台湾HTCは6月15日(現地時間)、投資家向けの公式ページで、台湾ASUSTek Computer(以下ASUS)による買収の可能性に関する報道を否定する声明文を発表した。
これは、米Reutersをはじめとする複数のメディアが12日、ASUSのジョニー・シー会長が定時株主総会の質疑応答でHTCを買収する可能性について、ないとは言えないと述べたと報じたことを受けたもの。
ASUSのデビッド・チャンCFO(最高財務責任者)がReutersに対し、「シー会長はその件について内部で話してはいるが、実際に買収するチャンスはまだ大きくはない。ASUSは自社による自律的な成長に頼ってきたからだ」と語った。
HTCは声明文で「われわれはこの報道を強く否定する。ASUSと接触していないし、売却を検討してもいない。HTCは国際的なブランドとして、今後もワールドクラスの革新的なスマート端末を提供していく」としている。
HTCは「HTC One M9」などのハイエンドのAndroid端末で知られるが、同社は今月5日、特に中国市場でこうしたハイエンド端末の販売が予想より伸びないことなどを理由に第2四半期の売り上げ予想を下方修正している。
ASUSもAndroid端末を販売しているが低価格なエントリーモデルが中心であり、HTCを買収すればポートフォリオを拡充できそうだ。
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