3.5GHz帯120MHz幅は大手3キャリアで割り当てか――ワイモバイルになるのは本当に得策だったのか石川温のスマホ業界新聞

» 2014年07月18日 12時00分 公開
[石川温]
「石川温のスマホ業界新聞」

 総務省は7月11日、「電波政策ビジョン懇談会」を開催。5月30日に出した中間とりまとめ案に対しての意見募集の結果を紹介し、それに対しての総務省の考え方を示した。

 特に注目すべきは周波数割り当てに対するグループ性の扱いだ。中間とりまとめ案では「グループ性については議決権だけでなく、資本関係や意思決定、取引関係においても、考慮し判断するのが適当」とした。

 これにより、ソフトバンクモバイルとワイモバイル、Wireless City Planning、さらにKDDIとUQコミュニケーションズはグループとして見なされることとなる。

 これによって、すぐに影響が出てくるのが、年内にも実施される予定の3.5GHz帯の割り当てだ。当然、ワイモバイルとしても割り当て申請をしたいとエリック・ガン社長(当時、イー・アクセス社長)が主張していたが、今回の決定により、それは難しくなる(ソフトバンクが申請しなければ別だが)。

この記事について

この記事は、毎週土曜日に配信されているメールマガジン「石川温のスマホ業界新聞」から、一部を転載したものです。今回の記事は2014年7月12日に配信されたものです。メールマガジン購読(月額525円)の申し込みはこちらから。


「石川温のスマホ業界新聞」バックナンバー

 このままいくと、120MHz幅ある3.5GHz帯は、3キャリアに40MHz幅ずつ割り当てられる流れになりそうだ。

 ワイモバイルは自社では3.5GHz帯でのサービスは提供できず、ソフトバンクにMVNOするかたちになるだろう(それでも、すでに両社はネットワークを融通し合っており、何ら影響はないだろうが)。

 ただ、これからワイモバイルは、ソフトバンクグループとして見なされるとなると、ソフトバンクにとってワイモバイルブランドを維持し続ける意味があるのか、というのが疑問となってくる。

 まもなく、ワイモバイルとして、サービスや料金、端末が発表されるようだが、どこまで消費者に魅力的なブランドとして訴求できるのだろうか。

 仮にY!Mobileとして、メールサービスやストレージサービスを提供したとしても、すでにAndroidユーザーにはGmailやグーグルが提供するサービスを使える状況にある。

 特にメールサービスは、Yahoo!のメールがあまりに迷惑メールが多く、使い物にならなかったこともあり、ほとんどの人がGmailに乗り移った経緯もある。そんな状況で、またYahoo!のメールを使い始めるとは思えない。

 正直言って、Yahoo!のサービスを積極的に使いたいと思うユーザーがどれだけいるか、よくわからない。Yahoo!ブランドは、そこまでユーザーに愛されているのだろうか。

 イー・アクセスとウィルコムが合併し、ワイモバイルになり、Yahoo!色が全面に出ることで、離れていくプレイヤー、あるいは一緒に商売をしにくいと思う企業も出てくるだろう。

 グーグルはその典型であろうし、過去にはOSを手がけ、自社ブランドタブレットを手がける世界的な企業が、イー・アクセス網でLTE対応タブレットを出そうとしたが、話が頓挫したということもあったようだ。

 「イー・アクセスが手がけるLTEネットワーク品質を見て、提供を辞めた」という話もあれば「Yahoo!による合併話が持ち上がり、ゴタゴタがあって提供を辞めた」という話もある。

 仮に日本でWindowsPhoneが再び発売となるという話が持ち上がったとしても、提供キャリアがワイモバイルになる、と言う可能性は低いだろう。

 いずれにせよ、Yahoo!としても、ワイモバイルと組むことで、もはやNTTドコモやKDDIと距離を置かざるを得なくなるし、一方で、これまでイー・アクセスやウィルコムなら組めていたパートナーも、Yahoo!ブランドになることで、離れていく企業も出てくるということだ。

 Yahoo!ブランドになることで、どこまでユーザーを引きつけられることができるのか。とても興味深いと言える。

© DWANGO Co., Ltd.

アクセストップ10

2026年06月10日 更新
  1. iOS 27は「iPhone 11」以降で利用可能 iOS 26から据え置きで過去最大のiPhoneに対応 (2026年06月09日)
  2. あなたの街の「スマホ決済」キャンペーンまとめ【6月版】〜PayPay、d払い、au PAY、楽天ペイ (2026年06月08日)
  3. スマホの“ミニ”外付けディスプレイが流行の兆し? 若者がインカメラではなく「アウトカメラ」で自撮りする理由 (2026年06月10日)
  4. 「iOS 27」はアプリの起動速度が30%高速、最適な通信切り替えも iPhone 11やiPhone SE(第2世代)も対応 (2026年06月09日)
  5. JR東日本が2027年春から「二次元コード乗車券」を導入 近距離券売機での磁気券は順次廃止へ (2026年06月09日)
  6. ソフトバンクが「今回もやる」とGalaxy S26を月額1円で販売――販売方法を早急に見直さないと撤退を迫られるメーカーも (2026年03月08日)
  7. IIJmioのスマホ大特価セール 中古「iPhone SE(第3世代)」が4980円、「OPPO Reno11 A」が9980円など (2026年06月09日)
  8. 次世代の「Siri AI」発表 ユーザーを理解した応答が可能、表現力も向上 26年後半に英語から対応 (2026年06月09日)
  9. 「それ、家じゃダメなの?」──スタバ長時間滞在に冷ややかな目 “スマホ操作”に“PCで仕事”も (2026年06月07日)
  10. WWDCで「折りたたみiPhone」に言及なしも、Apple版「大画面×AI」に期待できるワケ (2026年06月09日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー