Nexusが終わり、Pixelが始まった理由

» 2016年10月06日 06時00分 公開
[井上輝一,ITmedia]

 Googleが10月4日(米国時間)に行った「Made by Google」イベントでは、新型スマートフォン「Pixel」、VR HMD「Daydream View」、Wi-Fiルーター「Google Wifi」、映像ストリーミングデバイス「Chromecast Ultra」、スマートスピーカー「Google Home」が発表された。

Pixel 「Pixel, Phone by Google」

 そしてPixelの発表と同時に、従来のレファレンス機だった「Nexus」シリーズの終了もアナウンスされた(関連記事)。「Nexusユーザーの皆さんは、Googleの旅路で欠くことのできない役割を果たしてくれた。われわれはPixelのスタートでわくわくしており、皆さんにそれを理解してもらいたい」とNexusのTwitter公式アカウントはツイートしている。

 なぜ慣れ親しんだNexusブランドをやめ、Pixelという新しいブランドをスタートさせたのだろうか。これまでの歴史から、その理由を考えてみる。

「アンドロイドは電気羊の夢を見るか?」のアンドロイドが8体だったから説

 「Nexus」の名称が、SF作家フィリップ・K・ディックの小説「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」(映画「ブレードランナー」)に登場するネクサス6型脳ユニットを搭載したアンドロイド(人造人間)に由来している、というのは初代の「Nexus One」が登場した時から指摘されている説だ。

 「アンドロイドは電気羊の夢を見るか」は、ネクサス6型という最新の脳ユニットを搭載したアンドロイド8体が脱走し、それを賞金稼ぎの主人公が「処理」していく物語。

 そしてこれまで出てきたGoogleのNexusシリーズスマートフォンを数えると「Nexus One」「Nexus S」「Galaxy Nexus」「Nexus 4」「Nexus 5」「Nexus 6」「Nexus 5X」「Nexus 6P」――、8機種だ。

 Nexusシリーズのスマートフォンを8体のネクサス6型アンドロイドになぞらえ、Nexus 6PをもってNexusシリーズは完結した、ということなのかもしれない。

 ただ、今挙げたのはNexusのスマートフォンだけで、タブレットである「Nexus 7」「Nexus 7(2013)」「Nexus 10」「Nexus 9」や、「Nexus Q」「Nexus Player」は無視している。なので提唱しておいてあれだが、これは少々強引な説である。

メーカー名より「Google」を前面に出したかった説

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Pixelに刻印されるロゴはGoogleの「G」だけだ Pixelに刻印されるロゴはGoogleの「G」だけだ

 これまでのNexusシリーズは、Androidのレファレンス機という立ち位置ではありつつも常にメーカー名が付きまとっていた。HTC、サムスン、LG、モトローラ、Huawei、ASUSといった各AndroidスマートフォンメーカーがGoogleと共同で開発しており、Nexusシリーズにはいつもメーカーのロゴが添えられていた。そのため、いくらレファレンス機と言ってもメーカー色を払拭しきれない懸念があった。

 一方、今回のPixelは「Phone by Google」を押し出しており、Googleの「G」以外にロゴは刻印されていない。今後のGoogle端末の将来については「ノープラン」とのことだが、メーカー色を廃した「Google製のスマートフォン」に市場がどう反応するかが、「プラン」を決めることになるだろう。

「Andromeda」への布石説

 発表会の事前のうわさで大きなトピックだったのは、「AndroidとChrome OSを統合したOS『Andromeda』が発表されるのでは」というものだったが、実際にはその発表はなかった。しかし、「Pixel」の名はChrome OSを搭載した「Chromebook Pixel」や、Androidタブレットの「Pixel C」で既に用いられている。Pixelブランドへの統一は、来たるべきAndromeda導入への布石という意味合いもありそうだ。

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