より速く、より快適に――「arrows NX F-01J」の虹彩認証「Iris Passport」を試す(1/2 ページ)

» 2016年12月21日 13時00分 公開
[井上翔ITmedia]

 富士通コネクテッドテクノロジーズ(旧:富士通)のNTTドコモ向けAndroidスマートフォン「arrows NX F-01J」は、ドコモ向けarrowsのフラグシップ「arrows NX」シリーズの最新作だ。“スペック番長”から“実用性重視”に方針転換した、ある意味で印象的なモデルとなっている。

 丈夫なボディー設計、採用するチップセットなど、F-01Jの実用性重視の姿勢はさまざまな面から感じることができる。この記事では、その中でも一番“地味”だが“重要”な改善が図られた虹彩認証「Iris Passport(アイリスパスポート)」について詳しくレビューする。

F-01Jで虹彩登録する筆者 arrows NX F-01Jの「Iris Passport」をレビュー中の筆者
歴代のIris Passport搭載のarrows(ARROWS) NX 歴代のIris Passport搭載のarrows(ARROWS) NX。左から「ARROWS NX F-04G」「arrows NX F-02H」、そしてF-01J

Iris Passportの基本原理をおさらい

 本題に入る前に、Iris Passportの基本的な仕組みについておさらいしよう。

 Iris Passportのハードウェアは、赤外線カメラと赤外線ライト(LED)から構成される。認証の際には、赤外線ライトが目に照射され、それを赤外線カメラが撮影する。撮影した目の虹彩が、本体に登録してあるものと合致すれば、本人確認OKということになる。

 目に照射される赤外線は、人体に照射する光線の安全基準である「IEC62471(JIS C 7550)」をクリアしているため、距離基準(目から15cm以上)を満たす限りは安全上の問題は全くない。不意に距離基準未満に目(顔)が近づいてしまった場合は、近接センサーがそれを検知してIris Passportを停止するので安心だ。

F-01JのIris Passport F-01JのIris Passport。基本原理は歴代機種と同じ
近接センサーが反応した場合 顔が本体に近すぎる場合、近接センサーが検知してIris Passportの機能をストップする。なお、この写真のように、近接センサーが汚れている場合もIris Passportの機能が停止する場合があるので、その際は汚れをしっかり拭き取ろう

より高速になった虹彩の登録と認証

 Iris Passportを利用するには、端末設定の「ロック・セキュリティ」内にある「虹彩登録」から虹彩データを登録する必要がある。登録前にはチュートリアルが表示されるので分かりやすい。

端末設定のトップ画面ロック・セキュリティ画面 端末設定の「ロック・セキュリティ」内にある「虹彩登録」を選択すると虹彩データの登録に入る
チュートリアルその1チュートリアルその2 虹彩データの登録前には、アニメーション付きのチュートリアルも用意されている

 ここまでは、既存の「ARROWS NX F-04G」「arrows NX F-02H」や「arrows Tab F-04H」のIris Passportと変わりない。しかし、F-01Jでは虹彩認証ソフトウェアのアルゴリズムを改善したことによって、虹彩データの登録に必要な時間が大幅に短縮している。以下の動画を見れば、その差は歴然としている。

ARROWS NX F-04Gの虹彩認証登録。目の回りの進捗(しんちょく)表示に注目
arrows NX F-01Jの虹彩認証登録。目の回りの進捗(しんちょく)表示に注目

 また、登録後の認証速度も向上している。F-04GもF-01Jもほぼ一瞬で認証を完了するのだが、F-01Jはより“一瞬”に近づいている印象だ。こちらも、動画で見比べてみるとよく分かる。

ARROWS NX F-04Gの虹彩認証による画面ロック解除
arrows NX F-01Jの虹彩認証による画面ロック解除

 動画内で利用している、画面を2回タップしてスリープを復帰する機能は「タッチでON」と呼ばれるものだ。Iris Passportと併用する場合は特に便利なこの機能だが、初期状態では無効となっている。端末設定の「壁紙・画面」にあるタッチでONの項目にチェックを入れて有効にしよう。

端末設定のトップ画面タッチでONを有効に 「タッチでON」は、標準状態では無効にされている。端末設定の「壁紙・画面」から有効にしよう
       1|2 次のページへ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.

最新トピックスPR

過去記事カレンダー

2024年