ソフトバンクモバイル、LTE-Advanced走行実証作業を銀座で公開:4K動画も快適に

» 2014年01月24日 16時36分 公開
[長浜和也,ITmedia]

LTE-Advanced対応移動局(=マイクロバス)で銀座を駆け巡る

 ソフトバンクモバイルは、1月24日に同社が開発を進めているLTE-Advanced TDD方式による走行実証作業を公開した。使用する周波数帯は3.4−3.6GHz帯で、走行エリアは東京都の銀座5丁目から8丁目にかけた国道15号線(中央通り)から西側の0.32平方キロで、ソフトバンクモバイルは、このエリアにLTE-Advanced対応基地局を8カ所(マクロ)+1カ所(ピコ)設置している。

ソフトバンクモバイルが銀座で進めているLTE-Advanced実証作業エリアと(写真=左)、今回の走行実証作業のコース(写真=中央、右)

現在、実証作業におけるLTE-Advanced対応基地局は、既存のPHSとAXGP基地局を共有している(写真=左)。並木通りの南入り口付近のビル屋上に設置したLTE-Advanced基地局(写真=中央、右)

 今回の走行実証作業では、周波数帯域として80MHzを用意し、これを4分割して20MHzずつ1キャリアに割り当てた「4×4MIMO」と分割したキャリアをまとめてデータ転送に利用するキャリアアグリゲーションを利用して送受信を行った。基地局は既存の2.5GHz帯AXGP(Wireless City Plannningが運用中)と1.9GHz PHS(ウィルコム運用中)の基地局と共用している。ここに、LTE-Advanced TDDに対応した送受信機と、LTE-Advancedの4×4 MIMOで使う4本のアンテナを追加した。送信出力は基地局1カ所で20ワット(アンテナ1本あたり5ワット)に設定している。

 走行実証実験の“移動局”となるのは、このためにチャーターしたマイクロバスだ。マイクロバスは、実証実験用に改造をしており、後部には移動局の送受信装置を設置し、天井には送受信に使うアンテナを4×2本取り付けたほか、座席部分と運転席の間には、スループットをリアルタイムで見せたり、実装実験の見学者に社内で説明スライドを表示したりする大画面ディスプレイを搭載する改造を施している。この大画面ディスプレイでは、4K(3840×2160ピクセル)動画のストリーミング再生を行うデモも行っている。

LTE-Advancedの実装実験で“スマートフォン”代わりの移動局となるのがこのマイクロバスだ(写真=左)。屋根には2種類のアンテナを4本ずつ載せている(写真=右)

後部にはLTE-Advanced送受信ユニットを収容している(写真=左、中央)。車内にはプレゼンテーション資料の表示や4K動画のストリーミング再生を示す大画面ディスプレイも載せた(写真=右)

 今回行った走行実証作業では、走行中でも高いスループットを維持できることを示すことが目的だ。銀座の並木通りから交詢社通り、そして、みゆき通りと、道幅が狭い通りなのに両脇に高いビルが連なる典型的な繁華街で、電話受信の条件としても厳しいエリアという。しかし、ソフトバンクモバイルでは、基地局同士の干渉を抑えるチューニングを進めるとともに、、500〜700Mbpsの転送速度が維持できることを示している。

 ソフトバンクモバイルでは、2013年の7月から実験試験局の本免許を取得して東京都の銀座と池袋でLTE-Advanced TDDの実証実験を行ってきたが、最も高いときには平均して770.161Mbpsに達するなど、700Mbpsに近い結果を出していると説明している。今後も実証作業を続けていく予定で、6月には再度その成果を公開する予定だが、そのときまでにファームウェアのアップデートなどを行って、1Gbpsの転送レートを目指すという。

 なお、今回の実証作業では、マイクロバスの天井に2種類のアンテナを4本ずつ載せて4×4 MIMOに対応する送受信を行っていたが、これついて、ソフトバンクモバイル 技術総合研究室の矢吹歩氏は、「現在の評価機材では電波の減衰が大きくバスに載せた4本のアンテナだけでは想定している性能が発揮できないため、2本のアンテナを組み合わせて1本のアンテナ相当として使っている」と説明している。なお、6月に予定している次回の公開実証作業では、4本のアンテナだけで送受信をできるようにする予定という。

大画面ディスプレイには走行実証作業における転送速度の履歴を表示し、上の小型ディスプレイにはリアルタイムの転送速度を表示する。今回の実証作業では740Mbps台まで達した(写真=左)。解像度が3840×2160ピクセルの4K動画のストリーミング再生も安定して視聴できた(写真=右)

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