「ヨドバシ・ドット・コム電子書籍ストア」とアプリ「Doly」を徹底解剖する電子書店完全ガイド(4/4 ページ)

» 2016年01月26日 13時15分 公開
[鷹野 凌ITmedia]
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読みやすさ

 最後に、読みやすさの検証です。

対応デバイス

 DolyアプリはWindows(7以降、RTを除く)、Mac(Mac OS X 10.9以降)、Android(2.3.3以降、推奨は4.0以降)、iPhone・iPad・iPod touch(iOS 6以降)と、マルチデバイスに対応しています。どのデバイス向けアプリも、無料でダウンロード可能です。なお、専用端末はありません。

台数制限

 購入した本は、最大5台で閲覧可能です。利用端末の登録解除は、解除したい端末でアプリを起動し[設定]→[アカウント情報]からログアウトすれば、何度でも可能です。Webストアの[アカウント情報]→[電子書籍アプリ「Doly」端末管理]からでも解除できます。また、6台以上でログインしようとすると、登録済み端末を解除するメニューが自動表示されるので、通常の利用で不便することはまずないでしょう。


[設定]→[アカウント情報]からログアウト [設定]→[アカウント情報]からログアウト
Webストアの[アカウント情報]→[電子書籍アプリDoly端末管理] Webストアの[アカウント情報]→[電子書籍アプリDoly端末管理]
6台以上登録しようとすると、登録済み端末の解除メニューが自動表示される 6台以上登録しようとすると、登録済み端末の解除メニューが自動表示される

ビューワ機能

 購入したコンテンツは端末にダウンロードすれば、通信環境がない場所でも読むことができます。最後に読んだ位置やしおりは別の端末に自動で同期されます。また、プログレッシブダウンロードに対応しており、ダウンロード中に[すぐ読む]をタップすると、ダウンロード完了まで待たずに読み始めることができます。ただ、筆者が試した範囲では、コミックはダウンロード中でも読めるのですが、文字モノに関してはうまく機能しませんでした。


プログレッシブダウンロードに対応 プログレッシブダウンロードに対応
[設定]メニュー [設定]メニュー

 読書機能としては、しおり、複数色のマーカー、本文検索、辞書、Web検索(Google)、文字サイズの変更、余白の変更、フォントの変更、段組、縦書き・横書きの変更、文字/背景のカラー選択、ページめくりエフェクト変更などが可能です。基本的にどのデバイス向けアプリも利用できる機能はほとんど同じですが、コンテンツによって使用できる機能に違いがある場合があるようです。

  • 「Doly」Windows版アプリ

 Windows版は初期設定のフォントがMS明朝で、ギザギザに表示されるのが気になります。PCにインストールされている任意のフォントに変更可能なのですが、なぜかどのフォントを選んでも文字にアンチエイリアスがかかりません。また、上部のアイコンが何を意味するのか、文字もガイドも表示されないため、使ってみないと分からないのはすこし不親切に感じました。文字の大きさは本文を表示したままでは行えず、[設定]メニューへ移動する必要があります。


Windows版の本文表示 Windows版の本文表示
範囲選択したとき表示されるメニュー 範囲選択したとき表示されるメニュー

「或阿呆の一生」芥川竜之介/青空文庫

しおり/マーカーリスト しおり/マーカーリスト
余白の変更メニュー 余白の変更メニュー

  • 「Doly」Mac版アプリ

 Mac版の文字はちゃんとアンチエイリアスがかかっており、アイコンメニューにも名前が表記されているのでわかりやすいです。


Mac版の本文表示 Mac版の本文表示
範囲選択したとき表示されるメニュー 範囲選択したとき表示されるメニュー

  • 「Doly」Android版アプリ

 Android版は、文字サイズの変更がピンチアウト/ピンチインで可能です。メニューアイコンに名前が表記されており、わかりやすいです。


Android版の本文表示 Android版の本文表示
ピンチアウトで拡大 ピンチアウトで拡大
指を離すとその文字サイズに変更される 指を離すとその文字サイズに変更される

中央タップでメニュー表示 中央タップでメニュー表示
スライダーによるページ移動 スライダーによるページ移動
縦書き/横書きを切り替えできる 縦書き/横書きを切り替えできる

タップ&ホールドで拡大鏡表示 タップ&ホールドで拡大鏡表示
範囲選択時のメニュー 範囲選択時のメニュー
しおり/マーカーリスト しおり/マーカーリスト

  • 「Doly」iOS版アプリ

 iOS版のメニューアイコンにはWindows版と同様に名前が表記されておらず、使ってみないとどんな機能かわからないところがすこし不便です。


iOS版の本文表示 iOS版の本文表示
メニューアイコンに名前がない メニューアイコンに名前がない
しおり/マーカーリスト しおり/マーカーリスト

ピンチアウトで拡大、指を離すと文字サイズ変更 ピンチアウトで拡大、指を離すと文字サイズ変更
タップ&ホールドで拡大鏡表示 タップ&ホールドで拡大鏡表示
範囲選択時のメニューはアイコンではなく文字表記だ 範囲選択時のメニューはアイコンではなく文字表記だ

総括

 冒頭「ラインアップ」の項目で「他の主要な電子書店に比べるとやや少なめ」と辛口評価をしましたが、楽天KoboやKindleストアが日本でサービス展開を始めたばかりのころに比べたら、数十万点ラインアップがある時点で雲泥の差であり、他店とそれほど大きな差があるわけではありません。マルチデバイス対応でハイブリッド型の総合書店として、実力的には紀伊國屋書店ウェブストアあたりと拮抗しているように思います。ヨドバシ.comには家電などの通販もあるので、余ったポイントで電子書籍を買う、といった使い方ができる点は強みでしょう。

 余談ですが、ヨドバシ・ドット・コム電子書籍ストアがオープンしたとき、eBook USERの記事で「UIなどからシャープが法人向けに提供している電子書籍ソリューション「EBLIEVA(エブリーバ)」が採用されているとみられる」と報じられました。私も、ビューワ内のアイコンや、ピンチアウト/ピンチインで文字サイズが変更できるといった特徴から、恐らくバックエンドはシャープだろうと思いました。

 ところがのちに、シャープ「GALAPAGOS STORE」では提供されていないMac版アプリが、ヨドバシ・ドット・コム電子書籍ストアで提供開始されたのには驚きました。他の「EBLIEVA」が採用されている電子書店にも展開されていくのでしょうか? 気になるところです。

著者プロフィール:鷹野凌(たかの・りょう)

鷹野 凌

フリーライター。NPO法人日本独立作家同盟理事長で、『月刊群雛』とウェブマガジン「群雛ポータル」の編集長。実践女子短期大学非常勤講師。ITmedia Mobile、INTERNET Watch、ダ・ヴィンチニュース、マガジン航、DOTPLACE、ぶくまるなどへ寄稿。ブログ『見て歩く者』で、主に電子出版、著作権、ソーシャルメディア関連の記事を執筆。著書『クリエイターが知っておくべき権利や法律を教わってきました。著作権のことをきちんと知りたい人のための本』(インプレス)は、弁護士福井健策氏による監修。

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