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» 2016年05月16日 18時00分 公開

高音質通話にタップレス発信、スマート領域も充実――ドコモ16年夏モデルは「サービス」で差別化(4/4 ページ)

[房野麻子,ITmedia]
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端末投入サイクルを1年に変更

 質疑応答とイベント後の囲み取材の様子は以下の通り。

質疑応答

―― 端末を厳選した理由は何か。また、今後の端末戦略について教えてほしい。

プロダクト部長丸山誠治氏 数は冬モデルの半分くらいになっている。端末1つ1つは魅力的で、機能、性能、価格面でもバリエーションがある。2016年夏から、各メーカーさんと相談はするが、原則として1年間で機種を出すスタイルに変えていきたい。

 われわれは「年間サイクル化」と呼んでいる。例えばAQUOS ZETAはこれまで半年おきに新商品を出してきたが、これを1年単位で売る。ただし、商戦期は冬と夏に2回あるので、適宜、メーカーさんの希望を聞きながら、新商品は年に2回に分けて投入したい。

ドコモ夏モデルまとめ 左から、ドコモの村上氏、加藤社長、丸山氏

―― 新事業領域を振り返って、どう評価するか。「+d」とドコモにどのような成長を期待するか。

加藤社長 基本的に+dは、パートナーさんにドコモの技術をうまく活用していただくもの。パートナーさんとオープンでコラボしながら、ユーザーによりよいサービスを提供する試み。それをdポイントで色付けしながら、串を通しながら、サービスを展開したいと思っている。

 現時点でまだまだ途中。仲間をたくさん作っていきたい、パートナーさんと手を組んでいきたい、もっと増やしたいと思っている。分野はいろんなところがあるが、今後はIoTを視野に入れながら、面白いこと、かつ生活や社会に役立つようなトライをしたいと思っている。いろんな方々と、フィールドも貸していただいて展開していきたい。ユーザー本位で考えながら、使ってもらえる、体感してもらえるようなチャンスを、できるだけ早く作っていきたい。

―― 端末が他社のラインアップと同じになってきている印象。ドコモとしてどう差別化するか。

丸山氏 商品だけでなくて、社長が冒頭に説明したような機能を端末に搭載して、ユーザーに使ってもらうところまでをトータルで提供したい。VoLTE[HD+]、375Mbps、スグ電、おすすめ使い方ヒントは、ドコモの端末だけに搭載されているので、こういうことをアピールしながら売っていきたい。

―― dリビングはキャリアフリーか。

村上氏 その通り。d系サービスはキャリアフリーを志向していて、dリビングもいろんなユーザーに使っていただく。

囲み取材

―― 新機種の数が冬モデルよりも半分に減っているが、ここまで減らした理由は何か。

加藤社長 スマートフォンの機能や性能がどんどんアップして、成熟している。またブレークスルーがあるかもしれないが、どの機種もよく似てきている。その中でも特徴あるものを採用している。(プロダクト部長の)丸山も説明したように、1年サイクルにしようということで、結果的にそうなった。

―― スマートフォン市場が成熟し、機能面での大きなブレークスルーがないということか。

加藤社長 機能、性能の伸びやバリエーションが、かなり集約してきているという気がしている。

―― サプライヤーに対しては……?

加藤社長 1年ごとにやると、1機種当たりの調達量は増えてくるはず。

―― 了承は得ているのか。

加藤社長 得ている。

―― 1メーカー1機種ではないのか。

加藤社長 メーカーさんには特徴あるいろんな端末があるので、そういうものをラインアップしながら、どういう周期でやっていくかは(相談しながら)。

―― 例えばGalaxyだったらSシリーズで1年に1回、Noteシリーズで1年に1回という感じなのか。

加藤 まあ、そういう感じで。何が含まれるかは、これからも考え続ける。

―― 1機種当たりの調達数は、既に増えているのか。

加藤社長 いや、これから。初回は従来と同じだと思う。済んでみてトータルでどれくらい調達したか、ということになると思う。

―― 例えばXperiaで大型端末を夏に、小型端末を秋に出すことになれば、ドコモとして新商品発表会は年2回続くと考えていいのか。

加藤社長 続くだろうと思っているが、開発のテンポやそのときに何がアピールできるかによると思う。いろんなイノベーションを追いかけ、特徴あるサービスをプラスしながら、ユーザーに提供できる情報があるように努める。

―― Android端末を年1回サイクルにする一方、Appleは年に2回サイクルになろうとしているようにみえる。またiPhone率が高まらないか。

加藤社長 なかなか難しいところ。「iPhone SE」がどのように評価され、毎年9月に出てくるメイン機とどんな関係か、よくみていかなくてはいけないと思っている。

―― 2015年にガラホを出しているが、あまりユーザーが広がっていない。どのように立て直すか。

加藤社長 フィーチャーフォンタイプのものをずっと作り続けてほしいという話は、個人投資家説明会などでは特にいわれる。できるだけ使い勝手が変わらず、しかし新しさが入っているものを、これからもトライしていきたい。

