NTTドコモは2月21日、アクティブアンテナを用いた基地局で屋外実験を行ない、電気的損失の低減に成功したと発表した。より効率的に電波を送受信することで、基地局のカバーエリアを約1.7倍広げることができるという。
アクティブアンテナとはアンテナ素子と無線装置を一体化したもので、従来型アンテナ(パッシブアンテナ)よりも高効率なのが特徴。これまではアンテナ素子と無線装置が分かれており、2つをつなぐケーブルなどによって損失が発生していた。
屋外実験は日本電業工作製のアクティブアンテナとドコモのLTE用無線装置を使用。従来型アンテナを用いた基地局と比較して、電気的損失を4デシベル低減できることを確認した。これは基地局のカバーエリアが約1.7倍拡大することに相当し、郊外における効率的なネットワーク構築や、災害発生時の被災状況に応じたエリア対策が可能になるという。
アクティブアンテナは小型化も可能で、これまで設置が難しかった場所への設置も行えるほか、無線機が故障しても影響を受けるアンテナが1つで済むなどのメリットがある。また多アンテナ伝送技術の「MIMO」との相性が良く、将来的にはLTE-Advancedや5Gなどの次世代通信網構築の効率化も実現するとしている。
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