4Kディスプレイの威力は肉眼で分かる?――「Xperia Z5/Z5 Premium」を比較してみた(3/3 ページ)

» 2016年02月17日 06時00分 公開
[田中聡ITmedia]
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データで比較する、Xperia Z5/Z5 Premiumのディスプレイ

 ここまで、Xperia Z5/Z5 Premiumのディスプレイを肉眼で見て感じたことを比較してきたが、データに基づいた比較も行っていきたい。エックスライトのカラーキャリブレーションセンサー「i1Pro」を使って、ディスプレイの輝度や色温度を計測した。なお、こちらの計測では、X-Reality for mobileやダイナミックコントラストエンハンサーといったXperia固有の高画質化技術は反映されない。

 i1ProはAndroidでは利用できないため、Xperia Z5/Z5 PremiumをPCのセカンドディスプレイとして使う必要がある。まずはXperia Z5/Z5 PremiumにPCの外部ディスプレイとして利用できるアプリを導入し、Xperia Z5/Z5 PremiumとWindows PCを同じWi-Fi内で接続。続いて、PC用ソフト「i1Profiler」を利用し、i1Proで2機種のディスプレイを計測した。2機種とも明るさを最大輝度にして、自動調光はオフにしている。

 数回計測し、ガンマ補正カーブのブレが特に少ないデータを採用した。輝度はXperia Z5が468カンデラ/平方メートル、Xperia Z5 Premiumが317カンデラ/平方メートルで、やはりZ5 Premiumの方が暗いことが分かった。なお、計測に使ったi1Proは、実際の輝度より少々低めの値を出す傾向があるので、輝度の値は2機種の明るさを比較するための参考値として見てほしい。

 色温度はXperia Z5が9490K、Xperia Z5 Premiumが11976Kだった。どちらもsRGB規格の標準値である6500Kよりかなり高く、ブラウン管時代のテレビを思わせる値だ。現行のiPhoneファミリーが6500K前後をターゲットに調整しているのとは大きく異なる。色温度が高いほど白が青っぽく見えるが、実際にZ5とZ5 Premiumの2機種を見比べると、肉眼での印象と同じくZ5 Premiumの方が青みが強かった。

 i1Proの計測結果から、ガンマ補正カーブを確認した。以下に掲載したのがそのグラフだ。

Xperia Z5 PremiumXperia Z5 Premium 左がXperia Z5、右がXperia Z5 Premiumのガンマ補正カーブ

 縦軸が色情報の出力、横軸が入力を示しており、左下の0(黒)から右上の255(白)にかけて、R(赤)、G(緑)、B(青)が正確に再現されているかが分かる。ディスプレイに入力したRGBの色情報を正確に出力できるほどグラフは直線に近づくが、RGBの各線が極端に曲がったりずれたりすると、正確に色を再現できなくなったり、グラデーションがおかしくなったりする。

 Xperia Z5とZ5 Premiumのいずれも明部でやや上ブレしている(入力信号に対して、出力が低いのを補正したことをグラフは示している)が、大きくは乱れておらず、RGBの各線はそろっている。おおむね優秀な結果だ。

 続いて、i1Profilerで作成したICCプロファイル(カラーの再現について記述したファイル)を、Phonon氏の色度図作成ソフト「ColorAC」で表示し、Xperia Z5とXperia Z5 Premiumの色域を比較した。

 下記グラフ内の三角形の中で、黄色い☆がXperia Z5、黒い○がXperia Z5 Premiumの色域となる。面積比はZ5 Premiumが約106.6%でやや広いという結果になったが、色域が重なり合っていない部分がある。Z5は緑の領域がZ5 Premiumより広く、Z5 Premiumは黄色〜赤の領域がZ5より広い。Z5 Premiumの方が人肌に陰影があるのは、黄色〜赤の色域が広いことも関係しているのだろう。

 Windows環境の標準的な色域である「sRGB」は、ピンクの□で表示。Xperia Z5 Premiumはすべてカバーしており、より広い面積を確保している。一方、Xperia Z5はカバー範囲はsRGBよりも広いが、黄色〜赤でややカバーしていない部分があった。sRGBよりも広い色域を持つ「Adobe RGB」は紫の△で表示している。こちらと比べると、2機種ともカバー範囲は狭いが、黄色〜赤はZ5 Premiumの方がカバー範囲が広い。表示範囲に若干の相違はあるが、Z5 PremiumはZ5よりも広色域の表示が可能といえる。

Xperia Z5 Premium 「ColorAC」で表示した色域。☆がXperia Z5、○がXperia Z5 Premium、□がsRGB、△がAdobe RGB。グラフ中央付近にある曲線は色温度を示す

 ソニーモバイルは4Kの美しさを「目の前に存在するかのように感じられる」と説明しており、確かにXperia Z5 Premiumで日々、写真や動画を見ると、精細かつ鮮明で、満足感は高い。Z5の差分を問われると難しい部分もあるが、より陰影があって鮮やかだと感じる写真も多かった。Xperiaの中では最高峰の画質といってもいいだろう。一方で色温度の高さは気になる部分であり、少なくとも6500Kにより近いiPhoneシリーズと比べると、クセのある色味といえる。このあたりは好みの問題もあるが、気になる人はホワイトバランス設定から最適な色味に調整するといいだろう。

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