお馴染みの「deadmau5」

 他メーカーは、テーブルに設置した什器にスマートフォンを並べるというシンプルな展示だったのに対し、NokiaはLumiaシリーズがもたらす世界観を分かりやすく表現したという印象を受ける。なにより、見ていて楽しい展示となっているのは明らかだ。

PhotoPhoto 端末を並べているだけの他ブースと比べて、見ているだけで楽しい雰囲気だ

HuaweiもWindows Phone 8をドイツに投入 Windowsタブレットの可能性も

 CeBITにおけるHuaweiブースは、スマートフォンやタブレット端末を全面に押し出したMWCとは大きく様変わりし、通信事業者やエンタープライズ向けの展示が大部分を占めた。もちろん最新のスマートフォンはブースの片隅に展示されていたものの、ここではHuaweiがドイツ国内で使用している製品カタログに注目したい。

PhotoPhoto CeBIT 2013のHuaweiブース。スマートフォンの展示は最小限だったが、製品カタログにWindows Phone端末が起用された

 この製品カタログでは、2013 International CES(以下CES)で発表した「Ascend D2」やMWCで発表した「Ascend P2」といったハイエンドAndroid機ではなく、ローエンド寄りのWindows Phone 8端末「Ascend W1」が起用されている。その理由についてブース担当者は「ドイツ国内でWindows Phone 8を積極的に展開していくため」と語った。Ascend W1は4月中にもドイツで発売される見込みとのことだ。

 CESの取材では、Ascend W1に続く、よりハイエンド寄りのWindows Phone 8端末の投入も期待できる情報を得られた。残念ながらMWCおよびCeBITで新端末の発表はなかったものの、ブース担当者は「Windowsタブレットの開発も進めている」と明かした。Windows 8かWindows RTかといったOSの種類や、具体的な投入時期については明言されなかったが、Android機ではフルHDの「MediaPad 10 FHD」や低価格の「MediaPad 10 Link」が存在しており、これらのWindows版という可能性もある。

ドイツでWindows Phone専門雑誌が登場

Photo ドイツで発行される月刊誌『Windows Phone User』の2013年2月号。巻末には3月号の予告も

 ミュンヘンを拠点とするドイツの出版社「Medialinx AG」は、Windows Phoneユーザーを対象とした専門誌『Windows Phone User』を発行している。CeBIT用に作られた特別な雑誌ではなく、一般の書店で販売される月刊誌となっている。価格は5.9ユーロ(ドイツ国内)で、ドイツ・オーストリア・スイスなどヨーロッパ主要国で販売されている。

 対象読者はWindows Phoneの初心者からパワーユーザーまで幅広く、端末の紹介、アプリやゲームのレビュー、Tipsといった記事で構成されている。Windows Phone 8向けに提供された小規模なOSアップデートに関する記事もあり、かなり細かい話題まで扱っているという印象だ。Windows 8の話題も一部含んでいるものの、基本的にはWindows Phoneが中心となっている。誌面のデザインも、Windows PhoneやWindows 8で採用されるModern UIをモチーフにしているのも興味深い点だ。

 Windows Phone User誌は、紙の雑誌とPDF形式の両方の形態で販売されている。とはいえ、ある程度の販売部数を見込めなければ、紙で印刷することは不可能だろう。これはドイツ語圏におけるWindows Phoneユーザーが、一定数に到達した証拠と考えてよいのではないだろうか。

 このことから、Windows Phoneのエコシステムが拡大するにつれて、さまざまなビジネスが立ち上がり、それがさらに好循環を生み出していくことが分かる。ドイツでもWindows Phoneが長く低迷した時期はあるが、それでも粘り強く販売を続けたからこそ、専門誌の発行が可能になるほどの市場規模に成長したといえる。

 一方日本では、Windows Phone 7.5の後が続かず、一度はWindows Phoneを手にしたユーザーが続々と他OSに乗り換えることで減少傾向にあるという。たしかにドイツと日本ではキャリアの事業環境などが異なるため、一概に同じ方法が通用するわけではない。しかしエコシステムを育てるには、まず継続することが重要といえるのではないだろうか。

著者プロフィール:山口健太

Windows Phoneに関するニュースやアプリ、開発者向け情報を扱うブログ「ななふぉ」(http://nanapho.jp/)管理人。Tipsやハックに加え、Marketplaceの分析や海外取材も好評を得ている。Twitterは@tezawaly。ななふぉのFacebookページ(https://www.facebook.com/nanapho.jp)も公開中。趣味は自転車旅行。


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