旧型Androidに保護機能を追加する「ミマモール」(1)小寺信良「ケータイの力学」

» 2013年04月01日 14時00分 公開
[小寺信良,ITmedia]

 子供用のケータイとして、親のお下がりをあげるというケースは昔から存在した。うちの上の娘も、初めて持ったケータイは、筆者のお下がりのウィルコム“京ぽん”こと「AH-K3001V」であった。

 昨今は、新しもの好きのお父さんのせい(?)で、子供に旧モデルのAndroid端末を持たせるケースも少なからずあるようだ。ただ前回前々回と取り上げた子供用スマートフォンではあるまいし、フルスペックむき出し状態で使わせるのには、不安もあるだろう。さらにAndroid 2.2.x(Froyo)や2.3.x(Gingerbread)あたりの端末は、すでにメーカーのサポートが終了したものもあるはずだ。

 こういった古いAndroidスマートフォンを子供向けに安全に使わせるサービスとして、今年3月1日にリリースされたのが、「ミマモール」(http://www.mimamorl.com)である。開発したのは、ユニリングス。社員は代表取締役の星雅人氏1人というベンチャー企業である。

 ミマモールは、Webでのサービス契約と、ローカルにインストールするアプリのセットである。ローカルアプリは、アプリの起動制限を行なう機能と、位置情報をサーバーに向かって発信する機能を持つ。

photo ミマモールの端末側画面(7インチタブレットでの表示)

 サービス側では、ミマモールをインストールした端末の場所を地図上で表示する機能がある。サービスプランには3種類あり、現在はフリープランのみ公開中だ。

photo ミマモールの料金プラン

きっかけは震災

 ユニリングス代表取締役の星雅人氏は、元々はジャストシステムで商品企画を担当し、数多くのプロダクトを考案して世に出してきた。13年務めた同社を飛び出して起業したきっかけは、東日本大震災であった。

 子供のころを南相馬市で過ごした星氏は、震災で多くの方が犠牲になる中、家族がお互いを探すことの困難さを目の当たりにした。自分の安否を諦めずに探してくれるのは、家族しかいない。特に子供の消息となれば、親は命がけである。実際にお子さん2人を共働きで育てている星氏にとっては、他人事ではなかった。

 これをなんとかできないか。そう考えた星氏は、ミマモールのコンセプトを固めていった。プログラムの経験がなかった星氏は、アプリのイメージを自分で具体化するためにデジタルハリウッドに入学し、HTMLでアプリとサービスのモックアップを自分で作った。そしてこのプロジェクトに協力してくれるプログラマーとデザイナーに依頼し、実動するアプリとサービスを開発。およそ7カ月かけて作り上げたのが、ミマモールである。

 端末の位置情報を把握するためのアプリは、盗難や紛失に備えるものとして、すでにいくつか出ている。また既存のアプリでは、位置情報が不正確という問題もあった。

 そこで端末にインストールするアプリには、GPSだけに依存せず、ネットワーク基地局の位置情報を元に現在地を割り出すアルゴリズムも導入し、精度を上げた。

 しかし居場所が分かるだけでは、子供にはそのまま渡せない。アプリの起動制限もOS側に機能はあるが、ややこしくて使えない、OSのバージョンによって機能に差があるといった問題がある。結果的にミマモールは、位置情報の把握と、アプリの起動制限という2つの機能を持つこととなった。

 次回は具体的な機能について、見ていこう。

小寺信良

映像系エンジニア/アナリスト。テレビ番組の編集者としてバラエティ、報道、コマーシャルなどを手がけたのち、CGアーティストとして独立。そのユニークな文章と鋭いツッコミが人気を博し、さまざまな媒体で執筆活動を行っている。最新著作は、ITmedia Mobileでの連載「ケータイの力学」と、「もっとグッドタイムス」掲載のインタビュー記事を再構成して加筆・修正を行ない、注釈・資料を追加した「子供がケータイを持ってはいけないか?」(ポット出版)(amazon.co.jpで購入)。


Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年06月12日 更新
  1. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  2. 新エントリースマホ「arrows We3」発表 コンパクトな高耐久ボディーに5000mAhバッテリーや新カメラを搭載 (2026年06月11日)
  3. スタバ長時間滞在、なぜ「一律ルール」設けない? “スマホでゲーム、PCで仕事も…広報見解は (2026年06月12日)
  4. 「それ、家じゃダメなの?」──スタバ長時間滞在に冷ややかな目 “スマホ操作”に“PCで仕事”も (2026年06月07日)
  5. あのシャープが「ウェアラブル」に参戦? スマホ「AQUOS」新製品予告 詳細は16日に発表 (2026年06月10日)
  6. コレがたったの3630円――初代PlayStationを模したケース、セブン-イレブンなどで7月6日発売 (2026年06月11日)
  7. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  8. 動画配信「ABEMA」の障害復旧 約4時間17分にわたり視聴できず SNSに悲鳴【訂正】 (2026年06月10日)
  9. 「日本通信アプリ」の新バージョン提供開始 FPoS対応で本人確認のセキュリティを強化 (2026年06月11日)
  10. なぜ? マクドナルド「巨大セルフ注文端末」に批判殺到の理由 UI/UXに価格表示まで……直面している課題とは (2026年05月14日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー