「AQUOSの写真は縦横700mmにプリントしても高画質」――フォトグラファー黒田氏に聞くAQUOSというカメラの写真展

» 2016年12月20日 14時33分 公開
[田中聡ITmedia]

 シャープが、同社のスマートフォンAQUOS(以下、AQUOS)で撮影した作例を展示する「AQUOSというカメラの写真展」を開催。2016年12月16日から22日まで、富士フォトギャラリー銀座(東京都中央区銀座1-2-4 サクセス銀座ファーストビル4階)で展示している。時間は平日が10時30分〜19時、土日祝日が11時〜17時(22日は14時まで)。

AQUOSというカメラの写真展AQUOSというカメラの写真展 富士フォトギャラリー銀座で開催している「AQUOSというカメラの写真展」

 写真展では、2016年夏モデルの「AQUOS ZETA SH-04H」「AQUOS SERIE SHV34」「AQUOS Xx3」で撮影した写真を700×700mmにプリントして展示。通常、スマートフォンで撮影した写真をここまで大きなサイズでプリントすることは少ないが、AQUOSで撮った写真なら、ここまで引き延ばしても鑑賞できるクオリティーであることを見せるのが狙いだ。

 富士フォトギャラリー銀座に展示されている作例は16点で、撮影はフォトグラファーの黒田智之氏が担当した。作例の画像処理はトリミングを除いて行っていない。

AQUOSで撮影した写真はエッジが破綻しない

 AQUOS ZETA SH-04HをはじめとするAQUOSは、 リコーの画質認証プログラム「GR certified」の認証を受けており、レンズや画像処理の画質認定項目をクリアしている。例えばレンズなら中心から周辺まで高いコントラストと解像力を持つこと、画像処理なら自然かつ鮮度の高い処理、きめ細かなノイズ低減処理を行っていること、などだ。

 黒田氏によると、「AQUOSはプリントに向いている」という。「他のスマートフォンで撮影した写真を大きくプリントすると、エッジが破綻したり、ノイズが乗ったりすることがありますが、AQUOSはレンズと画像処理で認証を取っているので、プリントしてもきれいに出ます」(同氏)

AQUOSというカメラの写真展 フォトグラファーの黒田智之氏

 実際に16点の作例を見てみたが、確かにスマホのカメラで撮ったものとは思えないほどのクオリティーだと感じた。

 例えば飛行機の座席から撮影した写真は、機体の翼も鮮明に表現できており、空のグラデーションも美しい。他のスマホだと、機種によっては「翼のエッジはぼやけてしまう」(黒田氏)そうだ。

AQUOSというカメラの写真展 左下が飛行機の写真

 展示している写真は最大サイズ(23MP)で撮影したものだが、中には1000万画素程度にトリミングしたものもあるという。「それでもエッジが破綻していない」(黒田氏)のも、AQUOSならではといえる。

 暗所では、窓越しから撮影した閉店後のカフェと、暗い路地裏の2枚を展示。前者は窓越しであることが感じられなれないが、これは「レンズが乱反射しない」(黒田氏)ことが大きい。後者は暗い路地裏の建物やパイプのディテールもしっかり描かれているのが目を引く。タッチフォーカスでピントを合わせたまま固定し、中学生が自転車で通った瞬間に指を離してシャッターを切った。

 いずれの写真も三脚は使用していないが、暗所でもしっかりブレずに撮影できている。これは光学式手ブレ補正のなせるワザ。「電子式手ブレ補正だと合成がかかるので、ここまで(ブレずには)撮れません」(黒田氏)

AQUOSというカメラの写真展 左がカフェ、右が路地裏の写真

 複数の写真を合成して黒つぶれや白飛びを抑える「HDR」は、「見たままに写せないので、9割は使っていません」と黒田氏。AQUOSならHDRをオンにしなくても、きれいな階調が出せるという。例えば夕暮れの木を撮影したものは、HDRオフで撮っているが、近くで見ると木の質感や遠くのビルもしっかり写せており、空のグラデーションも美しく出ている。

AQUOSというカメラの写真展 右が夕暮れの木の写真

 「マクロ撮影に強いのもAQUOSならではです」と黒田氏。公称値ではないが、AQUOSでは他のスマホよりも近い7cmくらいまで寄って撮影できるという。例えば下記の花や葉の写真もギリギリまで寄ったものだが、他社のスマホでは、ここまで寄った写真は撮れないという。

 自然なボケ味も出せるという特徴もある。ビー玉を持った子供の写真は、ビー玉にピントを合わせた結果、子供の顔が自然な形でボケている。ボケすぎると子供の顔が分からなくなってしまうが、絶妙なボケ具合で子供の表情も分かる。

AQUOSというカメラの写真展 マクロ撮影した作例4点

AQUOSならではのカメラの特徴とは

 黒田氏は仕事柄、他社のスマートフォンのカメラも使っているが、それらと比較した上で、AQUOSカメラの特徴を挙げると、

  • マクロ撮影でもっと近くまで寄れること
  • エッジの描写力
  • 自然なボケ味を出せること

 の3点だという。

 今回の写真展は、黒田氏が富士フイルム プロラボの担当者に交渉したことで実現した。スマートフォンで撮影した作例を富士フォトギャラリーで展示するのは異例のことだが、「スマホで撮ったものとは思えない画質」と富士フイルム側も認めたことで、今回の展示が実現した。

 「スマートフォンのカメラは皆が一番使うものですが、画質について知らないことが多いのではと思います。あらためて、写真としてどれだけの絵を出せるのかを示したかったのです。スマートフォンだからプリントしても汚いわけじゃない。AQUOSのカメラは有り余るポテンシャルを持っていますし、写真文化の領域をかなり広げました」(黒田氏)

 AQUOSというカメラの写真展は、富士フォトギャラリー大阪では2017年2月9日〜15日、銀座では3月24日〜30日にも開催される予定。700mmにプリントしても本当にきれいなの? と半信半疑の方は、ぜひ現地に訪れて確かめてほしい。

※他社と比較した部分について、一部の記述を変更しました(12/22 16:11)

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