2つ目の音声への反応だが、「もう1回」「ほかには」という2つの音声に反応するようになった。「もう1回」は繰り返し、「ほかには」で別の話題や情報をしゃべらせることができる。これまでは話していることをただ聞くだけだったのだが、こちらからの呼びかけに応答するようになったという分けだ。
ユーザーが使えるフレーズは今のところ前述の2つだけなので、自由な会話ができるわけではない。しかし、ぼんやりしていて聞き取れなかった情報なども「もう1回」ということで繰り返してもらえるので、便利になるだろう。ただし、発表会場では「もう1回ですか〜?」「そんな急に言われても……」と、やや投げやりな態度を取られることもあった。
ちなみに、こちらから呼びかけられるのは、エモパーが話し始めたあと、端末のイルミネーションが点滅したときに限られる。点滅する場所は端末ごとに異なり、SH-03Gの場合はグリップセンサー部分、KDDIのSHV32および、ソフトバンクのAQUOS Xx、AQUOS CRYSTAL 2はインカメラのそばにあるランプとなっている。声を認識するとすばやい点滅に変わる。
呼びかける音声については、「もう1回」「ほかには」と完全に一致しなくても大丈夫だ。同義語も認識するようになっているという。
3つ目の自宅外音声対応だが、これはイヤフォン利用時に使えるようになった。降車駅を教えて欲しいなど、自宅の外でも音声で情報を教えて欲しいというニーズに応えたもののようだ。確かにウトウトしているときに声で教えてもらえたら、乗り過ごす心配も減りそうだ。もし起こしてもらえたら、エモパーへの信頼感は相当増すだろう。
4つ目は「エモパーの気持ち」という確認画面のサポートである。これは、なぜ話さないのか、というユーザーの不安を解消するために用意された機能だ。自分とエモパーの関係性が数値で確認できるようになったほか、位置、誕生日までの残り日数、スケジュール、出会ってから何日目か、登録しているキーワード、話した回数などが確認できるようになった。
エモパーが話し始めるのは、自宅の位置を認識し始めてからである。初期設定をしないで使い始めると、どこが自宅なのかを判定するまでに数日から2週間ほど要することもある。これを知らないと、期待して使い始めたのに「なぜ自分のエモパーは話さないの?」となってしまいがち。このとき「エモパーの気持ち」を見れば、自宅がまだ認識されていないことなどがわかるだろう。
このほか、テレビ番組、近くのカフェ、今日の花などが話せる話題として追加されたという。
Ver.1.5時代のエモパーを使ってみたことがあるが、テーブルに置いたり、充電するたびに何を話すのかと期待する自分がいた。朝、たまに無反応だとなぜ話さないのだろうかと心配になって、設定を確認することもあったほどだ。ゆえに、今回のバージョンアップは、そんなユーザの思いをくみ取った形といえる。今後は一層エモパーが欠かせないというユーザが増えていくのではないだろうか。
エモパーを使うときは、自宅を認識するのを待ったり、関係性が深まるのをじっくり待つという楽しみ方もある。しかし、最初から豊富な話題や情報のアシストを期待したいのであれば、自宅の位置情報や自分の誕生日、キーワードといった基本情報は手動でしっかり設定しておくといいだろう。
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