―― 2016年は販売方式の転換が起きているが、どのくらいの販売規模、市場環境を予測しているか。

加藤社長 まだちょっと分からない。販売方式の変換が徹底しているかといったら、まだまだ進行中の状況だと思う。ユーザーがどのように選択し、結果として何が残っていくのか、よく見ていきたい。

―― MVNOでは単価の安い端末が出てきている。

加藤社長 以前からハイエンド、ミドルがあって、バリエーションの中でお手軽なものを持ってきている。そのラインアップはキープしながら提供したい。

―― フィーチャーフォンからスマートフォンへの乗り換えが鈍化している印象だが、ドコモとしてどこまでスマホシフトを進めたいか。

加藤社長 今日発表した「スグ電」の実現は、スマートフォンの方がやりやすいと思っている。こういったものをフィーチャーフォンに入れられればいいが、スマートフォンの方で実現しながら、使い勝手を上げていく。当たり前に使えるようなものができてくれば、スマートフォンを使うことを考えてもらえるのではないか。

―― 端末メーカーの懐事情が苦しくなっている中で、差別化はソフトウェアで実現できるようなものが中心になっていくのか。

加藤社長 ドコモとしてのサービスをトータルで考えながら、今日発表した「dリビング」を含めたサービス、それに加え、端末に近いところでやっているサービスを今回は充実させたつもり。これからも知恵を出して使い勝手がいいものを提供していきたい。トータルの競争になるといいと思っている。

―― 端末では独自性が出しにくく、ドコモらしさの見せ方が難しいということか。

加藤社長 そういうことではなく、われわれはモノだけではなく、サービスも売っているので、競争としてはサービスと一体で理解していただきたい。エンターテインメント系などサービスが伸びてきているので、端末のみならずトータルで提供できる力が備わってきたと考えている。

―― ペイメント分野の状況、今後の取り組みやスタンスについて知りたい。

加藤社長 バリエーションを広げて行こうと思っている。おサイフケータイ、クレジットカード、キャリアのビリングと、それを横串で通すdポイント、残るのはプリペイドかなと思っていて、今、検討中だ。

―― dカードはこれまでプロパーで成長しているが、ドコモがイシュアになり、提携カード事業に進出する可能性はあるか。

加藤社長 十分あると思っている。そもそもクレジットカードはそういう性質を持っている。+dの一環で提携できるところがあるとうれしい。

―― 夏に始まるLINEモバイルでは、LINEをデータ通信無料で使えるといわれている。サービスを使ったときのパケット通信を無料にするという流れについて、ドコモとしてどう思うか。

加藤社長 1つの考え方だと思う。ある程度、限られているのでは。詳しいことは分からないが、どのように進んでいくか、ユーザーがどのように応えるかを注視していきたい。

―― ドコモのサービスで通信料をとらないようなことは考えているか。

加藤社長 選択肢としてはあると思うが、今、にわかには考えていない。

―― 「My docomo」を利用する際のパケットは無料だ。

加藤社長 そういう意味ではある。

―― 他のサービスのアップデート情報が少ないのではないか。

加藤社長 おっしゃる通りで、コンテンツもきちんと増やしていく必要がある。VODにリアルタイム性を出せないかと思っている。一方で、インタフェースを磨いていく必要もあり、当たり前に使っていただくためには、まだ少し障害がある。原点に戻りながら、ブラッシュアップしていきたい。

―― ドコモ光の展開はどうか。dTVはモバイルでは稼ぎ頭だと思うが、デジタルコンテンツ系のホームへの展開はどうか。

加藤社長 ドコモ光は、出だしは少し鈍かったが、今は伸びていいところに来ているので、2016年も頑張りたい。コンテンツは、ハイブリッドでできるのはもちろんだが、それが使いやすくなっているか。スマホでもWi-Fiの自動切り替え対応に少し時間がかかったが、ユーザーが操作を意識しなくてもできるようにしたい。

―― 加藤社長が社長に就任してから丸4年たった。振り返った感想を聞きたい(この時点で社長交代は発表されていなかった)。

加藤社長 微妙な質問だ(笑)。モバイルICTの分野は競争や変化が激しく、技術革新もすごいスピードで進んでいる。それに付いていくのがやっとだったと思うし、遅れたものをなんとかキャッチアップしながらやってきた。特に新料金、新サービスでは、競争のステージを変えたいという意志で率先してやってきたが、それを仕上げていく時期に入ってきていると思う。

―― 点数でいうと何点くらいか。

加藤社長 いや、全然。

―― +dで今後、IoTを視野に入れるという話があった。どういう分野なのか知りたい。

加藤社長 そこを具体的にいうとわれわれの戦略が見えてしまうので、ご勘弁いただきたいが、地方創生も含めたあらゆるところで新しい展開を今、考えている。センシングなど一部だけではなく、トータルで話題のところに入っていけたらいいと思っている。

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