UQ、WiMAX 2+対応基地局整備とWi-Fi接続における検証結果を説明UQさん、進ちょくどうですか?

» 2013年11月28日 20時07分 公開
[長浜和也,ITmedia]

基地局整備はケーブル敷設工事もセットで

WiMAX 2+発表会でUQコミュニケーションズが示したWiMAX 2+基地局設備

 UQコミュニケーションズが、10月31日から正式運用を開始したWiMAX 2+と、現時点で唯一対応するモバイルルータ「HWD14」について、UQコミュニケーションズの関係者が、WiMAX 2+対応基地局の設置作業の進捗状況やその作業に伴う課題などを紹介、さらに、無線LANで対応モバイルルータとデバイスを接続した場合にWiMAX 2+の通信速度に影響する要因と同社が行った検証結果に基づく見解を示した。

 WiMAX 2+が利用できるエリアは、10月31日の正式運用開始時点で、東京都の環状7号線内側をカバーし、2013年3月までに東京都、神奈川県、千葉県、埼玉県、愛知県、大阪府、京都府、兵庫県の一部で利用できるようにする計画だ。WiMAX 2+対応エリアは、UQ コミュニケーションズのWebページで把握できる。順次更新を行っており、11月28日時点では、11月15日までの状況を公開している。

 東京都内で見ると、皇居を中心に都心部でも利用できないエリアが点在しているが、それでも環状7号線の内側はほぼ網羅したほか、2013年3月末までの整備を目指しているエリア(首都圏でいうと、国道16号線の内側にほぼ相当する)でも圏内となったエリアが増えている。

 UQコミュニケーションズの説明によると、WiMAX 2+の基地局は、すでにあるWiMAX基地局を更新する形で進めているが、流用できるのは基地局の支柱だけで、アンテナから基地局本体にいたるまで、ほぼすべてを交換しているという。さらに、基地局だけを交換するだけでなく、基地局までのバックボーン回線も従来の100Mbps対応規格から、ギガビット対応規格に変更しなければならず、そのケーブル敷設も必要になっている。

 そのため、基地局交換とケーブル敷設をセットで工事する必要があり、その作業も、基地局敷地や施設所有者の都合に合わせて、平日のみ、または、週末限定、さらには、夜間厳禁、夜間のみと工事時間の条件が厳しく日程の調整が難しいという。既存のWiMAX基地局を稼働しながらの交換作業となるため、WiMAX 2+の基地局整備は、新規設営より困難だが、告知したスケジュール達成を目指して作業を進めているとUQコミュニケーションズの関係者は語っている。

UQコミュニケーションズのWebページで公開しているWiMAX 2+のサービスエリアマップ。11月15日の時点で、国道16号内側でも利用可能エリアが拡大している

無線LANの帯域幅設定も転送速度に大きく影響

 現在、WiMAX 2+を利用するには、モバイルルータのHWD14を使うしかない。ユーザーは、HWD14とデバイスをUSBケーブル、または、IEEE 802.11 b/g/n準拠の2.4GHz帯無線LANで接続してWiMAX 2+によるデータ通信を行うことになる。本体搭載インタフェースにUSBを備え、使うときは静止して使う場合がほとんどのノートPCならば、USBで接続すれば下り最大110Mbpsのデータ通信が可能だが、スマートフォンやタブレットなど、屋外で取り出してすぐにデータ通信を行いたい場合は、無線LANで接続して利用するユーザーがほとんどだろう。

 しかし、スマートフォンでWiMAX 2+の利用を想定して、HWD14と2013-2014年秋冬モデルとしてNTTドコモとKDDIから10月に出荷したGALAXY Note 3を無線LANで接続して行ったWiMAX 2+の転送速度検証では、LTEをやや上回る程度の速度にとどまり、UQコミュニケーションズが訴求する「100Mbpsに近い高速通信」には遠く及ばなかった。

 このとき、UQコミュニケーションズの見解としては、WiMAX 2+の転送速度を十分に発揮するには、USBによる有線接続が望ましく、無線LANによる接続では外部要因(無線接続を利用しているデバイスが数多く存在してその干渉が影響している)によって、WiMAX 2+本来の転送速度は発揮できないとしていた。

 UQコミュニケーションズ 代表取締役社長の野坂章雄氏も、WiMAX 2+の正式運用イベントで、「WiMAX 2+が速いかどうかを評価するにはUSBで接続した状態で考えなければならない。無線LAN接続の状態で速度が出ていないとかLTEと速度を比較するというのは、また違う問題」という考えを示した一方で、「多くのことが関連しているので、現時点でこれという要因は分からないが、考えていかなければならない」と、無線LAN接続における転送速度の検証を行うことを示唆していた。

 UQコミュニケーションズは、無線LAN接続におけるWiMAX 2+転送速度を検証するために、電波暗室にWiMAX 2+の基地局を設置し、無線LANで接続したHWD14とデバイスを用意して測定したところ、90Mbps台の転送速度が出たことから、HWD14と無線LAN接続、そして、WiMAX 2+そのものには問題はないと説明している。

 UQコミュニケーションズでは、無線LAN接続利用で転送速度が遅くなる要因をいくつか挙げていて、特に無線LANモジュールが省電力電源プラン状態で処理能力が低くなる事例については、Windows 7とWindows Vistaを導入したPCで電源オプションの「ワイヤレスアダプターの設定」で省電力モードを最大パフォーマンスにするようにパンフレットをユーザーに配布してアドバイスしている。

 さらに、転送速度が遅くなる理由として、デバイス設定項目、特にHWD14で用意している「Wi-Fiチャンネル」と「Wi-Fiバンド幅」に言及しており、それぞれを固定設定にするように勧めている(Wi-FiチャンネルとWi-Fiバンド幅はともに動的に切り替え可能が標準選択となっており、電波環境によってはWi-Fiハンド幅が40MHz幅から20MHz幅に自動で切り替わって転送速度が半分近くに下がってしまうという)。

 ただ、これらの設定を有効にしても、無線LAN接続におけるWiMAX 2+の転送速度は、いい条件がそろっても40Mbps台で、LTEと比べて明らかに速いと言い切ることは難しい。UQコミュニケーションズもこのことを踏まえた上で、「高速テータ通信を“容量無制限”で利用できる」ことをWiMAX 2+の訴求ポイントとしてユーザーに示していくと語っている。

UQコミュニケーションズでは、無線LANでHWD14を接続して使うユーザーに向けて電源管理プランの設定をアドバイスしている(写真=左)。PCからHWD14の設定を行うユーティリティのLAN設定でWi-FiチャンネルとWi-Fiバンド幅を固定に設定できる(写真=右)

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