富士通は10月16日、2013-2014年冬春モデルとして発売されるNTTドコモの「ARROWS NX F-01F」「Disney Mobile on docomo F-03F」「ARROWS Tab F-02F」、KDDI(au)の「ARROWS Z FJL22」「ARROWS Tab FJT21」、ソフトバンクモバイルの「ARROWS A 301F」の内覧会を開催した。ARROWSシリーズのデザイン全体を貫くコンセプトや、さらに進化した各種機能について話を聞いた。
従来のARROWSシリーズは、ハイエンドで先進的で、角張っていてメカメカしい――というイメージが強かった。今回のモデルでは、3機種とも手になじむラウンドフォルムを採用したことが大きな特徴だ。デザイン担当者に、今回のモデルに共通するデザインコンセプトを聞いた。
「“人に寄り添う”をテーマに、これまでのメカメカしさを取り除きました。SNSの普及で常に端末を持っている状態の人も多いでしょう。24時間肌身離さず持っていたい親しみやすさ、やさしさ、温かみを重視しています。ニッチを狙った先進的でスピード感のあるデザインでは市場的に厳しくなってきたので、より多くの方が手に取りやすいデザインで訴求していきます」(デザイン担当)
3機種とも背面の指紋センサーはカメラに合わせて丸型にし、統一感のあるデザインにした。ドコモのARROWS NX F-01Fは背面がツルツルとした触感だが、ソフトバンクのARROWS A 301Fは、「陶器や石けんをイメージした」(担当者)と言うように、スベスベとした仕上がり。写真では伝わりにくいが、実際に手に取ると、そのしっとりとした柔らかい触り心地が分かる。また、301Fはディスプレイに曲面加工が施されており、他キャリア向けモデルと比べるとその違いが際立つ。
auのARROWS Z FJL22は、塗装したボディに透明なカバーをかぶせた二重成型になっているのが特徴だ。フィーチャーフォンで部分的に取り入れていた技法だが、スマートフォン全体でそれを採用するのは初めてだという。説明員は「違う材質のものを使っているので、成型の際に苦労しました。冷却時の収縮率の違いなどがあるからです」と説明する。デザイン担当者は、2層構造にした理由について「他メーカーがアルミや本物の金属を使った質感をアピールする中で、富士通独自の新しい質感を表現したかったのです。特にホワイトは透明感がよく分かると思います」と話す。
今後もこのような“人に寄り添う”デザインにするのかについては、「ユーザーの声を聞きながら検討していきます」(デザイン担当)ということだ。
機能面でも各キャリア独自のものがある。ドコモのARROWS NXは、液晶パネルに従来の赤・緑・青に白を加えた「WhiteMagic」を採用。ディスプレイを明るく表示するだけでなく、消費電力も抑える。auのARROWS Zには、3G/LTEとWi-Fiを同時に接続する「マルチコネクション」を搭載し、より快適なデータ通信が可能となった。
使い勝手の面では、インカメラを利用して、姿勢に応じた端末の自動回転を抑止する機能や、子どもが勝手に操作できない「タッチブロックモード」などを備えた。「ユーザーの声を聞きながら、実装する機能は随時変えています」(説明員)というように、今回のモデルでは水平な場所に端末を置くと画面がスリープ状態になる機能は搭載しなかった。
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