SIMフリー市場はどう攻める? 未来のGalaxyはどうなる?――サムスン堤CEOに聞く(3/3 ページ)

» 2016年06月17日 21時31分 公開
[田中聡ITmedia]
前のページへ 1|2|3       
※本記事はアフィリエイトプログラムによる収益を得ています

SIMフリー端末やNoteの投入は?

―― 日本のSIMロックフリー市場をどう見ていますか。2015年は様子を見るとおっしゃっていましたが、2016年になって変わったことはありますか。

堤氏 きちんとしたタイミング、ニーズが高いタイミングで、しかるべきアクションは取っていきたいと思っています。SIMフリースマホは当初、やたらと安い端末が出てきました。でも、今は安い端末から高い端末に移行しています。「どうせ持つならいい物を持ちたい」という要求に変わってきているんですよ。

 あとは、単に(通信が)つながればいいという人もいれば、もう少し付加サービスが欲しいという人もいらっしゃる。そこの見極めをきちんとしないと、お客さまの要求にマッチしない可能性もあります。お客さまの要求にマッチして、SIMフリーによって新しいサービス形態が出てくるなら、喜んで出していきたい。やらないのではなくて、きちんと見極めて、ベストなタイミングで考えていきます。

―― Galaxy S7 edgeをSIMフリー化して売るのは簡単なことではない?

堤氏 Galaxy S7 edgeは非常に価値が高いと思っています。これをSIMフリーのマーケットに持っていって、どのぐらいの人から評価いただけるかは、まだギャップがあるのではないかと思いますね。

―― 「Galaxy A8」のような、ミッドレンジよりも少し上のスペックを持つSIMフリースマホを出せば、今の市場にもマッチすると個人的には思います。

堤氏 A8はauさん専用で出しています。auさんをサポートするのが今のミッション(の1つ)だと思っていますので。ただ、あれで大画面化(への要求)が読めたというのも事実です。

―― 大画面化といえば、Noteシリーズがどうなるのかが気になります。2015年はNote 5の日本投入が見送られました。

堤氏 去年出さなかったことで、いろいろなお叱りを受けました。今年出すかどうかは何とも言えませんが、皆さんが「ああすごい」「なるほど」と納得する形で必ず回答申し上げます。200%納得するような形です。

―― Noteではないカテゴリーになる可能性も?

堤氏 いや、Noteの市場はあると思います。違うカテゴリーというのは、また次のレベルだと思います。

人がモノに支配されてはいけない

―― サムスンは「Gear S2」をはじめウェアラブル製品も開発していますが、ウェアラブルはどのような方向に進んでいくとお考えですか、

堤氏 ウェアラブルは、IoTに向けての1つの提言ですが、今のままの姿で行くはずはないと思います。AI機能を入れるとか、ビッグデータのやり取りを入れるとか……。ヘルシー志向やビューティー志向も強まっていくので、それらにマッチングする形、時計型じゃないウェアラブルも出てくるでしょう。そういったところも考えているのでご期待いただきたいですね。

―― シャープやASUSなど、最近はスマホメーカーがロボットも作っていますが、そのあたりの市場はどのように見ていますか。

堤氏 スマホの進化形は「マジカルデバイス」だと言っていますが、そういった(ロボットなどの)市場に必ず移行するでしょう。ポイントは人が便利だと思うものじゃないとダメ。モノに人が支配されると困るんです。下手をするとそういう世界になってしまうので、それだけは作ってはいけないと思います。

―― その中でGalaxyというブランドをどのように育てていきたいとお考えですか。

堤氏 Galaxyをマジカルデバイスにするのが私のミッションです。スマホの進化形だから形も違ってくるかもしれない。皆さんが楽しめる世界にするのが私の夢……いや、実現できる近未来のソリューションだと思っています。

取材を終えて:新たな市場をどこまで創出できるか

 総務省が「タスクフォース」の一環で推し進めている「実質0円販売の停止」「キャッシュバックの停止」によって、端末メーカーには逆風が吹いている。実際、ドコモは年間の端末投入サイクルを減らすことも明かしている。そんな中でサムスンが早くから周辺領域に着目し、新たな市場を創出しようとする姿勢には好感が持てる。

 満を持して投入したGalaxy S7 edgeの評価も上々で、かつてドコモが「GALAXY S4」で実施した“ツートップ”の優遇施策なしでも存在感を出せていると感じる。一方、サムスンはAシリーズを始め、ミッドレンジのスマホも多数手掛けており、SIMロックフリー端末の売れ筋も3万円台のモデルが中心だ。それだけに、SIMロックフリー市場では商機を逃している気がしてならない。

 一時は「サムスンが日本でスマホ事業から撤退する」といった臆測も出たが、今回堤氏がGalaxyの未来を見据えている話を聞いて「それはない」とあらためて確信した。同氏の言う「マジカルデバイス」がどんなモノになるのか、楽しみだ。

前のページへ 1|2|3       

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

アクセストップ10

2026年07月21日 更新
  1. ダイソーで330円の「人感・明暗センサーLEDバーライト(Type-C)」が意外と便利 1人暮らしの帰宅時や非常灯に便利  (2026年07月18日)
  2. なぜ「060」携帯番号は18カ月あっても延期になったのか? それでも「慌てる必要はない」現状 (2026年07月20日)
  3. 専用充電器はもう不要? 中韓スマホから国内勢まで巻き込む「USB PPS」急速充電の新常識 (2026年07月14日)
  4. 「Pixel 11」は何が変わる? メモリ減少で100ドル前後の値上げも? 出そろったうわさを整理する (2026年07月19日)
  5. JR東日本「分かりにくい」新幹線券売機を改善へ なぜ、スマホではなく「駅での最短1分購入」を実現? (2026年07月04日)
  6. ショップとAIで差別化を図る「ドコモの銀行」――住信SBIネット銀行ユーザーからは戸惑いも (2026年07月19日)
  7. 携帯番号に「060」が採用されるワケ 「電話番号とは何か」を歴史とともに振り返る (2024年10月09日)
  8. iPhoneやApple Watch一斉値上げ 17無印は14万2800円に、17eは10万円超え 加速する中古スマホ特需 (2026年07月18日)
  9. “特典終了”が続く「d払い」「dポイント」のお得さはどう変わるのか これからは「dカード」の利用が得策? (2026年07月17日)
  10. ミドルハイレンジモデルにも水冷搭載 nubiaから「Neo 5 GT Special Edition」登場 (2026年07月19日)
最新トピックスPR

過去記事カレンダー