こんにちは「大容量プラン」 さよなら「モバイルWi-Fiルータ」?5分で知る最近のモバイルデータ通信事情

» 2016年10月26日 19時40分 公開
[島田純ITmedia]

3大キャリアから大容量プランが登場

 NTTドコモ、KDDI(au)、ソフトバンクの3大キャリアが、Appleの「iPhone 7/7 Plus」の発売にあわせて、通信容量が月間20GB以上の大容量プランを追加しました。口火を切ったのはソフトバンクで、その後すぐにKDDIとドコモが追従する形で大容量プランの提供を開始しました。

 各キャリアの大容量プランを簡単に説明すると、1人向けのプランでは各社共通で通信容量20GBが月額料金が6000円(税別、以下同)、30GBが月額8000円と、従来のデータ定額プランと比べて大容量のプランが割安で使えるのが特長です。

ギガモンスター ソフトバンクは大容量プランを「ギガモンスター」と名付け訴求

 今回登場した大容量プランは、3社ともに20GBプランが「5GBプランにプラス1000円追加」という絶妙な料金設定になっています。このため、現在5GBのプランで使っている人は、月額1000円追加するだけで月間20GBが使えるようになるため、より多くデータ通信を行いたい人にとって、コストパフォーマンスが非常に高いプランが登場したといえるでしょう。

 当然ながら、大容量プランは1GBあたりの容量単価も割安に設定されています。5GBプランと20GBプランを比較すると、下記のように20GBプランの容量単価は7割も安くなっています。

  • 5GBプラン:1,000円/1GB(月額5000円)
  • 20GBプラン:300円/1GB(月額6000円)
  • 30GBプラン:266円/1GB(月額8,000円)

 ソフトバンクが「ギガモンスター」を発表した時点では、テザリングオプションが月額1000円の有料オプションで、使い切れなかった通信量の翌月繰り越しに制限がありました。しかし、auとドコモが追随した際に、テザリング利用時のオプション料金を期間限定ながらキャンペーンで無料化した上、通信量の翌月繰り越しの制限も従来通りプランと同様としたことから、ソフトバンクも他社に合わせるように提供条件を変更しました。

 この結果、固定回線とのセット割や契約年数による割引適用額に違いはあるものの、各社の大容量プランは、ほぼ“横並び”という状況です。この点では、総務省の要請で提供された「ライトユーザ向けの月額5000円以下のプラン」がほぼ横並びである状況と同じですが、「仕方なく提供している」感が大きいライトユーザ向けプランとは異なり、大容量プランは今後の競争の主軸の1つと位置づけられるでしょう。

モバイル無線LANルータは生き残れるのか?

 大手キャリアの新しい大容量プランが普及すると、MVNO(仮想移動体通信事業者)が提供する「容量無制限プラン」はもちろん、UQコミュニケーションズ(以下「UQ」)やY!mobileが積極的に販売しているモバイル無線LAN(Wi-Fi)ルーターの販売面に大きな影響が出るものと思われます。

 UQやY!mobileは、モバイルルーター向けに、月間データ通信量が無制限となる(ただし直近3日間の通信容量制限がある)プランを4380円(各種割引適用時)で提供しています。

UQの「ギガ放題」 UQの「ギガ放題」は、各種割引を適用すると月額4380円で使える

 これらのモバイルルーターは、スマホとの「2台持ち」をすることが多いと思われます。ドコモとUQまたはY!mobileのモバイルルーターを2台持ちすると仮定した場合、ドコモのデータ定額で一番安い「データSパック(小容量)」はデータ通信量2GBで月額3500円、UQまたはY!mobileのモバイルルーター向けの月間容量無制限プランは月額4380円で、合わせて月額7880円となります。

 一方、ドコモの「ウルトラデータLLパック」は月間30GBのデータ容量で月額8000円となり、ドコモスマホ+UQまたはY!mobileのモバイルルーターの合計月額とほぼ同額になります。

ドコモのデータパック一覧 ドコモの「ウルトラデータパック」は、L(20GB)が6000円、LL(30GB)が8000円という組み立て

 UQやY!mobileは、モバイルルーター契約者の平均的な通信量を明らかにしていませんが、筆者の推測では月間のデータ通信量が20GBあるいは30GBを毎月のように上回る利用者の割合は、実はそれほど高くはないと推測しています。

 もちろん、固定回線の代わりにモバイルルーターを使っている場合や、長時間の動画視聴や大容量ファイルのやりとりを頻繁にしている場合は、月間の通信量が数十GBを超えることもあるでしょう。しかし、「スマホの通信容量を使い切る不安があるのでモバイルルーターを併用している」という人のほうが多いという実感もあります。

 それを踏まえると、保険という意味合いでモバイルルーターを契約している場合は、それを解約して大手キャリアの大容量プランに一本化することは、十分に魅力的な選択肢であるといえます。

 実際、今回の大容量プランの発表を受け、筆者は多数契約しているモバイルルーターのうちのいくつかを解約して大容量プランを契約することを検討中です。スマホの契約とは別にモバイルルーターを利用する場合、持ち運びするデバイスの数は当然増えますし、契約更新のタイミングも契約(回線)単位で管理する必要があり、さまざまな“手間”がかかります。その手間を大幅に減らせるのも、大容量プランの大きなメリットでしょう。

 筆者と同様の検討をしている人がどれくらいいるかは不明ですが、大容量プランの登場でモバイルルーターの市場がより「ニッチ」になることは間違いないでしょう。

 次回は、大容量プランの登場後におけるモバイルルータの活用方法を考えてみたいと思います。

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