SIMフリー市場はどう攻める? 未来のGalaxyはどうなる?――サムスン堤CEOに聞く(2/3 ページ)

» 2016年06月17日 21時31分 公開
[田中聡ITmedia]
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「皆さんがあっと驚く新製品」を準備中

―― 東京・丸の内の「KITTE」に「Galaxy Stuido」を期間限定で開設して、Galaxy S7 edgeやGear VRを体験できるコーナーを作りました。他に、こういった体験スペースを展開する予定はありますか?

堤氏 KITTEでは(Gear VRを装着して)ジェットコースターとサーフィンを体験いただけましたが、渋谷のパルコでVRを使ったイベントも実施しました。あと、実はこの建物(サムスン電子ジャパンが入っている飯田橋グラン・ブルーム)2階のショールームでもGear VRを体験できるんですよ。平日だけですが、学生さんがよくいらっしゃっています。今後は、各地方都市に体験のゾーンを広げていきたいですね(※グランフロント大阪にて、6月23日〜7月6日にGalaxy Studioを展開することが決定した)。

Gear VR Galaxy Stuidoでは、Gear VRでジェットスターやサーフィンを体験できるコーナーを用意した
Gear VR 飯田橋グラン・ブルーム2階のショールームでも、Gear VRを体験できるシアターを1席用意している

―― 体験スペースをサムスンだけで拡充するのは難しいと思うのですが、キャリアショップや量販店と提携して拡充させる計画はありますか?

堤氏 各広域代理店さん、地方のオーナー代理店さんなどと、常時話をしています。

―― 既存のGalaxy Shopを生かす予定は?

堤氏 われわれは直接販売していませんので、(Galaxy Shopでも)体験いただくことに主眼を置いています。

―― 販売と体験でスポットを分けている。

堤氏 はい。私たちがダイレクトに行えるのは体験です。Galaxyというブランドを皆さんにご理解いただくことに主眼を置いています。

―― 端末はお店にも置いてあるので、Gear VRやGear 360など、写真だけでは良さが分からないものを特に体験したいですよね。

堤氏 VRや360など、スマートフォンに付随するものはたくさん出てきますが、もしかすると、スマホと同列になるような、(ラインアップの)中核を担うソリューションを展開することもあり得ます。ここはぜひご期待いただきたい。今準備しているものがあって、皆さんがおっと驚くものを披露したいと思っています

―― Gear VRやGear 360とは違った何か、でしょうか。

堤氏 はい。ぜひご期待いただきたい。面白いですよ。個人的には大好きです(笑)。近いうちに発表します。

―― ソニーやシャープなどもIoTを推進していますが、サムスンはどのようなカラーを出していくのでしょうか。

堤氏 2020年に向けて、Galaxy S7 edgeが大きなトリガーになって、楽しみを作れるかなと。今回のS7 edgeはスマホでは最高峰だと思いますし、これ以上のものは出せないぐらいのモノを出したと思っています。私が最近言っているのは「スマートフォン」ではなくて「マジカルデバイス」。魔法のランプみたいに、これがあれば何でもできる、これによって何かが助かる、自分の指示のものとで何かをやってくれる――そういったものが、スマートフォンの進化形だと思うんですね。

 マジカルデバイス、略して「MD」、流行語大賞になればいいなと(笑)。もう「フォン」じゃないですから。皆さん、「最近のスマホは変わらない」「どれを見ても同じ」と言いますけど、細かく見れば違うものもある。ただ、デザインも、2017〜2018年あたりで全く違うものになって、存在の意義も変わってくるかもしれない。

 そのときに、何のための進化形なのかを考える必要があります。モノはもちろん、サービスもわれわれが作っていきたい。これがGalaxyと他社の違いだと認識しています。ただ、これからのIoTの世界では協業モデルが主流になりますから、サムスンだけで全てをやるという時代ではないと思っています。

VRは個人にも法人にも売っていきたい

―― Galaxy S7 edgeの購入者にGear VRをプレゼントする施策は、海外と同じく日本でも実施しました。これは大きなキャンペーンでしたね。

堤氏 2016年はVR元年とよく言われていますが、最初に言ったのはわれわれかもしれない(笑)。VRを広めるといっても、やみくもに広げるのではなくて、面白さを体験いただきたい。VRはB2CだけでなくB2Bのニーズもあり、社会貢献にもつながります。例えば観光誘致や教育。大学の研究では、集中力を高めるのにうってつけだと聞いています。

 (Gear VR先行モデルの)イノベーターエディションを使った人から「酔ってしまう」「眼鏡を付けたままでも使いたい」という声をいただきました。そこで、(商用モデルは)センシング技術を活用して酔わないようにしましたし、眼鏡を付けたままでも使えます。VRの中でも最先端を行っていると考えています。

―― 他のメーカーもVR製品を出していますが、サムスンとして、どのようなポジションを確立していきたいとお考えでしょうか。

堤氏 VRは大きく3つの市場があると考えています。1つは、ダンボールに取り付けて見るような簡素化したもの(Google Cardboardなど)。2つ目がゲーマーを対象としたもの(PlayStation VRなど)。3つ目は私どもが提供しているプロフェッショナルモバイルとしてのデバイス。ハイパフォーマンスで、コンテンツもいくつか用意していますし、B2CもB2Bも含めて、全て網羅したマルチデバイスをスマホと連動させていきます。

 コンテンツはコンサートのライブ配信なども将来出てくるでしょうね。B2Bではビジネスユース、社内教育、物件の販売などもメジャーになってくると思います。

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