WiMAX 2+とSoftBank Airに新機種/mineo、全ユーザーでパケットシェアする新サービス5分で知る最近のモバイルデータ通信事情(2/2 ページ)

» 2015年12月21日 15時40分 公開
[島田純ITmedia]
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ソフトバンク、下り最大261Mbpsの「SoftBank Air」を12月17日開始

 ソフトバンクは、工事不要でブロードバンド回線を提供できる「SoftBank Air」に、下り最大261Mbps対応の新機種「Airターミナル 2」を追加。12月17日に発売した。下り最大261Mbpsという通信速度は、12月現在で提供されているモバイルブロードバンドとしては国内最速だ。

下り最大261Mbps対応の「Airターミナル 2」 下り最大261Mbps対応の「Airターミナル2」

 Airターミナル 2の本体価格は5万8320円(税込)。分割支払の場合は36回払いで1カ月あたり1620円だが、毎月の通信料からの割引である「月月割」も同額に設定されているため、本体代はいわゆる「実質0円」の機種となる。端末は一括または分割支払での購入のほかに、月額490円でレンタルすることも可能。本体をレンタルした場合、月額料金の割引は適用されない点には注意したい。

 基本料金は月額4880円で、加入特典として利用開始から3カ月目までは月額料金が1184円、4カ月目から25カ月目は500円が割引される。本体代を分割支払した場合、1カ月間に支払う料金の合計は契約から3カ月目までが月額3696円、4〜25カ月目が4380円となる。

 下り最大261Mbpsが通信容量無制限で使い放題になると言う点では魅力的なサービスではあるが、AXGP対応エリア内であってもサービスを申込することができないケースがあるなどの点がネック。実際に筆者もサービスを申込しようと手続を行ったところ、残念ながら筆者が利用を希望する住所ではサービスの申込ができなかった。“国内最速”の実力を試せないのは残念だ。

ソフトバンク、1.5GHz帯と1.7GHz帯の3Gサービスを終了しLTEに振り替え

 ソフトバンクは2017年4月以降、1.5GHz帯と1.7GHz帯における3G(W-CDMA)の通信サービスを順次終了し、この帯域で4G LTEを振り替えると発表した。

 影響を受けるのは旧イー・モバイル(イー・アクセス)が販売していた1.5GHz帯と1.7GHz帯でのみ通信するデータ端末(モバイルWi-FiルーターやUSBモデム)が中心。2.1GHz帯と900MHz帯による3Gサービスは継続するため、フィーチャーフォンなどへの影響はない。

 1.5GHz帯の3Gサービスは2017年3月末にサービスを終了。これに先駆けて2016年9月以降に関東の一部エリアにおいて下り通信速度が低速化する。1.7GHz帯は2018年1月末にサービスを終了し、どちらの周波数帯も3Gでのサービス終了後に順次4G LTEのサービスを開始する。

 この周波数帯で3Gサービスが終了することで、サービスそのものの利用停止や、対応エリアの縮小、最大通信速度の低下など、利用中の機種やサービスによりさまざまなデメリットが発生する。対象の製品とサービスを利用しているユーザーは注意が必要だ。ソフトバンクは最新機種への機種変更キャンペーンを実施する。

 サービス終了の影響を受けるユーザーは注意が必要だが、周波数の利用効率が良い4G LTEサービスが拡大することで、限りある電波資源が有効活用されることに期待したい。

mineo、全ユーザーでパケットをシェアできる「フリータンク」を提供開始

 ケイ・オプティコムが提供するMVNOサービス「mineo」は、同社のコミュニティーサービス「マイネ王」に登録している全ユーザーがデータ容量(パケット)をシェアできる「フリータンク」機能を12月17日より開始した。

 mineoは従来より家族や友人にパケットをプレゼントする「パケットシェア」や「パケットギフト」機能を提供していたが、フリータンクはこれを「全国のマイネ王ユーザー」とシェアできるのが違いだ。

mineo「フリータンク」のパケット量 mineo「フリータンク」のパケット量

 フリータンクへのパケット預け入れは、1ユーザーに付き毎月10Gバイトまでで、回数制限はなし。一方、フリータンクからのパケットの引き出しは、1ユーザーあたり最大で月間1Gバイトまで。毎月21日から月末までの期間、最大2回引き出せる。

 フリータンク機能が成立するためには、パケットを預けるユーザーとパケットを引き出すユーザーが、ある程度のバランスを保つ必要がある。mineoではフリータンク機能の提供開始に伴い、フリータンクに1Tバイト分のパケットをプレゼントしたほか、ユーザーからの預入を促進するためのキャンペーンを実施。フリータンクにパケットを預入すると、抽選でBluetoothスピーカーや商品券などの賞品をプレゼントするキャンペーンを開始した。この効果もあり、フリータンク機能の提供開始から1日以内に、ユーザーから500Gバイトを超えるパケット通信量が預入されている。

 いわゆる「格安SIM」という言葉に象徴されるように、MVNOのサービスは料金が安い。そのことだけが注目されがちだが、mineoのパケットギフトやフリータンク機能はMNO(およびmineo以外のMVNO)には無いユニークな機能だ。フリータンクはmineoの売上に直接つながらないだろうが、既存ユーザーがサービスを活用することで、新たなユーザーを呼び込むきっかけになるかもしれない。

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